これまで読んできた1300冊を全て記録している僕が、本当にオススメする「日本の小説」25選

僕が読んだ1300冊からオススメの日本の現代小説を紹介する

2005年から読んだ本を記録し始めて、今まで続けてきた。
きっと生涯この習慣は続くだろう。
1300冊を超えた今、本当にオススメする本をジャンルごとに紹介していこうと思う。

「僕が選んだ本」という視点を盛り込みたいので、これまでちょっとニッチなジャンルのオススメ本を紹介してきた。

そして今回、満を持して王道中の王道に飛び込む。
そのシリーズ第6弾「日本の現代小説」だ。

 

第1弾は本当にオススメする「写真家が書いた本」

これまで読んできた1300冊を全て記録している僕が、本当にオススメする「写真家が書いた本」

第2弾は本当にオススメする「エッセイ」

これまで読んできた1300冊を全て記録している僕が、本当にオススメするエッセイ

第3弾は本当にオススメする「サッカーにまつわる本」

これまで読んできた1300冊を全て記録している僕が、本当にオススメする「サッカーにまつわる本5冊」

第4弾は心からオススメできる面白い「旅の本・紀行文20冊」

心からオススメできる面白い「旅の本・紀行文20冊」

第5弾は本当にオススメする「ルポタージュ」

これまで読んできた1300冊を全て記録している僕が、本当にオススメする「ルポタージュ」12選

第7弾は心からオススメする「家族愛を感じさせる写真集」

心からオススメする「家族愛を感じさせる写真集」

私のオススメ記事一覧
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1小説家、1作品。日本の現代小説を読んでほしい!

今回は満を持して「日本の現代小説」のオススメ本を紹介する。

自粛期間が長く、家で過ごすことが多い方にとって、気分を明るくしてくれるような読みやすい日本の現代を選んだ。読みやすいという観点から、名作揃いの純文学と呼ばれるジャンルは除いた。

そして1つだけルールを設けた。1人の小説家の作品は1作品だけ。
僕は伊坂幸太郎さんが好きで伊坂幸太郎さんの著書は全て読んでいるが、オススメの小説を挙げようと思ったら伊坂作品だけど5つくらいは選んでしまう。そうではなくておもしろい作家はたくさんいるのだから、1人の小説家で1作品にルールを設けた。

更にもう1つ。
ランキングを進めていくうちに、「ん、ちょっと古い作品が多いか?」と感じる方も多いかもしれない。その通り。ちょっと古い。
なぜなら、以前は小説ばかり読んでいた僕だが、今はそんなに小説を読まなくなったから。
だから、ちょっと古い本が選ばれているが、そんなことは気にしなくていい。

なぜなら、古い本は素晴らしいから。
なにより文庫化されていて安い。この面白さで、この値段!?と驚いてしまう。
そして時間が経過しても尚おもしろいということは、本当に面白いということでもある。

小説は面白い。気持ちを明るくしてくれる。
あなたの気持ちを高めてくれる小説を紹介しようと思う。

本当にオススメする小説【ドラマ】

1.
チルドレン/伊坂幸太郎


チルドレン (講談社文庫)


先にも述べたが、「好きな小説家は?」と尋ねられたら15年以上前から「伊坂幸太郎」と伝えている。
なので、オススメの本は幾らでもあるのだが、あえてここは「チルドレン」を挙げる。

ユニークなキャラと軽快なセリフと伏線回収の旨さが伊坂作品の特徴なのだが、チルドレンはその全てに当てはまる。
そして読んだ後にちょっぴり幸せな気持ちになり、今日も日常を生きていこうと思える作品。

人っていうのはさ、ショックから立ち直ろうとする時には、自分の得意なやり方に頼るんじゃないかな。落ち込んだ陸上選手はやっぱり走るだろうし、歌手は歌うんだよ。みんな、そうやって立ち直ろうとするんじゃないかな
歴史に残るような特別さはまるでなかったけれど、僕にはこれが特別な時間なのだと分かった。
この特別が、できるだけ長く続けばいいなと思う。甘いかな。

2.
映画篇/金城一紀


映画篇

20代前半から中盤にかけて、かなりハマったのが金城一紀さん。
映像化したGOや、フライ・ダディ・フライの作家と言えばわかる方も多いのではないだろうか?
岡田准一さんのSPの脚本もこの方が書いている。

すべての短編に映画のタイトルがついた作品。
特に最後の「ローマの休日」は、日本の、現代小説(ジャンル:ドラマ)の、最高峰と言っていいと思う。
それくらい温かく、ユーモアがあって、優しい。

確か働き始めてすぐくらいの頃に、この本の中に出版社がイベントをするという葉書がついていて申し込みをしたら当選し、都内のどこかにそのイベントを見に行った。

金城さん本人がトークし、後半はローマの休日の映画を見た。
「都会、すげえ!」と、とても幸せになった一日だった。

「君が人を好きに時に取るべき最善の方法は、その人のことをきちんと知ろうと目を凝らし、耳をすますことだ。そうすると、君はその人が自 分の思っていたよりも単純ではないことに気づく。極端なことを言えば、君はその人のことを実は何も知っていなかったのを思い知る。そこに至って、普段は軽 く受け流していた言動でも、きちんと意味を考えざるを得なくなる。この人の本当に言いたいことはなんだろう?この人は何でこんな考え方をするんだろう?っ てね。難しくても決して投げ出さずにそれらの答えを出し続ける限り、君は次々に新しい問いを発するその人から目が離せなくなっていって、前よりもどんどん 好きになっていく。と同時に、君は多くのものを与えられている。たとえ、必死で出したすべての答えが間違っていたとしてもね」

3.
続・横道世之介/吉田修一


続 横道世之介

ANAの機内誌「翼の王国」で旅のエッセイを連載している吉田修一さんの代表作。

以前に「年間10冊以下しか読書しないという人にオススメの小説5選」という記事を書いたが、そこで紹介したのが「横道世之介」

その続編だが、これを最初に読んでも全く問題なく楽しめる作品だと思う。

更に続編がでてほしい。
もっともっと世之介の人生を覗き見したくなる一冊。

ちなみに高良健吾さんと吉高由里子さん主演で映画化もされていて、これがまためちゃくちゃいい。

いつのまにか観衆は総立ちとなり、すでに万雷の拍手と声援に包まれている。こんな日が来るとは思わなかった。傘も役に立たないような大雨の日に、まだ赤ん坊だった亮太を抱いて、池袋のキャバクラの面接に向かう自分に教えてあげたい。大丈夫だからって。あなたたちは大丈夫だからって。だって、こんな大勢の人たちが応援してくれるんだからって。
今、世之介のことを思うと、ただ善良であることの奇跡を、伯父さんは感じます。世の中がどんなに理不尽でも、自分がどんなに悔しい思いをしても、やっぱり善良であることを諦めちゃいけない。そう強く思うんです。

4.
ノルウェイの森/村上春樹


ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

村上春樹さんの大ヒット作品。

個人的な話だが、僕が初めて読んだのは小説の舞台と同じく大学生のときだった。
性的な描写も多く、ドキドキしながら読んだ記憶がある。

大学生の多感な時期にこの本を読み、主人公の一歩引いた視点と、永沢さんの圧倒的な存在感に影響を受けた。

特に永沢さんが話した言葉は、何者かになりたいと思っていた大学生の僕に深くささった。

日本を代表する作家である村上春樹作品の中で、あまり本を読んでいない人にとっても入りやすい一冊。

「俺の言う努力というのはそういうのじゃない。努力というのはもっと主体的に目的的になされるもののことだ」

「たとえば就職が決って他のみんながホッとしている時にスペイン語の勉強を始めるとか、そういうことですね?」

「そういうことだよ。俺は春までにスペイン語を完全にマスターする。英語とドイツ語とフランス語はもうできあがってるし、イタリア語もだいたいはできる。こういうのって努力なくしてできるか?」

5.
そして、バトンは渡された/瀬尾まいこ


【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

好きな小説家を1人挙げてくれといわれたら伊坂幸太郎さんとともに必ず挙げる瀬尾まいこさん。
個人的には血の繋がらない家族の繋がりを書かせたら日本一上手なのではないかと思っているが、そんな瀬尾さんらしさ全開の作品だ。

保護者が4回も変わるという絶望的な境遇にありながら、周囲から愛を受け続ける女の子が成長していく姿。
「愛してる」とは表現していないが、「愛とはこういうこと」ということが表現されている。

優子ちゃんがやってきて、自分じゃない誰かのために毎日を費やすのって、こんなにも意味をもたらしてくれるものなんだって知った。。

6.
サラバ!/西加奈子


サラバ! (上) (小学館文庫)

第152回直木賞受賞作品。
阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、911、東日本大震災。
現実とリンクした出来事とともに、主人公をとりまく環境の変化と共に、主人公自身も変化していく。

人間の一生のにあるドラマ性を感じる、とても優しい一冊。

「ヨガって、いろんなポーズがあるでしょう。そのどれも、体の幹がしっかりしていないと出来ないの。バランスが大切なのよね。そのバランスを保つのにも、体の芯、その幹のようなものがしっかりしていないとダメなの。体を貫く幹が。」
姉は落ち着いていたが、熱心だった。
「幹。私が見つけたのは、信じたのは、その幹みたいなものなの」

7.
旅立つ理由/旦敬介


旅立つ理由

観光地化されていく町並み、外国人に対する視線、どうしようもない疲労感、毎日通ったお店、彩り豊かなマーケット。
旅中に遭遇する特別ではない日常に、いくつかの物語があることで、異国異文化を強く感じる。

短編同士の繋がりに気づき始めるとき、人の生涯はいくつもの物語の重なりから生まれていることに気がつく。

紀行小説では群を抜いて美しい一冊。

辛抱強く夕方まで待って氷ができたのを見ると、彼はミキサーにマンゴーとパイナップルと氷と水と砂糖を入れて機械を回した。びっくりするほど大きな音が、それまで物音ひとつしないのが当たり前だった部屋の中に響き渡って、思わず音がすくんだが、気を取り直してもう一回、60秒ほどガーッと轟音を立てて回すと、心の底から歓びが湧き上がってきて、誇らしい気分でいっぱいになった。
それは、彼が生まれて初めて自分で所有したミキサーであり、生まれて初めて自分で作ったジュースだった。電気製品がひとつもなかったこのアパートで、それは歴史上初めて出る大きな音だった。水と氷と砂糖を入れてその場で作るジュースこそがブラジルの飲み物だった。ジュースを作るために回るミキサーの音こそがブラジルの音だった。
これこそがブラジル的な暮らしだった。これこそが自分のやりたかったことなのだ、と彼は思った。

8.
下町ロケット/池井戸潤


下町ロケット (小学館文庫)

阿部寛さんが主演した超有名ドラマの原作。
池井戸作品はどれも面白い。

社会的ブームとなった一冊。

なぁ知ってるか? 大福をはじめに発明したのは、江戸時代に貧しい暮らしを送っていた女でな。
金がなくて、どうにかして餅を売らなきゃいけないって時に、餡子を入れて売ることを思ったそうだ。
発明なんてそんなもんさ。ちょっとした所から生まれるんだよな。。

9.
手紙/東野圭吾


手紙 (文春文庫)

こちらも山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカが主演で映画化された作品の原作。
東野作品と言えばミステリーだが、人間の心理を描くことも巧み。

強盗殺人犯の弟という十字架を背負いながら、生きていく主人公。
ライフステージごとに理不尽な出来事に迫られ、生きていく意味を考える。

最後のシーンは、小説はもちろん、映画は小田和正さんの曲と重なってとんでもない名シーンなので是非見てみてほしい。

大人とは不思議な生き物だ。ある時は差別なんかいけないといい、ある時は巧妙に差別を推奨する。
その自己矛盾をどのようにして消化していくのか。そんな大人に自分もなっていくのだろうかと直貴は思った。
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文藝春秋

10.
空中ブランコ/奥田英朗


空中ブランコ (文春文庫)

直木賞受賞作。
精神科医・伊良部一郎シリーズの2作目だが、この本から読んでも全く問題ない。

神妙な問題を抱える患者が。ハチャメチャな精神科医・伊良部と出会う。
最初はその摩訶不思議な行動に不審に思うのだが、あれよあれよと過ごすうちになにか引っかかっていたことが抜けていくようになる。

楽しく読める一冊。

人間の宝物は言葉だ。一瞬にして人を立ち直らせてくれるのが言葉だ。

本当にオススメする小説【青春】

11.
69/村上龍


69 sixty nine (文春文庫)

数々の名著を残している村上龍さんだが、あえて一冊を挙げるのならば最も村上龍作品らしくない青春小説の傑作をオススメする。

ロックミュージックと学生運動が盛んな1969年、日本は今の日本とは全く異なる顔をしていた。

村上龍さんの自伝的小説。
読みやすくて、笑えて、スピード感があって、エネルギーをもらえる。

本が好きになる一冊。
最高。

奴らがちらつかせるのは「安定」だ。つまり、「進学」や「就職」や「結婚」だ。奴らにはそれだけが幸福につながるという大前提がある。胸がムカムカする大前提だが、これは意外に手強い。まだ何者にもなっていない高校生にとって、手強いのだ。

12.
夜のピクニック/恩田陸


夜のピクニック (新潮文庫)


第2回本屋大賞受賞作。

恩田陸さんの母校の名物行事「歩く会」をモデルにしている。昼夜一日かけて80kmを歩き続けるという超絶楽しそうな高校行事で、その最後にキャンプファイヤーをするという考えられるだけで最高の企画。当然その一日にはドラマがある。

大学生の頃にこの本を読んで、僕も仲間を誘い、夜のピクニックをしたことは言うまでもない。
仲間7人くらいで、終電に乗って、地元からは遠く離れた町に降り、そこから歩いて帰った。

ただ歩くだけの、特別な時間。

みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。

13.
写真学生/小林紀晴


写真学生 (集英社文庫)

アジアン・ジャパニーズで知られる写真家・小林紀晴さんの自伝的小説。

諏訪で過ごした青年時代や、東京に出てきて写真を学ぶようになった日々の葛藤を描いている。
少し引いたような視点から書かれた文章は、心情の変化が繊細で淡々としていて、妙に心の中に入ってくる。

まだ何者にもなれていなかった小林少年の葛藤と焦りが描かれているとても好きな作品。

14.
劇場/又吉直樹


劇場 (新潮文庫)

火花 で芥川賞を受賞し、その真価が問われた2作目の劇場が、とんでもなく素晴らしい小説だった。

突拍子もなく現れるなにげない会話が、全く意味がないんだけれど妙にありそうで、それが現実世界の日常とリンクする。

何者かになりたいのだけれど、その道も方法もわからず、悶々とした日々を過ごしてきた時間を表現した作品。
おもしろい!

はたから見れば無感動なかおで呆けているように見えたかもしれないが、心のうちは劇場にかられていた。今のこの目で世界を見なくてはいけないと思った。こんな些細なことで感傷的になる自分をどうかと思いもするけれど、こんな瞬間に立ち会うために生きているのかもしれない。

15.
キッチン/吉本ばなな


キッチン

国語の教科書で読んだことがあるかもしれない吉本ばななさんの代表的な作品
吉本さんらしい細かな表現と、直接的でない言い回しが好きな人には刺さるはず。

作中に出てくるカツ丼の描写は「ああ、あのカツ丼の本ね」と、本好きの間では共通語として語り継がれている。
きっと読んだらカツ丼を食べたくなる。

俺はやりたいことをしていないという将来のほうが不安なんだ。

16.
檸檬のころ/豊島ミホ


檸檬のころ (幻冬舎文庫)

特別ではない普通の高校生の、全くもって特別ではない日常の心を、瑞々しく繊細に描いた作品。

登場人物たちの葛藤や胸の高鳴りを共感できる人も多いだろう。
高校生や大学生に読んでほしい。

30代を超える男性には眩しすぎて読めないと思う(笑)

車内は相変わらずしんとして、つり革が揺れてきちきちと音を立てるのが聞こえる気がした。俺はこの空気を、最終電車で秋元と並んでいたことを、ずっと忘れないだろうと思った。

17.
色即ぜねれいしょん/みうらじゅん


色即ぜねれいしょん (光文社文庫)

みうらじゅんさん、最高。大好き。
川崎市民ミュージアムのMJ’s FESや、いとうせいこうさんとのスライドショーも見に行った。

面白すぎる。
こんな風に、まじめにふざけて生きたい。

そのみうらさんの、自伝的小説。

他人の価値観を否定ばかりしていても何も生まれない。きっと、何か生まれる瞬間は、他人の価値観を認めた時なのかもしれない。今はそう思うんだ。

18.
青が散る/宮本輝


新装版 青が散る (上) (文春文庫)

随分昔に読んだので、内容はザックリとして覚えていないけれど、面白かったという確かな記憶がある。

大学生がテニスに励み、人生に向き合っていく。
どうやら僕はこういう悶々とした作品が好きらしい。

キューバで出会ったとてもかっこいい旅人が、この古い本を「好きなんですよ」と何度も読んでいる姿が印象的だった。

「今日は何が何でも勝つんやぞォ。どれだけマッチポイントを取られても、逃げて逃げて逃げきって逆転するんや。テニスは、マッチポイントを取ってからが苦しいんや。一流も二流も関係ない。あきらめるやつが下で、あきらめんやつが上や。そやから二流の上は、一流の下よりも強いんや。」

19.
僕は勉強ができない/山田詠美


ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

大学生のときに初めて読んでその軽快な文章に心が躍り、昨年改めて読んでみたら大学時に読んだときよりももっと好きになった作品

紹介文章が秀逸。

ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ――。17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。勉強はできないが、女性にはよくもてる。ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。母親と祖父は秀美に理解があるけれど、学校はどこか居心地が悪い。この窮屈さはいったい何なんだ!

子どもはつまらない人間を決して好きにならないわ。さっき書店であなたの買ってた本を見たけれど、すごく読書の趣味がいいと思う。そういうことを子どもたちに示してあげたらいいと思う。実感のない言葉は、人の心を打たないわよ。ねえ、思い出してみて。あなたに影響を与えた先生は、どんな人たちだった?
先生は、ぼくの何に対して注意しようとなさってるんですか。コンドームを落としたことですか?それに関しては、うっかりしてたと思います。ぼくは、まだ若くて、彼女に子供が出来ても育てていける筈がない。だから、こういうものを使うんだ。何故かって、真剣だからです。真剣だから、彼女の体を気づかうんです。

本当にオススメする小説【スポーツ】

20.
サクリファイス/近藤史恵


サクリファイス (新潮文庫)

ロードレース競技はエース1人を勝たせるために、チームの他のメンバーは全ての自己犠牲を要求される。
先に飛ばして全体のペースを乱させる役割や、エースの風よけになって飛ばし続ける役割もある。
アシストはゴールすらせずにレースを終えることもしばしばある。そんな独特の世界で様々な感情をもつロードレース競技を描いた作品。
物語はエースではなく、アシストを主人公として話が進んでいくのだが、その立場や感情が面白い。

シリーズものになっていて続編もあるので読み応えのある作品。

21.
龍時/野沢尚


龍時(リュウジ)01─02

大学生の頃にこの作品を読んで、とても面白かったことを覚えている。

龍時がスペインに単身で渡り、プロサッカー選手として活躍していく様が描かれている。
このシリーズも3作品あり、龍時の成長を追えるところも楽しい。

サッカーに関する描写み躍動感があり、実在するサッカー選手がでてきたりしてサッカー小説としては圧倒的に傑作だと思う。
特にサッカー好きな高校生や大学生は、興奮しながら読めると思う。

残念なのが野沢さんが亡くなってしまったので4作目を読むことはできなくなってしまったが、きっと龍時はその後も成長を続けていったはずだ。

本当にオススメする小説【恋愛】

22.
ニシノユキヒコの恋と冒険/川上弘美


ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

どんな女性からも愛されてきた男性、ニシノユキヒコ。
女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど、最後に必ず去られてしまうニシノユキヒコという男性について語られた物語。

語り手は女性で年代も様々なので、多様な視点からニシノユキヒコという男性について知ることができる。

ああ、ニシノユキヒコはこんな風に変わっていったんだ、変わらなかったんだ、と昔からの友人のような気分にさせてくれる一冊。

どことなく、先に紹介した横道世之介と似たような感覚にさせてくれる一冊。

ほんの少しのビールを飲みほし、頬を赤くし、もう一度顔をしかめて、「まいったな」と言った。ユキヒコが、今、わたしのことを好きになった。そのとき、わたしにはわかった。はっきりとわかった。「なにがまいったの」わたしは聞いたけれど、ユキヒコは何も答えなかった。

23.
イニシエーション・ラブ/乾くるみ


イニシエーション・ラブ (文春文庫)

「映像化不可能」
「必ず2度読みたくなる」
「最後から2行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する」

本屋さんの文庫コーナーで、こんなキャッチコピーが印象的で覚えている人もいるかもしれない。
それくらいラスト2行で、物語は一変する。
もしかすると、最初はラスト2行の意味がわからないかもしれない。

確かに必ず2度読みたくなる一冊。

ちなみに、「映像不可能」と言われながらも映像化した末に、「やっぱり無理があったね」と映画をamazon primeで見た僕は思ったものでした。

外見を飾るにはたやすいが、内面を磨くのはそれほどたやすくはない。そして僕は内面を磨くことを重視して今まで生きてきた。だから僕の場合は、そこを見てほしいという気持ちが強くあって、それゆえに自分の外見を飾ることに対しては努めて無関心であろうとしてきたのだ。

本当にオススメする小説【ミステリー】

24.
クリムゾンの迷宮/貴志祐介


クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

ミステリーというかSFにあたるジャンルかと思うのだが、この本は面白い!
50ページくらいまで読んだら、その後は気になって一気に読んでしまうと思う。

この世とは思えない異様な風景の中で目覚めた男性の手元には簡単な食料と携帯用ゲーム機があった。携帯用のゲーム機には「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された……」という謎のメッセージが記されている。途方に暮れる藤木は女性と遭遇する。携帯ゲーム機が示す最初のチェックポイントに向かうと、同じように巻き込まれたメンバーが。
チェックポイントの指示では「東にサバイバルグッズ、南に食料、西に武器、北に情報がある」と記されていた。4つのチームに分かれたメンバーたちは、謎の大地で生存を競い合うゲームに巻き込まれていく…。

貴志祐介さんは、伊藤英明さんが主演した「悪の教典」なんかにも代表されるように、けっこう残酷に人が死んでいく作品が多いのだけれど、このクリムゾンの迷宮もその部類に入る。

随分昔の小説だけれど、「面白い小説」みたいなまとめ記事にはけっこう挙がってくる一冊。
僕も一日で一気読みした記憶がある。

二人とも強烈に死を意識しているからかもしれない。 明日があるという保証がないからこそ、今という時を燃焼し尽くさなければと思うのだろう。

25.
半落ち/横山秀夫


半落ち (講談社文庫)

「半落ち」とは警察用語で「一部自供した」という意味。
殺害の罪は素直に認めているんだけれど、「空白の2日間」は黙秘を貫く男性をめぐる物語。

一人の男性を中心に様々な人物の視点で話される物語
「横道世之介」や「ニシノユキヒコの恋と冒険」もそうだが、僕個人としてそういう小説が好みなのかもしれない。

寺尾聰さん主演で映像化にもなっている。

何のために生きるんですか?

 

オススメの日本の現代小説25人25作品を紹介した

25人の小説家の25作品を紹介した。
もちろん、日本の現代小説には面白い作品も多いし、この25人の作家の中には他にも面白い作品がある。

ぜひ、読んでみてほしい。

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