是枝裕和監督の魅力とオススメの作品を語る

是枝裕和監督のオススメの映画作品を紹介する

この記事ではこれまでカンヌ国際映画祭パルム・ドール、日本アカデミー賞最優秀監督賞など数々の受賞歴がある是枝裕和監督が好きな僕が、オススメの作品や、作品のなにが面白いのかを言語化し、紹介する記事です。

最近amazon primeU-NEXTでも是枝作品を多数見られるようになっている。
気になった作品があれば、ぜひ鑑賞してみてください。

オススメの是枝作品5選

5.
そして父になる

ドキュメンタリー出身の是枝監督は、現実に起きた社会的な出来事を題材に映画を書き上げていくスタイルを得意としています。

「そして父になる」は、実際に起きて話題になった赤ん坊の取り違え事件をモデルにした作品で、福山雅治さんとリリーフランキーさんが、それぞれ取り違えた子の父親役を演じています。

キャッチコピーは

息子を取り違えられた二つの家族
血のつながりか、共に過ごした時間か。
突き付けられる慟哭の選択

6年間家族として育てた時間なのか、自分の血が入った血縁なのか。
仕事人間の福山雅治と、子どもを優先してきたリリーフランキー。
二人の対照的な父親像が、見る人の心を揺さぶります。

また、是枝監督は表と裏を表現すること非常に得意としていて、今作でもその手法が使われています。

エリートで、お金持ちで都内の高級マンションに住む福山雅治。
みすぼらしく、雑然とした家に暮らすリリーフランキー。

一般的にどちらに育てられた子どもが幸せかと問われれば、福山雅治演じる良多のほうが印象はよいでしょう。
だってお金持ちだし、きれいで広い家に住んでるし。

だが、実際には表として見えている部分だけでは判断できるはずがなく、裏の部分として普段見えていない部分にも真実がある。
僕たちが普段目にしている部分がいかに一面的なのかということに気がつく。

万引き家族でも同じように表と裏が表現されていましたが、この手法は是枝監督が得意としている描写の1つと言えるでしょう。

第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。
興収30億円を記録した名作。

4.
誰も知らない

この映画も現実に起きた事件を題材にした映画です。

当時14歳だった子役の柳楽優弥がカンヌ国際映画賞最優秀主演男優賞を受賞したことで話題になりました。
2004年公開なので今から15年前に公開された映画だが、是枝監督らしさがギュっと詰まった作品です。

是枝監督は子役を活かすのが抜群に上手く、万引き家族の城桧吏と佐々木みゆ、海街diaryの広瀬すず、奇跡のまえだまえだ兄弟など様々な子どもを演出してきました。

監督は子役に台本を渡さないことでも有名です。
子どもは台本を渡されると自宅で母親と練習を繰り返し、どうしても不自然な演技をするようになるからというのが理由だそうです。

では、どうやって台詞を伝えるのか?

現場で口で伝えたり、そのシーンがどんなシーンなのかだけを大まかに伝えて自由に動いてもらうという手法をとっているそうです。
こうすることで、「自分から発した言葉」を引き出し、演技を演技に見せない工夫をしているそうです。

ちなみに海街diaryの広瀬すずさんもこの演出方法で演技をしたそう。
おもしろい。

3.
海街diary

綾瀬はるかさん、長澤まさみさん、夏帆さん、広瀬すずさんという4人の女優を4姉妹として演出した作品。

是枝映画の特徴はその映像の美しさにあります。

監督はフィルムを好んでよく使用していますが、フィルムの美しさを改めて感じる映画です。
デジタルで撮影した作品もフィルム調で出力していますし、映像の色にはかなりのこだわりを持っていることが伺えます。

そんな4姉妹とフィルムの色で、きっと多くの男性はずっと見てられるような作品かもしれません。

 

前述しましたが、広瀬すずさんはこの映画で台本を一切渡されず、口頭で台詞やシチュエーションを伝えられて演技したそうです。
あの自然な雰囲気はそんな演出から生まれているというのも納得。

また、是枝監督は撮影を始める前にアイスブレイクとして共同作業をさせる演出もするそうです。
例えば万引き家族で海に行ったシーンは撮影前に「みんなで海で遊んでください」と伝え、そのシーンを一応撮影していたら思いがけずいいシーンが撮れて入れ込んだという話や、海街diaryでも梅の実を撮るシーンは同様に撮影期間に入る前に共同作業をしてもらったところを撮影したそうです。

そういう演出をすることで、「家族らしさ」の距離を作り上げていくところもやっぱり演出家だなと感じますね。

そんな視点で海街diaryも見てみてください。

2.
ワンダフルライフ

20年前に放映された名作。

今の是枝監督の手法を知っているからこそ、監督の一番の魅力の部分はなにも変わっていないなと感じさせる作品です。

映画の設定は少々奇抜なもの。
舞台は死後の世界。亡くなった方が一箇所に集められ「貴方の一番大切な思い出を1つだけ選んでください」と、尋ねられる。
7日後に天国へ行く前に、生前で一番思い出に残った場面を再現した映画を作成する為だという。
その映画を見て過去を思い出した瞬間に、死者たちは天国へ行くそうだ。

一人ひとり、自分の思い出の場面を話していく。カメラに対してテーブルを挟んだ死者は、椅子に座り、様々な想い出を語っていく。
そう、万引き家族で安藤さくらが最後に語る名シーンと、ほぼ同じアングルだ。

多くの方はお年寄りで、時々若者もいる。想い出を語る死者たち。その表情が、抜群にいいのだ。

どうしてこんな自然な表情が撮れるのか?
答えはまさに「自然」に話しているからだ。

というのは、もともと想い出を語っている死者たちは、テスト撮影の為に集めた素人たちらしい。
「自分の一番の思い出の場面」を話す表情ががあまりに良かったので、演者ではなくそのまま素人を使うことにしたそう。

今までで一番の想い出を演技ではなく思い出話として語る表情は、とても優しく、聞いていて心地よい。

ドキュメンタリー出身の是枝監督がつくる映画らしい作品だ。

1.
万引き家族

期待して映画館へ行ったら、その期待をお大幅に超えてきて、衝撃を受けた作品。

是枝監督のこれまでの作品要素を総動員したような映画です。

子役の演技指導が抜群にうまく、映像の美しさや設定の秀逸さ。
社会への問題提起、そして、樹木希林さんの狂気。

正しいとされていることが必ずしも正しいのか、間違っているされていることが必ずしも間違っているのか。
幸せだと思われていることが本当に幸せで、不幸だと思われていることが本当に不幸なのだろうか。

物事はひとつの側面を見るだけではなく、多面的な視点をもっていることで見える世界が異なってくる

何度でも見たい。そのたびに新しい発見が見えてくる映画です。

フィルムの色合いによる映像の美しさ、子役の存在感と影をつくる演技、ドキュメンタリー的な演出、社会への問題提起、安藤さくらの最後のシーンとワンダフル・ライフのリンク、家族をテーマに表と裏の側面を描いていること。

是枝監督の持つすべての要素がこの映画にはつまっています。
ベスト・オブ・ベスト。

是枝裕和監督の魅力をまとめる

1. フィルムを主として使用し、映像が群を抜いて美しい

2. 子役の自然さが抜群によい

3. ドキュメンタリー出身の監督らしい演出

4. 家族を主としたテーマに表面と裏面が描かれている

5. 出演者の声を受け、脚本を撮影前日に書き直す

 

そんな是枝監督がこれまで最も重宝してきたキャストは樹木希林さんだろう。

樹木希林さんが亡くなったことで、今後の監督の作品にどう影響するのだろう。
そんなところも注目しながら、やっぱり今後の作品にも期待している。

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