クリスマスの楽しみは沢木耕太郎のMIDNIGHT EXPRESS

沢木耕太郎のMIDNIGHT EXPRESS

あなたにとって、クリスマス・イブの楽しみはなんだろうか?

家族と食卓を囲むことかもしれないし、恋人とディナーを食べることかもしれないし、プレゼントを受け取ることかもしれない。きっと多くの方がそうだろう。
7年前から私にとってのクリスマス・イブの楽しみの1つに、沢木耕太郎氏の声を聴くことが加えられるようになった。

毎年クリスマス・イブの夜を迎えると、思い出す声がある。
J-WAVEで放送されているラジオ番組「沢木耕太郎 MIDNIGHT EXPRESS 天涯へ」で放送される、沢木耕太郎さんの温かい声だ。

毎年同じ日に、同じ時間で、同じ楽しみがある。

その日が近づくと思い出し、その時間がくるとホっとし、その声を聴くと過ぎ去った時間を回想する。そんな存在があることが、なんと豊かに感じるのだろうか。

私はラジオを通して、人生の豊かさを想像できるこの時間がとても好きだ。

1997年から放送されているらしいこのラジオ。
私は2012年から聴き始めたのでまだまだ歴史は浅いのだけれど、それでも沢木さんのラジオを聴くと「またこの季節がやってきたな」という気持ちになってくる。

人生であと何度、この日を迎えることができるだろうか。
その回数を想像することは、大袈裟に言えば人生の短さを想像させられる。

私の旅の原点「深夜特急」

私が旅を始めたきっかけは、友人から薦められた沢木耕太郎さんの「深夜特急」を読んだからだった。

深夜特急

私が旅を始めた2000年代始めは、旅をする若者はほぼ全てが「深夜特急」の影響を少なからず受けていたのではないだろうか。
当時はまだ今のようにインターネットが豊かには発達しておらず、旅の読み物と言えばブログでもSNSでもなく、圧倒的に本だった。

同時に、旅の本の選択肢が今のように多くはなく、バックパッカー系ならば沢木耕太郎の「深夜特急」か小田実の「なんでも見てやろう」で、冒険系ならば植村直己の「青春を山に賭けて」を読み、自分も外国へ行って旅をしてみたいと強く願ったものだった。

選択肢の多くない時代。
きっとみんな、そうだった。

沢木耕太郎さんの魅力

1970年代に(香港やタイを経由して)インドからロンドンまでを乗合バスで旅行した「深夜特急」、ボクサー・カシアス内藤の生きた証を綴ったルポタージュ「一瞬の夏」、登山家・山野井泰史・妙子夫婦の生死をかけた登山を、まるでそこにいたかのように記録した「」、他にも「キャパの十字架」や「」や「波の音が消えるまで」など、エッセイもルポタージュも紀行文も小説だって最高に面白い。
写真と文章を相性の良さも熟知していて写真集「天涯」もいい。インタビューだって上手く、ゲスト出演しているはずのラジオ番組でいつの間にか沢木さんがインタビュアーになっていたことだってある。

だけど彼の才能はそれだけではない。
ストーリーテラーと呼ばれる「物語の語り手」としての魅力まで持ち合わせている。

決して派手なエピソードがあるわけではないのに、不思議と引き込まれて話し方
朴訥と自分の言葉で話す、その
人への興味が強く、リスナーとの会話を楽しむ自然な態度。
沢木さんが最後の言葉を伝えた後に突然かかる心地よい音楽

そこに難しい言葉はない。高飛車な姿勢もない。ただ、世界の広がりが想像できる。

そんな沢木さんがゴロウ・デラックスという番組に出演した。
その時の感想を「ゴロウ・デラックス最終回に沢木耕太郎さんが出演した」に書いた。

ゴロウ・デラックス最終回に沢木耕太郎さんが出演した

沢木耕太郎のMIDNIGHT EXPRESSは12月31日までradikoで

1年に1回の贅沢な時間。
3時間は長く感じるかもしれないけれど、年賀状でも書きながら、静かにゆっくりと聴くと、とても贅沢な時間になるはず。

31日までradikoで聞けるかと思います。
ぜひ、聞いてみてください。

そして、1年後。
この日がくることで感じる豊かさを、あなたにも感じてほしい。

沢木耕太郎のMIDNIGHT EXPRESS

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