はじめて写真展を開きたい方へ② 〜写真のセレクト編〜

はじめて写真展を開きたい方へ」シリーズ第2弾。
前回の①会場選択編に続き、今回は②写真のセレクト編です。

これまで展示会(写真展やエッセイ展)を4回行ってきました。

なにを準備すればいいの?
どこで開催するのがいいの?
なにが必要なの?
写真はどうやってプリントするの?
なにに額装するの?
どう宣伝すればいいの?
お金はいくらかかるの?

2015年にはじめて写真展を開催した僕は、まさにこんな状態でした。

なにもわからない状態から試行錯誤を繰り返しながら様々な展示会場で写真展を開催してきた中で、いくつかのノウハウを得ることができました。

写真展を開きたいんだけど、なにから始めればいいのかわからない。
そんなあなたの背中を押したくて。

このブログがヒントとなって、あなたの初めての写真展の開催に繋がれば幸いです。

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第1回:はじめて写真展を開きたい方へ① 〜会場選択編〜
第3回:はじめて写真展を開きたい方へ③ 〜額装編〜
第4回:はじめて写真展を開きたい方へ④ 〜宣伝編〜
第5回:はじめて写真展を開きたい方へ⑤ 〜会場レイアウト編〜
第6回:はじめて写真展を開きたい方へ⑥ 〜当日持参する道具編〜
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あなたはどんな写真を何枚展示したいの?

展示場所が決まったら、いろいろな想像が膨らんでくるかと思います。
その中でも特に一番考えることは、「どの写真を何枚展示するのか」ということでしょう。

この写真は、みんないい写真っていうから展示するでしょ。
これも外せないよなー。
この街で出会ったおじさんとの出会いも印象的だったから、この写真も展示したい。
ああ、これもおいしかったし、盛り付けもきれいだから展示したいなぁ。

はじめての写真展。

写真を撮影した際の思い入れが強い作品も多く、あれも展示したい・これも展示したいという気持ちが強くなる方が多いかと思います。
ただ、現実問題として会場の大きさや、かけられる費用によって、展示数や展示作品は大きく変わってきます

初めての写真展を開催するにあたり、開催する会場に合った作品を選ぶ方法について、考えていきましょう!

写真をセレクトする考え方を徹底解説

「写真展を発表する」には大きくわけて2つの作業があって、その1つは「写真を撮ること」であり、もう1つは「写真を選ぶこと」であると思っています。

どの写真を選び、全部で何枚展示するか

写真展の質を高めるためには、写真をセレクトする力は極めて重要な仕事だと感じています。

私がはじめて写真展を開催したときのテーマは、「世界の日常」でした。
1年半の長い旅の間に撮影した写真を中心に展示したので、大変な量の写真から展示する作品を選びました。おそらく数万枚という数だと思います。

数万枚の中から全体のバランスを考えベストな組み合わせを選び、順番に配置していくいう作業は、「写真を撮る」作業と同じくらい重要な技術だと認識して頂けるでしょうか?

写真のセレクトについて

サッカーでは「上手な選手」を11人並べれば強いチームができるわけではないように、写真展では「インパクトのある写真」を並べれば素晴らしい写真展ができるわけではないというのが自分の考えです。

得点を決める人だけを集めたチームが強いチームでないように、美しい絶景だけを集めた写真展は素晴らしい写真展ではありません。

ボールをさばく人、ボールを奪う人、気の利いたポジションにいる人。走る人。

いろいろな役割があってチームは機能するものです。数万点の写真から、全体を相乗効果させられる組み合わせを考えながら写真をセレクトしました。

では、具体的にどのような方法でセレクトしたのかを解説していきます。

写真をセレクトした具体的な方法

数万枚から300枚

会場の広さとレイアウトの関係から、30枚〜40枚程度の写真を展示しようと考えたとしましょう。写真は大中小の3サイズ。大はA3ノビ、中はA4、小は2Lサイズ。
まず、対象の写真をパソコン・モニターでチェックし、全ての写真にざっと目を通します。
第一次候補としてちょっとでも気になる写真をどんどんピックアップしていきましょう。
この作業はなかなか根気が必要な作業ですが、とにかくガンガン見ていきます。
同じような状況やアングルの写真は1枚だけ(多くても2枚)しか残さないと」いうルールを作り、ピックアップしていきましょう。

この段階で第一次候補として300枚まで写真がしぼれました。

写真展のためにセレクトした300枚の写真

300枚から200枚

次に、今回の写真展のテーマとなる写真をピックアップしていきます。

世界の日常」をテーマにするので、ピラミッドがかっこよく写っていたり、マチュピチュの全景などの観光写真はこの段階で全て排除しました。
反対に、「ピラミッドの前にだらしなく横たわるラクダ」の写真は残したりもしました。

この300枚は数万枚から選ばれた300枚なので当然全てに思い入れがあり、好きな写真でしょうが、そんな感情は捨てて、とにかくテーマを意識してどんどん削っていきましょう。

僕の場合は、それでもこの段階で200枚くらいに残りました。

200枚から15枚

さて、ここから。

この200枚はもちろん全て好きなのですが、「絶対にこれだけは入れたい」という写真をピックアップしていきます。好きな写真の中の最上級に好きな写真
30枚から40枚の展示なので、ここではその半数の15枚ほどをピックアップしましょう。

写真展のためにセレクトした15枚の写真

まずは2Lサイズでその15枚の写真をモニターの世界から飛び出させ、紙で印刷してみましょう。

実際に写真をプリントして並べてみると、モニター上で見ているだけでは気づかなかったことがでてきます。反対に言うと、紙でプリントしてみないとわからなかったことです。

 

好きな写真15枚をプリントしてみると、先述した「得点を決める人」だけを集めた写真群になっていたんですね。
具体的には僕は「人」の写真を撮ることが好きで、やはり15枚の写真は人の写真を多くピックアップしていました。

この視点でもう一度写真を眺めてみてください。
実際に並べてみると、違和感をプンプンと感じます。お腹いっぱい感がすごい。

写真展のためにセレクトした15枚の写真

なんだか、人のポートレイトが多いな。
残りの20枚くらいで、人以外の写真を選んでもいいな。
「世界の日常」がテーマだから「食事」「暮らし」「衣服」「遊び」などの視点もあったほうがおもしろいな。
これとこれを並べるとちょっとくどいな。
このエリアはちょっと印象が薄いな。
これとこれは色が近いから並べてもいいな。
もしくは遠ざけたほうがいいな。
焦点距離が定まっていなくてガチャガチャするな。

そんなことを考えながら、この写真群に足りない写真はどれか、もしくは足りすぎている写真はなにかを考えていきます。
同時にどの写真を大きく見せるべきなのかどの写真を隣り合わせるのかどの写真を選ぶのかをイメージし、300枚の中から復活させていきます。

無限にある組み合わせの中から自分がベストだと思う組み合わせを選ぶ作業は、まさに写真を撮ることと同じくらい重要な仕事のように感じました。

15枚から36枚

ここから私が具体的にしたことは、ズームレンズで撮影した写真を削除することでした。

理由はいくつかあるのですが、簡単にいうと「視点を揃えたかった」からです。
長い旅行をしている時はその便利さからズームレンズをたまに使っていましたが、展示を意識した写真群として見たときにやはり違和感を感じるんですよね。
行ったり来たりとガチャガチャしているように感じ、ちょっとひっかかる。

世界との距離感が近づいたり遠ざかったりしている写真群は、ちょっとインチキくさく、見る人の心にあまり響かないのではないかと感じたのです。
ということで、単焦点で撮影した写真のみをピックアップしました。

 

次に、「人が大きく写っている写真を減らす」ことをしました。

僕の好きな写真の特徴は「その場の雰囲気が伝わるような人物写真」です。
つまり、好きな写真を選んでいくと、自動的に「人が大きく写っている写真」が多くなります。これだと面白みがない。

もちろん、自分が好きな写真なので思い入れはありますが、あえて絶対数をある程度減らす。そうすることで、展示されている人物写真が更に引き立つんですね。

この作業はとても大切だと感じています。
特に人の写真の場合、その数が多すぎると「くどい展示」となるので注意が必要ですね。

写真展のためにセレクトした30枚の人物写真

30枚の人物写真の中から、展示したのは8枚の人物写真でしした。

写真展のためにセレクトした8枚の人物写真

展示できなかったものの中には、やはり個人的な思い入れや好きな写真はあるのですが、そこはドライに取捨選択していきます。
同じように動物の写真を絞り、風景の写真を絞っていきます。

これはなに?という写真を差し込む

そして、最後の作業として、「ん?これはなに?」というような写真をいくつか差し込んでいきます。

写真群として発表することを意識する時に、「よく見ないと(もしくは、よく見ても)なんだかよくわかない写真」というものは必要な気がしていて、意識的にそういった写真は差し込んでいきます。

写真展のためにセレクトした8枚のよくわからない写真

そうこうしていくうちに、展示する36枚〜40枚がぼんやりと見えてきたのです。

写真展のためにセレクトした36枚の写真

写真のセレクトについて、わかって頂けましたか?

何度もお話しますが、写真展をする時に「写真を撮ること」と同じくらい「写真を選ぶこと」は大切な作業です。

あなたが撮影した素晴らしい写真。
その写真の能力が、最大限活きるような展示になることを願っています。

 

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