心からおすすめのノンフィクション本15冊【事実は小説より奇なり】

この記事では、「心からオススメできるノンフィクション」を15冊紹介しています。
実際に起こった出来事をより奥深く追求したノンフィクション。小説にはない面白さがあるのでオススメです!

様々なジャンルのおすすめ本を紹介しています。本が好きな方はぜひ読んでみてください

『本当に面白いオススメの本』ジャンルごとに紹介

僕が読んだ1400冊からオススメのノンフィクション本を紹介

SOGEN

2005年から読んだ本を全て記録しています。その記録が1400冊を超えたので、本当にオススメする本について、ジャンルごとに紹介していきます。

今回は、そのシリーズ第16弾「ノンフィクション本」を紹介していきます。

 

<おすすめの本を紹介した記事>
■第1弾は本当にオススメの「写真家が書いた本」
■第2弾は本当にオススメする「エッセイ」
■第3弾は本当にオススメの「サッカーにまつわる本」
■第4弾は心からオススメできる面白い「旅の本・紀行文20冊」
■第5弾は本当にオススメの「ルポタージュ」
■第6弾は本当にオススメの「日本の現代小説」
■第7弾は心からオススメの「家族愛を感じさせる写真集」
■第8弾は「旅をテーマとした写真」を撮りたいと思ったときに参考になるオススメの旅写真集12冊
■第9弾は誰かに贈りたくなるプレゼント本50冊
■第10弾はオススメの伊坂幸太郎作品ランキング・トップ10
■第11弾は「アラスカを旅した写真家・星野道夫の魅力とオススメの本・写真集」
■第12弾はオススメのシリーズ本「就職しないで生きるには」
■第13弾はオススメの「超ヤバい人(スペシャリスト)の本」
■第14弾は3歳におすすめの「子どもが何度も読み返すおもしろい絵本」
■第15弾は探検家・角幡唯介のオススメ本10選と3つの魅力を紹介
■第16弾は本当にオススメの「ノンフィクション」←今回の記事
■番外編:心からオススメできる面白い映画12作品

ノンフィクションとは?

ところで、ノンフィクションってどんな本なの?

読者A

【ノンフィクションとは?】
史実や記録に基づいた文章や映像などの作品。また、その形態。ドキュメンタリーやインタビューなど多肢にわたる。

ノンフィクションと検索すると、フジテレビで放送している「ザ・ノンフィクション」がトップに挙がってきました。ドラマや映画では「この物語はフィクションです」と最後に表記されることも多いですが、それの否定形である「ノンフィクション」とは、史実や記録に基づいた作品ですね。

2018年には「本屋大賞のノンフィクション部門」も設置されていて、注目を集めているジャンルです。小説にちょっと飽きちゃった…、という方はノンフィクションを一度読んでみてください!

ノンフィクションには「旅」「事件」「ドキュメント」「歴史」など様々なジャンルがあるので、きっとあなたの好きな本が見つかるはず!

本当にオススメするノンフィクション本紹介

1.
ノモレ/国分拓


ノモレ

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国分拓さんの著作「ノモレ」です。2019年に読んだ本の中でダントツのナンバー1でした。圧倒的に面白かった。

イゾラドと呼ばれるアマゾンの奥地に住みながら太古のままの暮らしを送っている先住民と、文明世界に住む人たちとの緊張感をもった関係性が描かれた一冊。

アマゾンの奥地から、ほとんど裸姿の家族が突然文明化された人たちの前に現れた。その数は日を追うごとにどんどんと膨れていき、ついには集落を襲撃し、殺人事件まで起きてしまった。そんな世界が2021年になった今も存在している。

まさに圧倒的な本。なんなんだ、この世界は。
著者の国分さんは、ヤノマミでも衝撃的な本を書いたが、この本は更にそれを超えてきた。

この本から、私たちが当たり前のように過ごしている常識や文化がいかに限定的なものなのかを感じるだろうし、幸福とは?暮らしとは?と、問いを与えられたような気がする。

あなたたちのような街の人間は明日の予定をよく聞いてくる。しかし、私は今のことしか約束できない。未来について約束せよというのなら、百年後の約束ならできる。あなたたちにはできるのか。私は、今とずっと後のことだけを考えている。

こんな言葉、私たちから発することはできないですよね。まさにノンフィクションの面白さがつまっています。世界の成り立ちが描かれた一冊。絶対的なオススメ本。

「ノモレ」については、2019年に読んだ本の中からオススメ第1位にランクしているので、参考にどうぞ。

 

2.
キルギスの誘拐結婚/林典子


キルギスの誘拐結婚

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日本人で初めて世界最大規模の報道写真祭「ビザ・プール・リマージュ」で金賞を受賞した写真家・林典子さんの写真本。

「誘拐」と「結婚」という、相反する言葉が合わさった究極のパワーワードが、2021年の今でも現実世界で起こっている。

中央アジアのキルギスで今も行われている「誘拐結婚」
『若い男が街中で出会った女性に「あの子と結婚したい!」と思い立ち、仲間を連れて女性を誘拐し、家族の待つ男の自宅へ連れていき、両親や祖父母を含めた一家総出で女性を説得し、結婚させる』という、ドラマでも思いつかないような慣習がある。

イスラム文化では結婚前の女性が、男性の自宅に入ることで「汚れた」と見なされることがあり、結婚する以外に道はないといった心理状態になってしまうという。泣きながら男の祖母や母親に説得され、結婚を受け入れる様子が克明に記録されていて、これぞまさにノンフィクションと唸ってしまう。

誘拐されて結婚を受け入れる女性もいれば、拒む女性もいて、私たちの知らない「物語」を記録した一冊。

 

3.
作家の収支/森博嗣


作家の収支

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「すべてがFになる」やスカイ・クロラシリーズで有名な作家の森博嗣さんが、小説雑誌の原稿料、単行本の印税、対談本の出版や入試問題に使われた場合、解説や推薦文、講演料など、作家活動での収支を事実として細かく報告してくれている一冊。

とにかく事細かに作家の収入と支出が書いている。よく出版社はこんな本を許可したもんだ(笑)

例えば、小説雑誌では、原稿用紙1枚に対して4000円〜6000円。50枚の短編なら20万円〜30万円の収入。新聞の連載小説は1回分が5万円ほどで、これが毎日だから1年間連載すれば1800万円の年収になる。長編小説は400枚〜600枚くらいなので、だいたい200万円〜300万円の原稿料になる。
これに加えて印税。印税は印刷した時点で印税がもらえる。単行本になる以前に雑誌などで発表された作品は10%、書き下ろしならば12%,文庫では10%になる。

初めてのハードカバーとなった「そして二人だけになった」は、初版が2万部で本の価格が2000円だったので、12%の印税で480万円。しかも、出版から1ヶ月半の間に増刷が5回かかり、合計4万6000部だったので印税は1100万円以上。2年後にノベルズ版で370万円、文庫版は10万7000部で760万円。この1作で現在までに2230万円ほどの印税を得ている。

こんな具合です(笑)

他にも、対談本や入試問題に使われた場合、解説文や推薦文、漫画家されたら、講演料など包み隠さず書かれている。自慢ではなく事実が淡々と書かれていて、知らない世界を知れておもしろい。

僕は、自分で成し遂げたことを情報として正直に伝える事は自慢だとは認識していない。たとえば、テストで100点を取ったら、「テストで100点を取りました」と言う。それは自慢ではない。単なる客観的報告である。
しかし、自分が成し遂げたのでない事は、あまり言わない方が良い。例えば、「息子が東大に受かった」は、少し自慢ぽい。これは、東大に受かるために勉強したのが本人ではないからだ。

森博嗣さんの著作については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にどうぞ。

 

4.
極夜行/角幡唯介


極夜行 (文春文庫)

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探検家・角幡唯介さんの著作「極夜行」です。角幡さんの作品はどれも自分とは異世界の旅なので、好き好んでこんな旅をしている人がいるんだと驚きを与えてくれます。

白夜という言葉は聞いたことがありますよね?北極や南極などの緯度の高い地域では、夏の間は夜になっても太陽が沈まない地域があることを社会の時間で習ったでしょう。
タイトルにもなっている「極夜」とはその反対に位置する言葉で、冬の間は朝になっても太陽が昇らない現象です。

探検家・角幡唯介が四年の歳月をかけて太陽の昇らない冬の北極圏を探検する旅をまとめた一冊。僕の2018年のベスト本でした。

「極夜行」を第一位にランクインした、2018年のオススメ本を紹介した記事です。また、角幡唯介さんのオススメの本や魅力を紹介した記事を書きました。興味のある方は読んでみてください。

一日中真っ暗で極寒の地をシロクマに怯えながら旅をする。この一冊には、絶望や希望や復活や未知や妄想や無力や前進や誕生や愛情が描かれていて、つまりは人生が描かれています。4ヶ月間の旅の末に当てにしていた食料がシロクマによって壊滅的な状態になっていて、食料や燃料が足りず、死をも覚悟した状況に陥ったときに見た太陽の光。その光を例えた表現は本当に感動的で、僕の人生にもリンクし、娘の人生の始まりをも想像させた。

冗談ではなく、俺の人生は終わったと思った。
私には短い人生の中で三十五歳から四十歳という期間は特別な期間だという認識があった。なぜなら、体力的にも感性も、経験によって培われた世界の広がりという意味においても、この年齢が最も力のある時期だからだ。
この時期にこそ人は人生最大の仕事ができるはずであり、その時期にできるはずの仕事を最高なものにできなければ、その人は人生最大の仕事、さらに言えば人生の意味をつかみ損ねると、そのように考えていた。

極夜行の番外編として「極夜行前」という本番前に要した3年間の準備の旅を綴った本もある。極夜行は本当に名作中の名作で、極夜行前はあわせて読むと更におもしろいので、オススメです。


Amazon Kindle

 

「角幡唯介」さんの本については、以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にどうぞ。

 

5.
カレーライスを一から作る:関野吉晴ゼミ/前田亜紀


カレーライスを一から作る: 関野吉晴ゼミ

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グレートジャーニーで有名な探検家・関野吉晴さんが行った武蔵野美術大学のゼミ「カレーライスを一から作る」を書籍化した一冊。いやいや、これもイチから作るの?の連続です(笑)

この本は目次を見れば、なんとなく本の内容が想像できると思います。

<目次>
1章 野菜を一から育てる
2章 お肉を一から育てる
3章 畑のその後
4章 お米を一から育てる
5章 ヒナを一から育てる ふたたび
6章 器・スプーン・塩を一から作る
7章 カレーライスを一から作る

工程が長い、長すぎる(笑)
器はよくない!?と学生たちは絶対心の中で思ったはずだが、当然関野吉晴さんは細部にもこだわります。

映画化もされたプロジェクトで、学生たちのチャレンジを追ったノンフィクション。大真面目にふざけたことをしているところが思わず笑ってしまいます。

 



6.
謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア/高野秀行


謎の独立国家ソマリランド

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ノンフィクション作家・高野秀行さんの著作です。クレイジージャーニーでお馴染みの高野さんの作品は、ふざけた行動を大真面目にやっているところがいつも面白いですね。

タイトルも長いが、本もハードカバーで500ページを超えて、おまけに内容まで情報量がビッシリで重たい。

だいたいソマリランドってなんだよ、ソマリアって言ったら海賊と紛争のイメージしかないけど、そんなところに行けるのかよ、とツッコミたくなるのだが、著者の高野秀行さん曰く「リアル北斗の拳状態のソマリアの中に、独自のシステムや政府を確立したと言われている謎の国家“ソマリランド”が独立国として存在している」とのこと。しかもそのソマリランドは超絶危険地域に囲まれながら、独立から10数年にわたって平和を維持し、電話やインターネットなどのインフラが充実し、カートという嗜好品を愛用しながら高野さんのような旅行者も暮らしていける、らしい。

誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」をモットーに作品を生み出し続ける高野さんの本領を遺憾なく発揮した渾身の作品。

日本社会とはかけ離れたシステムの中で成り立った社会があり、世界には様々な常識が存在するのだと感じられる一冊。

ワイヤップが言うには、ソマリランドはもともと産業なんて牧畜しかない。首都のハルゲイサも一時は廃墟になった。こんな貧しくて何もない国だから、利権もない。利権がないから汚職も少ない。土地や財産や権力をめぐる争いも熾烈ではない。
「でも、いったん国際社会に認められたらどうなる? 援助のカネが来て汚職だらけになる。外の世界からわけのわからないマフィアやアンダーグランドのビジネスマンがどっと押し寄せる。そのうちカネや権力をめぐって南部と同じことになるよ…」
ワイヤップの言うことは瞠目に値した。ソマリランドは「国際社会の無視にもかかわらず自力で和平と民主主義を果たした」のではなく、「国際社会が無視していたから和平と民主主義を実現できた」と言っているからだ。
そして「今後も無視し続けてくれたほうがいいかもしれない」と言っているのだ。

続編として、「恋するソマリア」という本が出版されていて超絶面白いの一緒にどうぞ。


恋するソマリア

高野秀行さんの作品については、以下の記事でも紹介しているので、参考にどうぞ。

高野秀行さんのその他のオススメ本
ワセダ三畳青春記
恋するソマリア
アヘン王国潜入記



7.
凍/沢木耕太郎


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深夜特急で知られる沢木耕太郎さんが世界的クライマーの山野井泰史・妙子夫婦の生命を賭けた登山を描いた作品です。

世界的クライマーである山野井泰史さんと、その妻で世界的クライマーである妙子さんが、ネパールとチベット国境にそびえるギャチュンカン北壁に挑んだ数日間を描いたノンフィクション。

まるで自分が体験したのではないかと思わせるほど、沢木耕太郎さんの文章は巧みで、緊迫感があり、引き込まれる。山野井夫婦が直面した圧倒的な体験を、ここまで文章化されたものは芸術的であり、ノンフィクションの最高傑作と言っても過言ではないだろう。

その壮絶すぎる体験を、ぜひ共有してほしい一冊。

 

沢木耕太郎さんの魅力については、以下の記事で詳しく解説しています。また、オススメの本紹介でもいくつも紹介しているので、参考にどうぞ。

沢木耕太郎さん代表作である『深夜特急』について、詳しく記事を書いたので興味のある方は読んでみてください。

 

8.
宇宙飛行士選抜試験/大鐘 良一・小原 健右


ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

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大鐘良一さん、小原健右さんの著作「宇宙飛行士選抜試験」です。NHKが宇宙飛行士選抜試験に密着したドキュメンタリーを書籍化した本です。

現在・JAXA所属の宇宙飛行士である油井亀美也、大西卓哉、金井宣茂が受験した2008年の宇宙飛行士選抜試験を密着した一冊。リアル宇宙兄弟といっていい本です。宇宙兄弟の試験で登場した閉鎖空間の試験なんかも出てきて、宇宙兄弟がこれらを参考にしたことが伺える。NHKで映像化もされました。

最終試験まで残った応募者たちが、いつ訪れるかわからないチャンスを目の前にし、宇宙飛行士になるための試験を受ける。受験者の半生とともに試験はどんどん進み、試験者の採用基準が明かされていく。

自分も頑張ろうと思える一冊です。

また、この宇宙飛行士選抜試験を受験し、最終審査まで残った内山崇さんが受験者の立場として本を出版した。どんな準備をし、どんな試験を受け、どんなことを考えて挑戦したのかが克明に描かれています。

宇宙飛行士選抜試験の最終選考10名に残った方が、どんな方なのかがわかる本です。。


宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶

 

「宇宙飛行士選抜試験」については、紹介した内山さんの書籍に加え、マンガ「宇宙兄弟」も関連しています。紹介記事を書いたので、参考にどうぞ。

 

9.
人間の土地へ/小松由佳


人間の土地へ

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小松由佳さんは、シリアに惹かれ、沙漠でラクダと共に暮らすシリア人男性と恋に落ち、シリア内戦(動乱)の混乱を内側から見つめた本書が出版されました。

シリアという国の名前を聞けば、ISが浮かぶ方も多いのではないでしょうか?
近年では「シリア=危ない国」というイメージが強くありますが、10年ほど前まではバックパッカーが普通に旅をできる国でした。「安全で、人も良くて、居心地のいい国」と評され、中東の中で非常に人気の高い国でした。

この本を読めば、そんなシリアがいかに混乱し、市民の生活が崩され、政治が腐敗し、現地の人の当たり前にあった故郷がなくなっていったのかがよくわかります。「アラブの春」や「シリア内戦」と聞くと小難しく聞こえるかもしれませんが、小松由佳さんが語りかけるように自分が体験した話を語っている本なので、とても読みやすいのも魅力的な本です。

この本は、書評記事を書いていますので、興味のある方は読んでみてください。

 

10.
激走! 日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース 富山~静岡415km/NHKスペシャル取材班


激走! 日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース 富山~静岡415km

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富山湾から日本アルプスを縦断し、駿河湾までの415kmを8日以内で走る日本一過酷な山岳レースにNHKが密着した本です。

富山湾から日本アルプスを縦断し、駿河湾までの415kmを8日以内で走るレースをNHKが放送し、それをより詳しく描いた一冊です。

選手たちは自分の限界に挑戦するため、レース中はほとんど睡眠をとらず、眠気と闘い、幻覚や幻聴に襲われながら、己を限界まで追い込んでいく。「日本一過酷」な山岳レースに挑む猛者たちに徹底密着した、驚愕のノンフィクションです。

NHKが放送しているグレートレースを見たことがある方は、この本を楽しめるかと思います。

 

11.
オシムの言葉/木村元彦


オシムの言葉 増補改訂版

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サッカー元日本代表監督のオシムさんが、ユーゴスラビア紛争に直面し、家族と離れ離れになりながらもユーゴスラビア代表監督を勤めた壮絶な半生を描いた一冊。

タイトルだけ見るとオシムさんの名言集みたいな本かと思うのだけど、読んでみるとこれが極上のノンフィクションルポタージュだった。

七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの宗教、三つの言語、二つの文字、一つの国と表現されたユーゴスラビア。
今は分裂してクロアチアやセルビアやスロベニアなんかの国に別れているけれど、これだけの国が一つにまとめられたらそりゃ権力争いや価値観の違いから内紛が起こるよなと。日本という小さな島国にいるだけでは想像もできないような世界の紛争とサッカーを結びつけたこの作品は、本当にオススメの一冊です。

ちなみに作者の木村元彦さんを恵比寿で見かけ、声をかけたら快く握手をして頂き、名刺まで頂いた。素敵な方でした。

 

「オシムの言葉」については、『オススメするルポタージュ12選』の記事でも紹介しているので、参考にどうぞ。

 

12.
愛のかたち/小林紀晴


愛のかたち

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小林紀晴さんの著作「メモワール」です。飛び降り自殺をした妻を写真に撮って発表し続けていることで知られる写真家の古屋誠一さんについて取材を重ねて書き上げた著書です。

アジアン・ジャパニーズで知られる写真家・小林紀晴さんが、写真家・古屋誠一さんについて書いた一冊。

写真家・古屋誠一はオーストリアのグラーツに住み、写真家として活動をしている。クリスティーネと出会い、結婚し、長男をもうける。だが、幸せな日常は長く続かず、クリスティーネの精神が不安定になり、入退院を繰り返すようになる。
そして、その数年後、クリスティーネは自宅のアパートから身を投げ出してしまう。古屋はクリスティーネの投身直後に地面に倒れている彼女の姿をアパートの階上から撮影した。そして、その写真を含むクリスティーネとの日々の写真を何冊にも渡って発表した。

写真群には、健康で幸せそうなクリスティーネが、どんどん精神的に追い詰められていき、最期には亡くなってしまうのだが、その変遷が写し出されている。
写真家・小林紀晴が20年をかけて古屋誠一さんの写真について追求した一冊。

 

小林紀晴さんは、「写真家が書いた本」の記事でも紹介しているので、参考にどうぞ。

 

13.
43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層/石井光太


43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層

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東日本大震災の遺体安置所をめぐった「遺体」を書いた石井光太さんの著作「43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層」です。丹念な取材を得意とする石井光太さんの著作はどの本も本当に読み応えがあります。

川崎市の多摩川河川敷で13歳の少年の全裸遺体が発見された。数年前に起こったこのショッキングなニュースを、関係する様々な人に聞いてまわったルポタージュ。
被害者、加害者、友人、人間関係、環境などを丁寧に取材したノンフィクションの名手・石井光太さんの圧倒的な実力を感じられる一冊。

それにしても石井光太さんの著書はいつも衝撃的です。ぜひ興味のあるジャンルを一冊手にとってみてほしい。小説とは異なる面白さがあると思います。

 

「43回の殺意」は、2018年に読んだ本から面白かった本の第8位にで紹介しているので、参考にどうぞ。

 

14.
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
/ブレイディ みかこ


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

SOGEN

この本ってノンフィクションなの?という気もしないではないけれど、2019年のノンフィクション本大賞を受賞していたので紹介します。

2019年ノンフィクション本大賞を受賞したブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、文句なく面白い一冊です。僕が2020年に読んだ本の中からナンバー1の本で、きっとこの本は未来永劫読まれ続ける本だろうと思っています。

物語の舞台は、イギリス人の父親と、日本人の母親から生まれた中学生の「ぼく」が、イギリスで暮らす中で直面する様々な問題を描いています。その中で直面する人種差別、ジェンダーの悩みや貧富の差、自分のアイデンティティ…。1つ1つの出来事に直面するたびに「ぼく」や母が考え、それぞれの視点が増えていくことで、読者である僕自身も考えるようになっていくような引き込まれていく。

この物語の舞台はイギリスだけれど、決して対岸の話ではなくて、世界で、日本で、僕の暮らす街で、家の周りで少しずつ形を変えながら起こっていることでもある。作品が展開していく度に、きっとあなたの世界とリンクしていくはずだ。

もう一度伝えますが、この作品は、きっと永久に読まれ続けるだろう作品です。ぜひ読んでほしい。

また、この本の第二弾が出版されましたので、ぜひ読んでみてください。


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2

 

少年の通う学校では「シチズンシップ」の授業があります。その授業では人種差別や世界の文化、LGBTQや政治活動について学ぶのですが、その授業で習ったことを実世界で体験する場面が多々でてきます。

例えば、LGBTQについての授業を受けた日の帰り。
12歳になった4人の友人たちの中で「ぼく」とAくんは「異性が好きだ」と話していた。「当たり前だ、異性以外ありえない」とムキになったBくんもいました。そんな中、「ぼくはまだわからない」と言ったCくんがいた。

Bくんは、最初ショックそうな様子をしていたのだけれど、Cくんがあまりにクールで冷静に話したものだから、それに気圧されたように「時間をかけて決めればいいよ」なんて言った。そんな様子のBくんがおもしろかったと母に話す「ぼく」

これ、すごくないですか?

日本の12歳といったら、他と違うことを極端に恐れる年代。
個性を出したいと思いつつも、他人と大きく外れることも、意見が異なることも、良しとしないような空気がある。変に目立たないように、例え意見があったとしても黙っていることも多く、こうやって友人に「もしかすると自分は同性愛者かもしれない」と伝えられるような環境は少ない。

これは教育の力だと感じるし、とても素敵なことだと思う。それこそ「無知」は人を傷つけることを生むけれど、こうやって「知っている」だけで一つずつ視点が増えていく、まさに教育の力だと感じる。

差別、貧困、思想
この本にはこういったちょっと重たそうな事柄が散りばめられていながらも、何度でも読みたくなる作品です。

15.
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか/増田俊也


木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上)

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15年不敗、13年連続日本一。「木村の前に木村なく、木村のあとに木村なし」と謳われた伝説の柔道家・木村政彦さんを追求した一冊。

めちゃくちゃ面白い一冊。
格闘技ファンはもちろん、歴史書としても読み応えある。

著者の増田俊也さんが、いかに木村政彦を愛し、知りたいと思い、追求したのかがわかる一冊。ノンフィクションの傑作です。
ぜひ、読んでみてください!



おすすめのノンフィクション本 まとめ

実際に起こった出来事を追求したノンフィクション。小説にはない面白さがノンフィクションにはあります。
ちょっと小説に飽きてきたな、という方は、ちょっと箸休めにでも読んでみてください!

きっとノンフィクションの魅力に気づくかと思います。
ぜひ、一冊手にとってみてください!

 

►様々なジャンルのおすすめ本を紹介しています。本が好きな方はぜひ読んでみてください

『本当に面白いオススメの本』ジャンルごとに紹介

■第1弾は本当にオススメする写真家が書いた本
■第2弾は本当にオススメする「エッセイ」
■第3弾は本当にオススメする「サッカーにまつわる本」
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■第8弾は「旅をテーマとした写真」を撮りたいと思ったときに参考になるオススメの旅写真集12冊
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