旅本・紀行文から『心に響いた名言』20選

この記事では「旅本・紀行文から心に響いた名言・名文」を紹介しています。旅を人生となぞって表現することはよくありますが、旅からなにかの気付きを得て、名言が生まれることは多々あります。そんな旅本・紀行文から生まれた名言・名文を紹介しています。

各年に読んだ本から心に響いた名言を紹介している記事(2018年2019年2020年)もあるので、合わせて読んでみてください!

旅本・紀行文から心に響いた名言・名文トップ20選

それでは、旅本・紀行文から心に響いた名言・名文を20個紹介していきます。
本のタイトル(作者名)に加え、どんな本なのか?どんな文章なのかを簡単に解説しています。

旅する力-深夜特急ノート-(沢木耕太郎)の名言

人間が生きていく上では、予期しないことが起きると言うことを予期しているかどうかということが、とても重要になってくる。
▶どんな名言?

沢木耕太郎さんの深夜特急の舞台裏を描いた本。
旅では予期せぬことが連続して起こりますが、それらを予期できるだけで心の余裕をもてることを表現した一文です。

 

全ての装備を知恵に置き換えること(石川直樹)の名言

たった二週間の滞在だが、ウィーンには特別な愛着ができたし、会いたい人や戻るべき場所を見つけ、土地勘も身体に染み込んだ。そのような場所がこの広い世界に一つでもあると言うことは、なんだか幸せではないか。
世界地図を見たときに、僕はきっとウィーンに目をやって、この夏のことを思い出すだろう。
▶どんな名言?

写真家・石川直樹さんが旅を綴った本。
旅をすることで、自分が知っている世界が広がっていくと、世界各地を自分事として捉えられるようになりますよね。世界地図の視え方が全然違ってきます。

 

魔法のことば(星野道夫)の名言

当たり前のことですが、やっぱりどの民族でも、どの国でも、そこに暮らしている人にとってはその場所が世界の中心で、そういうふうに世界は成り立っているんだということが、本当の実感としてわかった。
それが僕にとって旅の一番の大きな収穫でした。
▶どんな名言?

アラスカを旅した写真家・星野道夫さんの講演を書籍化した本。
「辺境」とか「世界の果て」とかと表現することがありますが、そこで暮らす人々にとってはそこが世界の中心だということを実感したことが旅の一番の収穫だと表現するところが、素敵ですよね。

 

長い旅の途上(星野道夫)の名言

子どもの頃に見た風景が、ずっと心の中に残ることがあります。ルース氷河で見た壮大な自然が、そんな心の風景になってくれたらと願います。
いつか大人になり、さまざまな人生の岐路に立った時、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり、勇気を与えられたりすることがきっとあるような気がするからです。
▶どんな名言?

同じく星野道夫さんの本。
日本から子どもたちをアラスカに招待し、そこで何泊かを暮らすプロジェクトを行った星野さんが、そのプロジェクトを計画した理由について語った言葉です。

 

ライド・ライド・ライド(藤代冥砂)の名言

たぶん生まれ変わったら忘れてしまう。だけど、生きているうちは、ずっと覚えているだろう。自分の娘が誰だかわからなくなるほどボケてしまったあとでも、きっと忘れないことがある。誰にでもそんな十日間があるはずだ。
あの、サイゴンでの十日間がなかったら、私の旅はもっと早くに終わってしまったかもしれない。つまり、生きることの意味の半分を失うことになっていただろう。そうだったとしたら、意味が半分しかない人生はどんなふうにすぎていったのだろう。
静脈を震わす青さに満ちた明け方の五分を知っていたとしても、ギターアンプから初めて音を出した時の喜びを知っていたとしても、それはとるに足りないことだ。どうでもいいことだ。
▶どんな名言?

写真家・藤代冥砂さんが世界一周をしたときの本。
サイゴンで出会った女性と過ごした日々のことを綴った文章は、人生の劇的な瞬間をもつことの喜びを綴っていて、心が震えます。個人的には一番好きな本は?と尋ねられたこの本を挙げるかもしれません。

 

旅の効用(ペール・アンデション)の名言

不機嫌という病を治すにはまず、自分の安全領域から外に飛び出すことだ。そうすれば、すべてをコントロールしなくても日々がうまく運んでいくと気づくこともある。いったん異文化の中に身を置けば、足が地に着かなくなっても「すべてうまく行くだろう」と信じることができる。
旅とは、未知の音、噂、慣習と相対することだ。当初は不安になり心が混乱したとしても何とかなるものだ。旅に出れば、一つの問題にも解決法が何種類あることを知って心が落ち着くようになる。そうと分かれば、地下鉄がちょっとやそっと遅れようと、あるいは職場が再編されようと神経にさわることはない。
▶どんな名言?

世界を旅してきたジャーナリストが、旅の記憶を辿りながら「⼈が旅に出る理由」を考察するエッセイ本。
『挑戦すること=安全圏から出ること』だと思うのですが、旅にはその要素が盛りだくさんですよね。自分の安全圏を抜け出して旅をすることから得るものとして、強く的を得ている文章です。

 

あしたはドロミテを歩こう(角田光代)の名言

いっときの別れなんて、そんなに重要ではないのだ。
私たちはもう出会ったのだし、ともに歩いた記憶を持っているのだから。
▶どんな名言?

小説家の角田光代さんが、ドロミテというイタリアの美しい山群をトレッキングしたときの本。
人と人が出会うことの大きさを強く感じる言葉です。僕は職場を異動するときや、誰かと別れるといった時には、いつもこの言葉を思い出します。

 

北緯66.6°(森山伸也)の名言

想像力は人間の優れた能力だ。だが、ときには自分の可能性を邪魔するものとなる。例えば槍ヶ岳を下から眺めたとき。切り立った山を登っている自分を想像して「あんなところに登るわけないじゃん」と誰もが尻込みをする。でも、案外だれでもあっさり登れてしまう。想像力を働かせ、頭の中で納得したつもりになっていても、本当は何もわかっちゃいない。想像力は、自分の好奇心を育ててくれる形を出す存在である一方、自分の可能性を定めてしまう厄介なものでもある。だから想像はほどほどにして、思いっきり飛ぶこれに限る。そしてときには痛い目にあう。それでいい。
▶どんな名言?

北欧三国にまたがるラップランドの荒野をトレッキングする歩き旅本。
想像力があることで豊かな発想は思いつく反面、想像力があることで尻込みし、行動を起こせなくなることがありますよね。想像はほどほどにして、痛い目にあってもいいじゃないというのが勇気づけられる言葉です。

 

The Songline(竹沢うるま)の名言

自分だけの旅をしたいと言い切るためには、情報で構築された世界を旅するのではなく、リアルな世界を歩き、その出会いの中から新たな旅の行き先を決めなければならなかった。ジャングルに住む人々が自分に頼らず、経験だけをもとに自分だけの世界を持っているように、僕も自分だけの世界を創る出す必要があった。
▶どんな名言?

写真家・竹沢うるまさんが世界一周を旅したときの本。
自分だけの旅を構築するためには、ネット上で調べるだけでなく、自分の足で歩き、自分の目で見て、自分の頭で判断する必要があったという表現が、旅と人生が繋がっていることを感じさせますね。

 

ツンドラ・サバイバル(服部文祥)の名言

言葉は通じなくても、私にとってミーシャは気心が通じ合う猟仲間であり、ミーシャの存在は私の理想だった。理想の人間に出会い、理解し合えたことは、これまでの自分の生き方が間違いでなかったと確認することでもあった。
狩猟の経験がなければ私は正確にミーシャを理解できたとは思えないし、正しく評価できたとも思えない。
さらにミーシャはミーシャのような狩人が世界中にいるという証拠でもあった。それはそのまま過去にも未来にも、私にとって信用できる狩猟仲間、山仲間が存在するという証拠だとも考えることができるはずだ。
▶どんな名言?

サバイバル登山家・服部文祥さんがロシア極東北極圏縦断の旅をした本。
そこで出会ったミーシャは、文明的には全くの無名だけれど天才的な猟師で、そのミーシャを「天才的」だと理解できたことは、これまで自分が愚直にやってきたことがあったからだと実感したという一文。勇気づけられる一文。

 

中南米スイッチ(旅音)の名言

価値観が大きく覆されたと言うことも、衝撃の出会いがあったというわけでもなく、旅は終わった。ただ、あのまま働いていたら見過ごしていたかもしれないと言うことに、いろいろ気づくきっかけになった。困ったときに手を差し伸べられるあたたかさ、素晴らしいものに出会った時に歓声を上げながら素直に喜ぶその気持ち。当たり前すぎて改めて考えることのなかったありがたさを、様々な場面で感じた。
▶どんな名言?

中南米をガイドブックのエッセイの中間のようなポップに表現した本。
「長い旅=自分探し」のように、長い旅をすると価値観って変わったの?みたいなことを聞かれることが多いけれど、こういったささやかなことに気づける視点を持てるようになったことは大きい。「旅から得たこと=視えなかったものが、見えるようになった」というのはとても的を得た表現ですね。

 

ラオスにいったい何があるというんですか?(村上春樹)の名言

僕がラオスから持ち帰ったものといえば、ささやかな土産物のほかには、いくつかの光景の記憶だけだ。
でもその風景には匂いがあり、音があり、肌触りがある。そこには特別な光があり、特別な風が吹いている。何かを口にする誰かの声が耳に残っている。そのときの心の震えが思い出せる。
それがただの写真とは違うところだ。それらの風景はそこにしかなかったものとして、僕の中に立体として今も残っている。これから先もけっこう鮮やかに残り続けるだろう。
それらの風景が具体的になにかの役に立つことになるのか、ならないのか、それはまだわからない。結局のところたいした役には立たないまま、ただの思い出として終わってしまうのかもしれない。しかしそもそも、それが旅というものではないか。それが人生というものではないか。
▶どんな名言?

世界的な小説家・村上春樹さんの小説は好き嫌いがあるでしょうが、エッセイはきっと万人が面白く読めます。
村上春樹さんの旅行記・紀行文は秀逸で、これだけ言葉の巧みな方が旅を文章で表現すると、はっと気づく文章がたくさん出てきます。

 

奇界紀行(佐藤健寿)の名言

旅をしていて危険地帯に入り込むといつも感じるのは、恐怖というのは、決して自分の外側からやってくるものではないということである。むしろ恐怖は初めから自分の中にあり、その存在を認めてしまった瞬間、まるで晴天を覆う暗雲のように、むくむくと大きくなりはじめるのである。そして一度恐怖に支配され始めると、人間は驚くほどに脆くなる。
▶どんな名言?

「奇界遺産」で有名な写真家・佐藤建寿さんの文章が綴られた本。
旅から「恐怖」について考察されていて、自分の妄想や想像で勝手に恐怖心は作られていくという文章がよくわかりますよね。

 

アラスカへ行きたい(石塚元太良)の名言

エスキモーと雪にまつわる大好きな挿話がある。
彼らエスキモーの言語には、英語や美本後で「雪(snow)」と一言で表してしまうものに対して、さまざまな異なる種類の雪を示す言葉があるという。
例えば「アニュイ」は降りしきる雪、「アピ」は地面に積もった雪、「クウェリ」は木の枝に積もる雪、「ブカック」は雪崩を引き起こす雪、「スィクォクトアック」は一度とけて再凍結した雪…などなど。
日本語にも「粉雪」や「ざらめ雪」といった表現があるけれど、彼らは多くの日本人よりもずっと高い解像度で雪を見分けているということになる。こんなふうに、同じように見えるひとつのものを見ても、人によってその見え方はまったく違うし、また一人の人間の中でもその見え方は刻々と変化する。
旅することの醍醐味のひとつは、このような「経験を積むことで得られる視点の変化」ではないだろうか。
▶どんな名言?

写真家・石塚元太良さんがアラスカを紹介したガイドブックとエッセイの中間本。
プロとアマチュアの違いでしょうけれど。同じものを見ていても、熟練具合で全然視えている世界が異なりますよね。エスキモーにとって身近な存在である「雪」は、南国に暮らす人々にとっての「雪」と全然違うものに視えているはず、ということに気付かされる文章です。

 

人情ヨーロッパ(たかのてるこ)の名言

自分の直感を信じて突き進む”行き当たりバッタリ旅”には正解などなく、これが正しかった、これは間違っていた、ということがない。でもそれは、人生も同じだろう。自分が選んだ道は、いつだって正解。自分が選んだ道を正解にしていくことが人生の醍醐味だと、私はようやく思えるようになったのだ。
▶どんな名言?

ガンジス河でバタフライで有名な旅行作家・たかのてるこさんの本。
旅を人生となぞることはよくありますが、とてもしっくりとくる言葉ですよね。

 

そして、ぼくは旅に出た(大竹英洋)の名言

「Open your eyes, Open your heart, Open your colender」
(目を開けておくこと、心を開いておくこと、予定を空けておくこと)
▶どんな名言?

写真家の大竹英洋さんが写真家になるキッカケをもらったノースウッズの旅を綴った本。
これから写真家になるために右も左もわからなかった大竹さんに、現地に住む世界的な写真家がアドバイスをした言葉です。

 

ラダックの星(中村安希)の名言

春がきたら種を蒔き、秋が来たら麦を刈り、たっぷり日に焼けてどぶろくを飲み、酔っぱらってみんなで深夜まで騒ぐ。
もしもラダックに生まれていたら、きっとそうやって生きてきた。
▶どんな名言?

開高健ノンフィクション賞受賞作家の中村安希さんの本。
旅をすると、そこで生まれて育ってきたらどんな風な人生を歩んでいたのだろうと考えることがあります。そんな想像を表現した文章です。

 

十五の夏(佐藤優)の名言

若いうちに外の世界を見ておくと、後でそれは必ず生きる。そのことをきっかけにして、自分がほんとうに好きなことが見つかるかもしれない。ほんとうに好きなことをしていて、食べていけない人を僕は一人も見た事は無い。ただし、中途半端に好きなことではなく、ほんとうに好きなことではないとダメだよ。15の夏にソ連、東欧を旅行したことは、今になって振り返ると、僕が一生をかけて追いかけることになる道につながっていたのだと思う。
▶どんな名言?

元外交官で文筆家の佐藤優さんが、十五歳に一人でソ連や中欧・中央アジアを旅した本。当時、15歳でこんな旅をしていたことが驚き。
そして知の巨人と呼ばれる佐藤さんが、若いうちにしていたことが今の世界と繋がっているという言葉にとても勇気をもらえます。

 

はじめての沖縄(岸政彦)の名言

那覇空港に降り立つたびに気づくのは、沖縄の「空気」の湿気を含んだ独特の甘い匂いだ。それはとても強烈な匂いで、私はいつも深々と胸に吸い込んで、沖縄に来たことを実感する。しかし面白いことにその匂いは、沖縄に到着して30分も経つと、全く感じられなくなるのだ。しかし、おもむろに街や県内各地のイオンモールといった、最も「沖縄的でない場所」を歩いているときに、ふいにこの匂いが蘇ることがある。あの濃厚な とろりと甘い、亜熱帯の香り。それはいつもそこにあるが、気づかないものなのだ。
▶どんな名言?

「断片的なものの社会学」がベストセラーとなった社会学者の岸政彦さんの本。
旅先の匂いは意外に印象に残っていて、ひょうなことからその匂いをかぐことで、旅先の光景や音や世界を思い出す瞬間がありますよね。旅先の匂いを表現した名文です。

 

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬(若林正恭)の名言

この街では肉親が死んだときに悲しみに暮れることさえ、自意識過剰になってしまっている。だから逃げることにした。知っている人が誰もいない環境で一人になって思いっきり悲しみたかった。だって僕は悲しかったから。筋金入りのファザコンの僕が、世界で一番の味方を失ったんだ。
▶どんな名言?

お笑い芸人オードリーの若林さんがキューバを旅した本。
旅に出たかった、旅に出るしかなかった、という切実さが伝わってくる文章です。

 

旅本・紀行文から心に響いた名言・名文まとめ

これまで読んで記録してきた1400冊以上の本の中から、旅本・紀行文の名言・名文を選んで紹介してきました。

僕は本を読んでは、好きな言葉をノートにうつす作業を15年間続けています。
自分の血となり肉となったノートをたまに見返しては、勇気をもらって前に進んでいて、今回は旅本・紀行文に特化したものを紹介しました。

旅は人生と紐付けられることがよくあって、旅をしたことで得た気づきは、人生にも役立つことが多々あります。
そんな旅から得た言葉を今回は紹介しました。

名言シリーズでは、各年に読んだ本の中からオススメの名言を紹介していたり、マンガ宇宙兄弟や小説家伊坂幸太郎の名言も紹介しているので、ぜひ読んでみてください!