この記事では、カンヌ国際映画祭パルム・ドール、日本アカデミー賞最優秀監督賞など数々の受賞歴がある是枝裕和監督を好きな僕が、オススメの作品や、作品の魅力を紹介する記事です。
是枝裕和監督は日本の映画監督のトップランナーですよね。
最近amazon primeやU-NEXTでも是枝作品を多数見られるようになっていますね。気になった作品があれば、ぜひ鑑賞してみてください!
また、僕がお気に入りの映画作品を紹介した記事があるので、読んでみてください!
是枝裕和監督作品も複数紹介しています。

是枝裕和監督の魅力は?是枝映画の特徴は?
日本映画監督のトップランナーである是枝裕和監督の作品は、多くの魅力があります。
ドキュメンタリー出身の是枝裕和監督は、現実に起きた社会的な出来事を題材に映画を書き上げていくスタイルを得意としていて、見る人をグっと惹きつけます。
僕が考える是枝裕和監督の魅力をまとめました。
- ドキュメンタリー出身の監督らしい演出
- 子役の自然な演技が抜群によい
- フィルムを主として使用し、映像が群を抜いて美しい
- 家族を主としたテーマに「表面の闇」と「裏面の光」が描かれている
- 脚本を撮影前日まで書き直すような演出
是枝裕和監督の魅力はアクション映画のようなスピード感や爆発はもちろん、SF映画のようなCG演出もありません。
それでもグっと引き込まれるのは、ドキュメンタリーのような演出があるからです。
そんな是枝監督がこれまで最も重宝してきたキャストは亡くなってしまった樹木希林さんでしょう。樹木希林さんが亡くなったことで、今後の監督の作品にどう影響するのだろう。そんなところも注目しながら、やっぱり今後の作品にも期待しています。
是枝作品はU-NEXTで見ることができます。1ヶ月間無料で見れますので興味のある方はオススメです。
是枝裕和監督のオススメ映画5作品
ワンダフルライフ
死後の世界へと旅立つまでの1週間、死者達はそこで生前の一番大切な思い出を選ぶ。その思い出は、彼らとそこで働くスタッフによって映画として再現される。一番大切な記憶だけを胸に、死後の世界へと旅立っていく。
『ワンダフルライフ』のキャッチコピー
貴方の一番大切な思い出を1つだけ選んでください。
今の是枝監督の手法を知っているからこそ、監督の一番の魅力の部分はなにも変わっていないなと感じさせる作品です。
亡くなった方が死後の世界で一人ひとり、生前の思い出の場面を話していきます。カメラに対してテーブルを挟んだ死者は、椅子に座り、様々な想い出を語っていくのですが、そのシーンが万引き家族で安藤さくらが最後に語る名シーンと、ほぼ同じアングルで撮られています。
多くの方はお年寄りで、時々若者もいる。想い出を語る死者たちの表情が、どこまでも自然で抜群にいい。
どうしてこんな自然な表情が撮れるのか?
答えはまさに「自然」に話しているからです。
というのは、もともと想い出を語っている死者たちは、テスト撮影の為に集めた素人たちらしい。「自分の一番の思い出の場面」を話す表情ががあまりに良かったので、演者ではなくそのまま素人を使うことにしたそうです。
今までで一番の想い出を演技ではなく思い出話として語る表情は、とても優しく、聞いていて心地よい。ドキュメンタリー出身の是枝監督がつくる映画らしい作品で色褪せることない名作です。
万引き家族
正しいとされていることが必ずしも正しいのか、間違っているされていることが必ずしも間違っているのか?幸せだと思われていることが本当に幸せで、不幸だと思われていることが本当に不幸なのだろうか?そんな疑問を感じさせてくれる名作。
『万引き家族』のキャッチコピー
盗んだのは、絆でした
期待して映画館へ行ったら、その期待をお大幅に超えてきて、衝撃を受けた作品。是枝監督のこれまでの作品要素を総動員したような映画です。
子役の演技指導が抜群にうまく、映像の美しさや設定の秀逸さ。社会への問題提起、そして、樹木希林さんの狂気。
正しいとされていることが必ずしも正しいのか、間違っているされていることが必ずしも間違っているのか。
幸せだと思われていることが本当に幸せで、不幸だと思われていることが本当に不幸なのだろうか。
物事はひとつの側面を見るだけではなく、多面的な視点をもっていることで見える世界が異なってくる。
何度でも見たい。そのたびに新しい発見が見えてくる映画です。
フィルムの色合いによる映像の美しさ、子役の存在感と影をつくる演技、ドキュメンタリー的な演出、社会への問題提起、安藤さくらの最後のシーンとワンダフル・ライフのリンク、家族をテーマに表と裏の側面を描いていること。
是枝監督の持つすべての要素がこの映画にはつまっています。ベスト・オブ・ベスト。
そして父になる
6年間家族として育てた時間なのか、自分の血が入った血縁なのか。仕事人間の福山雅治と、子どもを優先してきたリリーフランキー。二人の対照的な父親像が、見る人の心を揺さぶる作品です。
『そして父になる』のキャッチコピー
息子を取り違えられた二つの家族 血のつながりか、共に過ごした時間か。突き付けられる慟哭の選択
是枝監督は表と裏を表現することを非常に得意としていて、今作でもその手法が使われています。
エリートで、お金持ちで都内の高級マンションに住む福山雅治。
みすぼらしく、雑然とした家に暮らすリリーフランキー。
一般的にどちらに育てられた子どもが幸せかと問われれば、福山雅治演じる良多のほうが印象はよいでしょう。だってお金持ちだし、きれいで広い家に住んでるし。
だけど、実際には表として見えている部分だけでは判断できるはずがなく、裏の部分として普段見えていない部分にも真実がある。僕たちが普段目にしている部分がいかに一面的なのかということに気がつく作品です。
万引き家族でも同じように表と裏が表現されていましたが、この手法は是枝監督が得意としている描写の1つと言えるでしょう。
第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。興収30億円を記録した名作です。
誰も知らない
都内のアパートで母親と暮らす4人の兄妹。父親はみな別々で、学校にも通ったことがなく、3人の妹弟の存在は大家にも知らされていなかった。ある日、母親はわずかな現金と短いメモを残し、兄に妹弟の世話を託して家を出る。この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちだけ生活が始まった。
『誰も知らない』のキャッチコピー
生きているのは、おとなだけですか
カンヌ国際映画祭で柳楽優弥さんが史上最年少および日本人として初めての最優秀主演男優賞を獲得したことで有名になった作品。
是枝監督は子役を活かすのが抜群に上手く、『万引き家族』の城桧吏と佐々木みゆ、『海街diary』の広瀬すず、『奇跡』のまえだまえだ兄弟など様々な子どもを演出してきました。
監督は子役に台本を渡さないことでも有名です。子どもは台本を渡されると自宅で母親と練習を繰り返し、どうしても不自然な演技をするようになるからというのが理由だそうです。
では、どうやって台詞を伝えるのか?
現場で口で伝えたり、そのシーンがどんなシーンなのかだけを大まかに伝えて自由に動いてもらうという手法をとっているそうです。こうすることで、「自分から発した言葉」を引き出し、演技を演技に見せない工夫をしているそうで、『海街diary』の広瀬すずさんもこの演出方法で演技をしたそう。おもしろい。
海街diary
鎌倉の古民家で暮らす四姉妹の日常を描いた物語。映像が美しい。
『海街diary』のキャッチコピー
家族を捨てた父が、残してくれた家族
是枝映画の特徴はその映像の美しさにあります。是枝監督はフィルムを好んでよく使用していますが、フィルムの美しさを改めて感じる映画です。
デジタルで撮影した作品もフィルム調で出力していますし、映像の色にはかなりのこだわりを持っていることが伺えます。
そんな4姉妹とフィルムの色で、きっと多くの男性はずっと見てられるような作品かもしれません。
広瀬すずさんはこの映画で台本を一切渡されず、口頭で台詞やシチュエーションを伝えられて演技したそうです。あの自然な雰囲気はそんな演出から生まれているというのも納得。
また、是枝監督は撮影を始める前にアイスブレイクとして共同作業をさせる演出もするそうです。
例えば万引き家族で海に行ったシーンは撮影前に「みんなで海で遊んでください」と伝え、そのシーンを一応撮影していたら思いがけずいいシーンが撮れて入れ込んだという話や、海街diaryでも梅の実を撮るシーンは同様に撮影期間に入る前に共同作業をしてもらったところを撮影したそうです。
そういう演出をすることで、「家族らしさ」の距離を作り上げていくところもやっぱり演出家だなと感じますね。
是枝裕和監督のおすすめ映画5作品と、魅力を紹介 まとめ
是枝裕和監督のおすすめ映画作品と、是枝裕和監督の魅力について紹介しました。
- ドキュメンタリー出身の監督らしい演出
- 子役の自然な演技が抜群によい
- フィルムを主として使用し、映像が群を抜いて美しい
- 家族を主としたテーマに「表面の闇」と「裏面の光」が描かれている
- 脚本を撮影前日まで書き直すような演出
- ワンダフル・ライフ
- 万引き家族
- そして父になる
- だれも知らない
- 海街diary
そんな是枝監督がこれまで最も重宝してきたキャストは樹木希林さんですよね。樹木希林さんが亡くなったことで、今後の監督の作品にどう影響するのでしょうか?そんなところも注目しながら、やっぱり今後の作品にも期待しています。
是枝裕和監督作品もランクインしている「心からオススメできる面白い映画」を紹介した記事があります。興味のある方はぜひ読んで見てください!