世界旅写真展のなにが良かったのかを検証する

世界旅写真展を経験できたことはどう考えても最高だった。
刺激的な数日間で、贅沢なご馳走を噛み締めるように毎日を過ごした。

第4回世界旅写真展って?
職業や作家などの写真関係者のみを対象とした全国公募から選ばれた10名の入選作家が贈る旅の写真展です。旅に生きる楽しさと切実さ、そして優美なプロフェッショナルとしての想いは一見一聞の価値あり。
旅に出たくなること必至の5日間をお届けします。

展示期間:2019年3月20日から3月24日
場所:Behind the gallery (新宿区東五軒町4丁目17番mビル1階)
審査員・主催者:中村風詩人
審査員:野町和嘉
入場無料(※トークイベントは入場料500円)
世界旅写真展に入選したときのブログはこちら

世界旅写真展に入選しました

では、なにが僕に最高の経験だったと思わせたのか。
自分の中の最高だったという要因を検証していきたい。

photo by 中村風詩人

世界旅写真展を目線で分けて考える

入選者の目線

今回、僕は世界旅写真展に入選作家として参加した。
その結果、ざっと挙げて以下のような経験をさせてもらった。

・世界旅写真展で素敵な額とともに写真を展示してもらった
・ポストカードを作成、販売してもらった
・オリジナルプリントにサインを入れて収蔵して頂いた
・写真家の中村風詩人さん、ライターの帆志麻彩さんと出会えた
・写真家中村さんに写真を見せてセレクトしてもらえた。セレクトの根拠を詳しく解説してくれた。
・入選作家の皆さんとの出会いがあった。
・会期中に入選作家と写真について深く話す時間をたくさんもてた。
・懇親会を開いて頂いた。
・トークイベントの登壇機会をもらい、お客さんの前で話をする機会を得た。
・展示会に来場された方との出会いや再会の場をもらえた。

どうだろう、最高具合が伝わっただろうか?
ざっと考えただけで、これくらいの経験をさせてもらった。どう考えても最高である

全てが特別な経験になったのだが、特に中村さんを含めたスタッフ・入選者との出会いは格別だった。

旅と写真
この二つの共通項があるだけで、旧知の仲間に出会えたようにいろいろな話をすることができた。
自分が写真を選ぶ際に疑問に感じていることへの意見や、印刷や写真集を作るときの秘訣。旅先の選び方や、それぞれの作品を鑑賞する時間。

人との距離感は時間的な長さではなく、どんな時間を共に経験したかが大きい。
これだけ毎日写真に向き合い、写真を語り合い、自己の写真について考えるキッカケをもらえたことは、やはり特別な時間だった。

 

そしてもっと未来を考えたときに、きっとこの時の経験が僕を助けてくれる瞬間が訪れるだろう。
それは仲間と出会ったことなのかもしれないし、展示して頂いたことへの誇りかもしれないし、誰かが話した言葉なのかもしれない。いつ、なにかはわからないが、きっとこの経験は僕の支えとなって、僕を助けてくれる瞬間がくることは確信している。

中村さんは第五回も続けると仰っていたので、ぜひ応募してみてほしい。

劇的に写真が楽しくなったオススメのアイテムを紹介する」という記事を書いたので、参考になれば嬉しい。

photo by 中村風詩人

来場者の目線

入選作家10人の作品は、1人あたり2〜4枚の写真が展示されていた。

パっと見た瞬間にインパクトの強い作品もあれば、炎の揺らぎが写された静かな作品もある。アラスカの大自然の写真があれば、道の落し物が並べられた作品もある。
10人とも個性豊かな作風でありながら、不思議と空間としてはまとまっている印象を受けた方も多いのではないだろうか。

写真家の中村さんが「ずっと飾っておきたくなる写真」を基準に選ばれた作品は、それぞれの作品を好きなように並べたグループ展のようでありながら、中村さんの確固たる軸をもとにセレクトされた個展のような印象のほうが強い。

きっと来場者はその不思議な力に引き込まれた方も多かったはずだ。

来場者目線で考えたときでも、あなたが好きな作品や作風が見つかる展示だったと思う。
旅に行って写真を撮りたいなと思ってもらえたなら嬉しいです。

スタッフの目線

まずは、第四回となる世界旅写真展を開いて頂いたことに感謝したい。

第三回から数年が経ってギャラリーが移転し、もうやらないという選択肢があってもいい中でこの企画を続けてくださったことが堪らなく嬉しい。

展示会場から額装までを引き受けてくださり、野町和嘉さんという巨匠を審査員として招き、入選作家との連絡や懇親会などは運営上冷や冷やする場面もあったはずで、主催者の苦労は尽きないことが容易に想像できる。

短期的に見たときには、どうして利益にもならないような企画をしているのだろうと感じる方もいるのかもしれない。
僕もタビノコトバという企画を主催しているので、そんな声があることもよくわかる。

ただ、入選作家がこんなにも写真について語り合っていた姿を見れたことは主催者としてはとても嬉しかったと思う。

第三回まで同様に、入選作家が全員展示会場に来てトークイベントに登壇したことは、この展示会と中村さんの魅力が強いからだろう。
タビノコトバではなかなかそうはいかなかった。全ての人がここまで満足した企画になっていることを本当に尊敬する。

本当に素敵な企画を運営してくださっていることに感謝する。

世界旅写真展を終えて

中村さんはこの世界旅写真展を10回まで続けて、100人の展示をすることが夢だと仰っていた。その夢が叶うように、僕ができることはなんでも協力したい。

世界旅写真展の入選作家として、中村さんや帆志さんが喜んでくれるような写真活動を今後もずっと続けていきたいと強く思った。

未来にやってくる第五回世界旅写真展。
その募集があったときには、ぜひ応募してみてほしい。

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