友人と会ったはずが、とても悲しい思いをして帰ってきた時の話

数年前の話になるが、友人に会いに行ったはずが、とても悲しい思いをして帰ってきたという出来事があった。

その出来事から「二人で会って話をしたい人って、どんな人だろうか?」ということを考えたので聞いてほしい。

異性の友人と久しぶりに会うことになった

その友人とは、職場で仲良くなった異性の友だちだった。私は男性なので、つまりは女性の友だちだ。

その子を仮にAちゃんと名付けよう。

Aちゃんとはグループで旅行に出かけたり、飲みに行ったりする仲だったが、お互いがちょうど異動することになり、数ヶ月間ほとんど連絡することもなく、もちろん会ってもいなかった。

僕の新しい職場の近くにAちゃんが引っ越したという連絡してきてくれたので、久し振りに会う約束をし、仕事帰りに待ち合わせ場所のカフェに向かった。
久しく会っていなかったので、環境が変わった彼女はどんな生活をしているのだろうと、会うのを楽しみにしていた。

カフェで待ち合わせをして会った友人Aちゃん

迎えた当日。
待ち合わせの時間にカフェに行くと、彼女はもう既に到着しており、笑顔を向けて僕を出迎えてくれた。僕は久し振りに会った友人にホっとし、コーヒーを注文した。

「どう、新しい職場は?」
僕は、挨拶代わりに当たり障りのない質問をAちゃんにした。

「なかなか慣れないですね」
Aちゃんは、今の職場の状況を話し始めた。

今の職場が以前の職場と違って、いかに気の抜けた雰囲気であるかを熱をもって話し始めた。

僕とAちゃんが働いていた以前の職場は、彼女にとっては大学を卒業して初めて勤めた場所。
社会人としての常識はそこで学び、そこが全てだった。

彼女にとっての社会の全てとは異なる環境に身を置いたことで、今まで自分が築いてきた当たり前に、当てはまらないことにどんどん直面しているところだった。

こんな風習がある、あれもないこれもない、こんな人がいるのが信じられない・・・。
自分の枠からはみ出していることが気になって仕方がない、そんな様子だった。

どうやら、だいぶ不満が溜まっているらしい。
少し話しを聞いてあげようと思い、「そうなんだ」と共感し、「それでどうなったの?」と質問し、「大変だね」と労った。

Aちゃんと久しぶりに会って30分が経過した

話始めると、彼女はさらに熱を帯びていった。
今の自分の状況がいかに大変で、周りがいかに異様で、自分はその環境の中で狂うことなくこれだけ頑張っていると話した。

しばらくそんな会話が続いたので、僕は彼女の前向きな話を聞きたくなり、「引っ越した先の家はどうなの?住みやすい?」と話を逸らした。
「広くなったんで住みやすいですよ」
彼女は、笑顔で答えた。

僕はホっとし、続けて質問をしようとした。
その刹那。

「職場がちょっと遠いのが大変ですけどね。前よりも朝が早くなったし。今の職場の人はみんなギリギリにくるんですよ。始業前に駆け込むように入ってきて、全然仕事の準備もしてくれないし、私一人で準備をすることになっちゃってるんですよね」

彼女は、やっぱり今の不満と、周りの異様さと、自分の頑張りを話した。
そしてすぐに先ほどと同じように、今の職場の話を始めた。
「うん、うん」
僕は相づちを打った。

Aちゃんと久しぶりに会って1時間30分が経過した。さあ、帰ろう。

帰り際、彼女は「話を聞いてもらえてとてもスッキリしました。また会いましょうね」と笑顔を向けた。

結局1時間30分の間、彼女はずっと不満と愚痴を話し続けていた。
本当にずっとだった。
僕に向けてなんらかの質問をすることもなく、ただ、自分に周りに起こっている出来事を話し続けた。

きっと彼女は、自分のことを誰も知らない環境の中で、彼女なりに毎日を強く生きているのだろう。そんな中で久し振りに会った友人の顔を見てホっとし、日頃の不満や自分の頑張りを認めてもらいたくなったのだと思う。

とても理解できるし、彼女に平穏な日々がくることを願う。
でも、やっぱりなんだか無性に悲しかった。
その日以来、僕は彼女と一度も会えていない。彼女が平穏に生きていればいいなと思う。

あなたが休日に二人で会って話をしたい人って、どんな人だろうか?

家を飛び出して、待ち合わせ場所へ向かい、カフェに入って、二人で話をする。
そんな行動をとりたくなる人って、どんな人だろうか?

対象は友人でも、恋人でも、これから恋人になりたい人でもよい。

二人で会って話をするという行為を相互に楽しめる相手って、どんな人だろうか?

僕は「共感」と「興味」がキーワードだと思う。

キーワードは「共感」と「興味」

自分の話を聞いてくれる安心感。その話を更に深めてくれる質問

どちらかだけが話す場ではなく、お互いが話をできる関係性。
質問をしたくなるくらい、その話に興味を示してくれる姿勢。

その二つがあることで、話をすることが楽しくなるのだと思う。

自分の話を聞いてくれる。
そこに質問を出して更に話を引き出してくれる。
それが自分で気づかなかったことを気づけるような質問だったら最高に嬉しい。
その話にリアクションをとりながら、興味を持って聞いてくれる。
その話に対する意見や、関連づいた話をしてくれる。

きっとこれをできる人がモテるのだと思う。
それは、男性女性問わず、異性同性も問わない。

友人と会ったはずが、とても悲しい思いをして帰ってきた時。
帰りの電車から真っ暗な外の景色を眺めながら、僕はそんなことを感じたのだった。

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