早いもので4月も中旬になった。
きっとこの4月から環境が変化した人も多いだろう。
新しい場所で過ごすことになった人
新しい人と出会った人
新しいことに向き合うことになった人
4月は変化とともに、新しい何かが始まる季節だ。
僕はと言えば、愛してやまない住み慣れた家を離れることを決めた。
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<日々考えたことを書いた記事をまとめました>
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住み慣れた家を引っ越すことになった
3年半住んだ家を離れることにした。
閑静な住宅街にあるこの家は、大家さんが息子と住むために建てた二世帯住宅の2階部分を賃貸として出している家で、とても居心地のよい家だった。
独立した玄関があるため1階に住んでいる大家さんと出会うことはなく(ただ大家さんはとても優しい人で、よく手作りのきんぴらゴボウを僕たちにくれた)、自宅として建てたため隅々まで配慮が行き届いた家だった。
収納は余るほどあり、床暖房が入り、窓が三面あってとても大きい。
窓から刺す光がとても気持ちよかった。
それだけではなく、僕がこの家に引っ越した最大の理由は、屋上があることだった。
アラスカの写真家として有名な故・星野道夫さんは、自然には二種類あると話している。
人間には、二つの大切な自然がある。
日々の暮らしの中でかかわる身近な自然、それは何でもない川や小さな森であったり、風がなでてゆく路傍の草の輝きかもしれない。
そしてもう一つは、訪れることのない遠い自然である。ただそこに在るという意識を持てるだけで、私たちに想像力という豊かさを与えてくれる。
そんな遠い自然の大切さがきっとあるように思う。
『長い旅の途上』 星野道夫
この家の屋上には僕にとっての身近な自然があった。
朝の澄んだ空気の中や、夕方の優しい光を感じる時間にふらっと風を浴びに屋上に向かった。
広い空を見上げ、遠くにある高い建物を眺め、鳥の鳴き声や草花の匂いを感じた。
隣にある公共施設を眺め、時間の経過とともに四季を写真に撮ることがとても好きだった。
夏が来て、冬が来た。
そこにあった大きな木が、そこからは姿を消した。
同じ場所に、様々な顔がある景色が好きだった。
身近な自然を感じられる空間が、僕にとっては救われる場所だった。
引っ越すことに決めた
妻の実家がある町へ引っ越すことにした。
妻の両親の体調が良くないこともあり、近くに住むことが全てにとって良いという判断からの結論だった。
実家の周りには時々タヌキがやってくるような、残された自然がある町である。
その場所で、僕にとっての身近な自然をまた見つけられたらいいなと思う。