この記事は、「子どもの写真の撮り方」について書かれた記事です。
第6回は「家族をテーマとしたオススメの写真集「ダカフェ日記」」について語りたいと思います。
<連載記事>
第1回: スナップ写真を撮影しよう
第2回: 撮影テクニックを紹介
第3回: 撮影機材と写真の保存方法を紹介
第4回: 構図が同じ写真を定期的に撮る
第5回: オススメの写真集「もう、家に帰ろう」
第6回: オススメの写真集「ダカフェ日記」←※今回の記事※
目次
美しい子ども写真の撮り方を解説します(ダカフェ日記から学ぶ編」)
子どもの写真を撮影したオススメの写真集はありますか?
パパ・ママ
今回の記事では、このような疑問に答えていきます。
子どもの写真の撮り方 をテーマに書いた第1回〜5回の記事では、どうして子どもの写真を美しく残すことをオススメする記事を書こうと思ったかを簡単に紹介しました。
家族の形はいつだって変化していきます。
子どもが生まれ、自分ではなにもできなかった小さな子がグングンと成長していく。赤ちゃんだった子どもが幼児になって歩くようになり、幼稚園に入ったり、小学校に入学したり、思春期を迎えたり。
日々変化していく家族の記憶を記録することで、後々写真を見返したときに様々なことを語ることができるはずです。
どうすれば子どもの写真を上手に撮影できるかと考えたとき、いい家族写真ってどんな写真なんだろう?ということを考えます。
SOGEN
後々その写真を家族で見返したときに、その写真からいくつものエピソードが語られる写真こそが「いい家族写真」だと思います。
時間の経過とともに薄れていく記憶。一枚の写真が、その忘れかけていた記憶を蘇らせ、思い出を共有する。
子どもの写真を撮影することで、そんな瞬間を味わうことができるようになります。
この連載では、子どもの写真の撮り方を解説していきます。
この記事を読んで、あなたが家族写真を残したいと思ってもらえれば嬉しく思います。
子どもの写真の撮り方…家族をテーマとした写真集「ダカフェ日記」を紹介
森友治さんの写真集「ダカフェ日記」をご存知でしょうか?
妻、娘、息子、犬との暮らしを夫が撮影している写真集です。日常の大切さを美しく切り取り、特別な瞬間へと変化させている作品です。
各家庭が持っているような「家族写真アルバム」に近い作品ですが、ちょっとした仕掛けがあり、その仕掛けがこの写真集を特別なものに変えてくれています。
その仕掛けについては、後ほど徹底解説します。
著者の森友治さんは写真家ではなく、サラリーマンをしながらブログを書いていて、そのブログが大ヒットして書籍化されたという経緯があります。
そのブログは今も細々と続けてあって、稀に更新されるのですが子どもたちがこんなに大きくなったのかと、まるで親戚のおじさんのような気分になれます。
出版されたのは15年以上前になりますが、今もなおとても人気の写真集です。
第二弾である「続 ダカフェ日記」は2年後の2009年、第三弾「続々 ダカフェ日記」は2012年に出版されました。
いい家族写真を撮影したいと思ったら、いい作品を見ることが一番の近道です。
「ダカフェ日記」は誰もがマネできる写真集で、きっとカメラ初心者の方が見ても、なにかしらの影響を受ける作品です。実際、僕はこの写真集を見たことで一眼レフカメラとF1.4のレンズを購入したという経緯があります。
そのことは「劇的に写真が楽しくなったオススメのアイテムを紹介する」という記事で、カメラが好きになるキッカケをくれた物を紹介しているので、ぜひ読んでみてほしいです。
誰もがクスっと笑ってしまいたくなる日常を切り取った写真集ダカフェ日記は、何が優れていて、どうして人を惹き付けるのかを解説していきます。
子どもの写真の撮り方…ダカフェ日記を徹底解説する
①ごく普通の家庭に起こる日常
ダカフェ日記のキャッチコピーにこんなものがあります。
夫婦ふたり、子供ふたりと犬いっぴき。
どこにでもいそうな、ある家族の日常。
何気ないけどうれしくて、楽しくて、美しい。
そんな瞬間を父親のカメラは写し出す。
どこにでもありそうな日常を写し出しているにも関わらず、そのどこにでもありそうな日常をどこか特別に感じます。
人生で初めてコーラを飲んだ瞬間、ちょっと早めに起きた朝、お茶をこぼした瞬間、日なたぼっこをしているところ。
どこにでもある日常を淡々と撮影し続けることがきっと特別な瞬間へと繋がってゆくのだと感じられる写真集です。
②テキストが入っていて、クスっと笑える
ダカフェ日記には写真ごとにテキストが入っています。
そのテキストが写真とマッチし、思わずクスっと笑ってしまうような温かさがあります。
左:ヨメの足音に焦る空
右:本日のありえない。立ったまま寝るのには無理があったのか、少し工夫した空
左:本日のありえない。引き出しから出てこない息子
写真に一言を添えてあるだけで、その写真の魅力が格段に上がることがあります。
ダカフェ日記はその名の通り「写真日記」のような作品で、写真にその時の出来事や心情が添えられていることで作品としても魅力が大きく膨らんでいます。
僕たちが家族写真やアルバムを作成するときもこの手法は応用できて、現像した写真に一言を添えてみてください。
③日にちが入っていて時間の変化を感じられる
全ての写真にはテキストと共に日にちが入っています。
写真集第1弾の最初のページは2002年10月21日で、最後のページは2006年の12月31日になっていて、実に4年分の時間がこの写真集には詰まっています。
これが第二弾、第三弾と続いており、「続々 ダカフェ日記」の最後のページは2012年4月5日まできています。
きっと担当編集の方も「時間」はひとつのテーマと考えていて、写真集の最初の1ページは上の写真である「妻一人だけの写真」を選んでいます。
妻と夫だけだった家族に、娘が生まれ、息子が生まれ、犬がやってきた。
そんな時間の経過を楽しめるような仕掛けがあり、まるでその子の成長を近くで見てきたような、親戚のおじさんになったかの感覚を味わうことができる作品です。
④撮影場所は家の中や近所がほとんど
ほとんどの写真の撮影場所は家で、時々近所の公園のような場所があって、旅先などの写真は全く出てきません。
この写真のセレクトがより家族アルバムらしさを生んでいて、家族の日常を撮影している写真群として作品の質を高めています。
ただ、家にはオシャレな家具がたくさん置いてあり、インテリアにはとても強いこだわりがあることが伺えます。
洗練された木々のダイニングテーブル、ソファ、棚の存在は、これらの写真で大きな存在感を与えています。
⑤写真のボケ感が魅力的
ダカフェ日記の写真が人を惹き付ける最も大きな技術的な要因はボケ感でしょう。
F1.4のレンズで撮影され写真は、ひとつの場所にピントが合い、その周囲がボケるような写真を撮影することができます。
その結果、子どもの表情や美しい花にピントを合わせ、より鮮明で瑞々しく撮影することができます。
ダカフェ日記のような写真を撮りたい!と思ったら、まずF1.4対応のレンズを買いましょう。
その辺りのことは「劇的に写真が楽しくなったオススメのアイテムを紹介する」という記事でも書いたので、ぜひ読んでみてください。
子どもの写真の撮り方まとめ
「子どもの写真の撮り方」についての連載記事、第6回目はいかがでしたか?
<連載記事>
第1回: スナップ写真を撮影しよう
第2回: 撮影テクニックを紹介
第3回: 撮影機材と写真の保存方法を紹介
第4回: 構図が同じ写真を定期的に撮る
第5回: オススメの写真集「もう、家に帰ろう」
第6回: オススメの写真集「ダカフェ日記」←※今回の記事※
今回は参考になる家族をテーマとしたオススメの写真集「ダカフェ日記」についてお伝えしました。
ぜひ、この写真集を読んで、なにかしらの影響を受けてほしいと思います。
いい写真を撮影したいと思ったら、いい作品を見ることが一番の近道です。
「ダカフェ日記」は家族をテーマとした写真集で最も身近で取り入れやすい作品だと思います。
あなたがこの本を読み、家族の写真でも撮ってみようかなと感じてくれればとても嬉しく思います。
それでは「子どもの写真の撮り方」をテーマとした連載記事の第6回でした。
また遊びに来てください。