写真展会場のレイアウト作成方法【はじめての写真展入門⑤】

この記事では、「写真展を開催するための「会場レイアウト」」について解説しています。
写真展開催までには、当日の会場レイアウトを事前に決めておかなければなりません。展示会場、写真と額の大きさ、壁面の広さなど、写真展会場によってレイアウトは大きく異なります。当日まで全く決めてなくて、壁面が余った!なんてことになったらせっかくの写真展がかっこ悪くなってしまいますよね。
今回はそんな写真展の会場レイアウトについて解説していきます。

写真展の開催方法」では、はじめて写真展を開催したい方に向けてのノウハウを書いています。会場選択、額装、当日持参する道具など、細かな手順を書いていますので、写真展の開催に興味のある方は読んでみてください。

はじめての写真展入門【一番やさしい写真展の開き方】はじめての写真展入門【知識ゼロから写真展開催まで】総まとめ

失敗しない写真展会場のレイアウト作成方法を解説

「はじめての写真展入門」シリーズ第5弾。
これから写真展を開きたいけれど、どうすればいいかわからない…という方の疑問に答えていく『写真展の開き方入門』となっています。

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写真家Aさん

写真展を開催するけれど、当日の会場レイアウトをどうすればいいか迷っています。
どこまで会場図を考えればいいのかな?
なんとなく考えていくだけじゃダメなの?

今回の『会場レイアウト編』では、このような悩みに答えます。

本記事の信頼性
これまで展示会(写真展やエッセイ展)を7回行ってきました。

アイデムフォトコンテストで入選し、新宿のギャラリーで個展を開催してもらったり、世界旅写真展に入選し、グループ展を開催してもらったこともあります。
最新では2020年2月に個展(Quiet Cuba)を行い、写真集を出版して頂きました。

►参考:キューバを撮影した写真集「SEEKING QUIETNESS」を出版することになりました

このような経験から、今となっては写真展開催までの準備で何が必要なのかの見通しを持つことができますが、2015年にはじめて写真展を開催した僕は、まさに次のような状態でした。

なにを準備すればいいの?
どこで開催するのがいいの?
なにが必要なの?
写真はどうやってプリントするの?
なにに額装するの?
どう宣伝すればいいの?
お金はいくらかかるの?

なにもわからない状態から試行錯誤を繰り返し、様々な会場で写真展を開催してきた中で、いくつかのノウハウを得ることができました。

写真展を開きたいんだけど、なにから始めればいいのかわからない。
そんなあなたの背中を押したくて、この記事を書きます。

このブログがヒントとなって、あなたの初めての写真展の開催に繋がれば幸いです。

はじめての写真展で、会場をどうやってレイアウトする?

初めて開催する写真展の会場を、あなたはどんな空間にしたいですか?

展示会を開く際には壁面の広さを基に、写真の大きさ、展示面のレイアウト、写真同士の空間は何センチかといったところまで決めていくことになります。
また、部屋のレイアウト、導線、キャプション、写真以外の展示物の有無など考えることは沢山あります。

僕は様々な事情により初めての写真展をずいぶん広い空間で展示をすることになりました。
良い面とわるい面がありましたが、そこからたくさんの学びを得ることができ、次に狭い会場で展示した時にはそのノウハウを大きく活かすことができました。

今回はそんな会場レイアウトについて考えていきましょう。

写真展会場レイアウトの作成方法

まず真っ先に始めることは、会場の図面を入手し、下見に行ってイメージを膨らませることになるでしょう。

図面には壁の幅が何センチか、高さが何センチかと表示されているので、それらを参考に考えていきます。

壁の横幅がどれくらいあるのか、高さがどれくらいあるのか。

そういった具体的な数字を確認し、会場の全体像を把握することはとても大切なことです。
ただ、僕の場合はその図面を見ただけでは完成した会場を想像することができなかった。

この額だと何枚この壁に飾れるだろう。
額と額の間は何センチ空けられるだろう。

数字上ではわかるのだけど、想像が難しかった。

そこで、自分でエクセルを使用して比率を合わせ、図面を作成することにしました。
そしてこれが一番大切なのですが、壁の比率と合わせて額を挿入した図面を作成しました。

少々面倒ですが、図面を作成する最大の利点は、額と壁の広さを正確に把握出来ることです。

会場から頂いた図面だけでは、この壁に何枚写真が入り、それがどれくらい窮屈なんか、はたまたゆとりがあるのか正確にイメージすることができにくかったのですが、自分で長さを揃えて描いた図面にはそれらを表示させることができます。

「ここはこんな長さなんだ、意外に広いな」といった感覚的なことから、写真を5枚並べて写真間を40センチ空けられる」などの具体的なことまで、空間をイメージすることができます。

写真展の壁面レイアウト作成手順

図面を完成させると、どのような空間を作りたいのかをイメージします。

僕が初めて写真展をしたときは

「写真は大中小の3つの大きさを使いたい」
「会場に入ったときや新しい空間に入ったときに真っ先に目にする写真を大切にしたい」
「縦の写真を1枚だけ使いたい」
「可能ならば動画も壁に映したい」

そんな思いから、次の図面を作りました。

もともとは1つの大きな空間でしたが、壁で仕切ることができるという話、場所によっては電気を消すことができるという話をもらったので、展示スペースを3つのエリアに区切ることにしました。

それぞれの部屋の特徴は以下の通りです。

①最初に長い通路がある

②広い明るい部屋がある

③動画が流れたスポットライトだけの暗い部屋がある

その構成にあった写真をどんどんと配置していきます。

具体的には「①には人の生活が伝わる写真を並べて中サイズで統一しよう」だとか、「②は大中小様々な写真が見えるようにしよう。縦の写真はこの独立した壁にしよう。パっと見たときに目につく写真は自信のある写真にしよう」や、「③は動画を上映しよう。部屋を暗くしてスポットライトを当てよう。写真はラダックの写真で統一しよう」などです。

写真展で、写真間の距離はどれくらい?

全体の展示数が決まっていれば、図面におおよそのバランスを考えて額をどんどんとはめ込んでいきます。

そうすると、おのずと「写真と写真の間の長さ」も決まってきます。

この「写真と写真の間の長さ」はとても重要で、必ず会場図に記入しておいたほうがいいです。
理由は2つあって、1つはこの長さが統一していないと非常にかっこわるい展示になるから。もう1つは実際に会場設営する時にこれを決める時間がモタモタする原因になるからです。

当日会場設営を行っていく際に、実際に写真を並べてみると予想以上に窮屈で急遽変更することもあるでしょう。ただ、この長さを最初に決めておかないと取っ掛かりとして作業が進行せず、もし仲間が手伝いに来てくれたとしても共有ができず何をすればいいのかわからない、指示を出しにくいなどの理由があります。

ということで、とても重要。
事前におおよそは決めておくことをオススメします。

壁からの距離や写真同士の距離を決めておくことはとても重要な作業ですが、なによりとても楽しいです
展示会当日を想像してワクワクします。ぜひやってみてください。

写真展で写真の並び順は?

写真総数とレイアウトが決まったので、最後にセレクトした写真をプリントし、自分の部屋に広げてみます
写真のプリントは実際のサイズでプリントしてみるとわかりやすいのですが、まあ2Lサイズなんかでもいいと思います。

この作業はとても重要で、お客さん目線で一枚一枚展示と同じ順番に写真を見ていると「この順番こそがベスト!いい感じ!」と思っていたものが、微妙に違和感を感じるところが少なくないのです。

この写真とこの写真が隣だと、良さが消されるな」とか「この箸休め的な写真を置くと両隣が引き立つな」とか「この写真は小さくてもいいかな、反対にこっちは大きいほうがいいな」なんかを視覚として感じやすく、イメージがとても膨らみます。

僕は何度もこの作業を繰り返し行いました

とりあえず一度決めたあとに一回寝かせて時間を置いてから再度考察する。

それを何度か繰り返した結果、最終的には最初に選んだ36枚から数枚は落選し、選んでいなかった写真を新たに数枚ピックアップして展示することになったし、それらを印刷する写真のサイズもかなり変更しました。

やっぱり自分の目で見える形にし、手で動かしてみることはとても大切ですね。

こればっかりはパソコンの画面で行うよりも、手を動かしながら実物を目で見てやったほうが発想が膨らむように思います。

写真展会場で展示する写真を額装したり、販売するサービス

写真展会場のレイアウトが決まったら、次のステップに進んでいきましょう!
写真展開催までは、写真のセレクトや額装、宣伝や会場レイアウト、キャプションの作成など、やることがたくさんあります。

「はじめての写真展入門」のシリーズ記事で詳しく書いていきますので、興味のある記事を読んでみてください!

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写真の額装に関しては「額装編」で詳しく書きましたが、最近では、画像をアップするだけで額装制作から作品販売までを手掛けてくれるArtgene』というサービスがあって、注目を集めています。

Artgeneによる額装シュミレーターで作った作品

ネット上で額装シュミレーターをチェックして、額の色を選んだり、余白の大きさを選んだり、紙質を選んだりできるので、展示をしたい方や家で写真を額装して飾りたいという方、両親に写真を額装してプレゼントしたいという方などにオススメです!
料金もだいたい1万円くらいですね。

会員登録すれば、額装シュミレーターで額の種類や大きさ、余白の大小などを設定し、イメージを作れるので、まずはシュミレーターで作品イメージを作ってみるのはオススメです!

▶オンライン額装サービス『Artgene』について


Artgeneはオンライン完結型の本格アート額装サービス。アートを作る、買う、売るができる。
ユーザー登録をすると、画像をアップするだけで額装のイメージが作れる額装シュミレーターがめちゃくちゃ便利で、僕も作ってみましたがあまりにオシャレに軽く作れるので必要以上に何個も作って遊んでみました(笑)
額装した作品を作るだけでなく、あなたの作品を販売までできる点も面白いサービス
ですね!

Artgeneのサイトへ

【Artgene】新規会員登録をすると、額装シュミレーターが使えます!

はじめての写真展入門 会場レイアウトまとめ

会場レイアウトをつくる際には、図面を作成額の位置など壁のレイアウトを決定写真の順番や大きさを含めた最終セレクト、という流れで進めるといいでしょう。

会場のレイアウトが工夫されていれば、お客さんの画廊滞在時間も大きく異なるでしょう。

せっかく来て頂いたお客さんがパっと見てパっと出て行かないような工夫を考えられれば、双方の満足感が上がることでしょう。

あなたがこの記事を参考に初めての展示会を開催することになったときには、ぜひご連絡ください。

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