この記事では、写真展を開催するための「額装」について解説しています。
写真を展示するには、額だけではなくハレパネや木製パネルなど様々な選択肢があります。そのメリット・デメリットを紹介していきます。(2023年1月23日更新)
写真を飾ったり写真展を開催したいけど、額装方法について迷っている方にとってのヒントとなる記事です!
この記事でわかること
目次
はじめての写真展入門 写真展の額装方法4選を解説
本記事は、「はじめての写真展入門」シリーズ第3弾です。
「写真展の開催方法について」をシリーズ連載していて、はじめて写真展を開催したい方に向けてのノウハウを書いています。
会場選択、額装、当日持参する道具など、細かな手順を書いていますので、写真展の開催に興味のある方は読んでみてください。
- 第1回は会場選択・ギャラリー編
- 第2回は写真のセレクト編
- 第3回は額装編
- 第4回は宣伝編
- 第5回は会場レイアウト編
- 第6回は当日持参する道具編
- 第7回はスケジュール・費用編
- 第8回は額装シュミレーター編
写真展を開催したいけれど、額装をどうすればいいか迷っています。
額で展示するのって、やっぱりお金がけっこうかかるのかな?
他の方法で展示できないのかな?
今回の『額装編』では、このような悩みに答えます。
額装編の続編を第8回『額装シュミレーター編』で詳しく書いているので、この記事を読み終えて自分の写真が額装されたイメージ図を見たくなった方はぜひ読んでみてください!
- 2023年5月に旅をしながら世界各地の人に「夢」をインタビューした本をみらいパブリッシングから出版
- 2023年3月末まで書籍を学校に届けるクラウドファンディングに挑戦中(もうすぐ100%達成!!!)
- >>クラウドファンディングのページへ
全くの素人から独学で写真展を開催し、写真展をプロデュースしてもらうなど経験を重ねたことから、今は写真展開催までの準備で何が必要なのかの見通しを持つことができます。
だけど、2015年にはじめて写真展を開催した時は、まさに次のような状態でした。
なにもわからない状態から試行錯誤を繰り返し、様々な会場で写真展を開催してきた中で、いくつかのノウハウを得ることができました。
写真展を開きたいんだけど、なにから始めればいいのかわからない。
そんなあなたの背中を押したくて、この記事を書きます。
このブログがヒントとなって、あなたの初めての写真展の開催に繋がれば幸いです。
はじめての写真展の額装方法4選
はじめて写真展をしようと思ったときに迷うのが展示方法や額装方法かと思います。
額に入れるのか、パネルに貼るのか、写真を直接壁に貼るのか、それ以外の方法なのか。
額ならばアクリルは入れるのか、入れないのか。
展示方法によって、写真の見え方は大きく変わります。
まずは、写真を飾ったり展示するときの展示方法4選を紹介します!
- 額装する
- ハレパネに貼る
- 直接壁に貼る
- それ以外
僕は誰かの写真展を見に行く際は、次の展示へのヒントにならないかと必ずどうやって展示をしているかチェックするようになりました。
それぞれの写真の展示方法にはメリット・デメリットがあり、あなたの事情によって選ぶ展示方法は変わってくるかもしれません。
今回は額装を中心に展示方法について語っていきたいと思います。
そして、僕が初めて写真展をした際に考えた「独自の展示方法」も合わせて紹介したいと思います。
写真展の額装方法4選を紹介
はじめての写真展は、どんな額装で写真を展示したいですか?
写真展での展示方法として一般的なものは
①額による展示
②ハレパネなどのスチレンボードによる展示
③壁に直接貼る展示
④木製パネルによる展示 ←(僕はこの方法で展示しました)
の、4つが挙げられます。
それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
額装による展示【写真展の展示額装方法①】
写真展の展示額装方法1つ目は、額に飾った展示です。
額に飾った展示は、やはり圧倒的にかっこいいです。写真がより洗練される印象を与えます。
展示空間や写真と、額がピタっと合った展示を見たときには、美しさとともに居心地のよさを感じます。
また、写真の周りにマットと呼ばれる白い余白があることで、写真がさらに引き立ちます。
額にも種類はいくつかあって、アルミフレームや木製フレームがあります。
値段もピンキリで、デザインもピンキリです。
当然ですが、「かっこわるい額にいれると急に栄えない展示になる」という負のスパイラルが存在します。
安っぽい額にいれた写真はやはり安っぽく見えてしまいます。
この辺はけっこうセンスが必要ですね。
あとは、お金がけっこうかかります。
安価なものだとAmazonなどのネットで注文してもいいかもしれないし、これからずっと使うと思えば1つ1万円弱くらいで買える額屋さんの額を買ってもいいかもしれません。
既製品は手軽に購入できますが、余白サイズが自由にできないというデメリットがあります。
Artgeneの額装シュミレーターは額装写真を視覚化できるツール
写真の額装はマットの余白サイズのバランスが合っているほうがかっこいいし、額に写真作品が合っているかも重要です。
でも、ネット注文だとイマイチよくわかりませんよね。
そのデメリットを解消してくれるのが、写真画像をアップするだけで本格的な額装制作から作品販売までを手掛けてくれる『Artgene』というサービスで、注目を集めています。
Artgeneはネット上で額装シュミレーターを使って、額の色を選んだり、余白の大きさを選んだり、紙質を選んだりできるので、展示をしたい方や家で写真を額装して飾りたいという方は使ってみるといいかと思います。
自分の写真をアップして額装されたプリント写真を買いたいと思ったら、プリント込みで料金もだいたい1万円くらいですね。
会員登録すれば、無料で額装シュミレーターを使って額の種類や大きさ、余白の大小などの額装イメージを作れる便利なサイトです。
まずはシュミレーターで作品イメージを作ってみるのはオススメ!
額装シュミレーターを試せる
※額装シュミレーターを使うには会員登録が必要です
Artgene(アートジーン)については、額を実際に購入してレビュー記事を書いたり、額装シュミレーターを使って写真展の展示方法を視覚化する方法を書いたので、よかったら読んでください!
写真やイラストをオシャレに額装する方法|おすすめの額を買った体験談
写真やイラストをオシャレに額装する方法|おすすめの額を買った体験談展示期間だけ額をレンタルすることもできる
ちなみに僕は3回目の展示をするタイミングでA2サイズの写真が入る711×559と、A3ノビサイズの写真が入る508×406の額を購入しました。詳細を知りたければ個別でご連絡ください。
また、写真展の展示期間だけ額をレンタルすることも可能ですので、調べてみてください。
レンタル額
◎額装展示のメリット
◎ 展示が映える。洗練された空間になる。
◎ レンタルもできるので、初めての方でも展示数によっては使いやすい。
◎ 購入した際には、次回以降も使用できる
▲額装展示のデメリット
△ 値段が高い。
△ 額にもいろいろな種類があり、センスが問われる。
ハレパネなどスチレンボードによる展示【写真展の展示額装方法②】
写真展の展示額装方法2つ目は、ハレパネなどのスチレンボードに展示する方法です。
ハレパネは安価に写真を展示できる
ハレパネ等のスチロールに写真を貼り、展示場では直接壁に貼る展示を行う方法です。
写真が立体的になり、存在感が増すことが特徴です。
厚みも選べるので、5mm〜7mmくらいを選べば無難でしょう。
予算的にも、額に比べればはるかに安いというメリットがあります。
A2サイズで700円程度なので、お金をかけずに大量に写真を展示したいという方にはオススメです。
学生の卒業展を中心に、ハレパネで展示している写真展もよく見かけます。
また、写真だけでなく「キャプション」と呼ばれる写真のタイトルだったり、文章を展示するボードは、ほとんどの展示でこのハレパネが使われています。
なので、一度ハレパネで作ってみて、写真にも使えそうだったら採用するという形をとってもいいかもしれません。
ハレパネのデメリットとしては、写真の大きさに自分で切らなければいけないことや、空気が入らないように慎重に作業をしなければいけないことが挙げられます。
そんなに難しい作業ではないので、カッターと定規を使ってやってみるといいでしょう。
その際は、大きめのカッターマットがあると、楽に作業ができます。
写真展の便利道具『ひっつき虫』は絶対必須
写真展の展示に絶対必須なアイテムとして、『ひっつき虫』があります。
展示会場の壁に作品やキャプションを貼るときは、ひっつき虫で簡単に貼ることができますが、湿気によってボードが歪んでくる関係上、作品が落ちてしまうことがあるのであまりケチらずにしっかりと貼りましょう。
粘土のような素材で壁に簡単にくっつくので、めちゃくちゃ便利です。
ひっつき虫は、写真展の会場準備当日に必ず持っていったほうがいい道具ですので、準備しておいてください。
写真展準備に必要な道具は?当日持参する道具リスト【はじめての写真展入門⑥】
写真展準備に必要な道具は?当日持参する道具リスト【はじめての写真展入門⑥】ハレパネは手軽で便利ですが、その反面で素材が柔らかく、角がつぶれたり傷みやすいという特徴があります。ぶつけてしまったり、落としてしまうとすぐに傷んでしまいます。
よくハレパネの四隅がつぶれてしまったまま展示をしているものを見かけます。
また、強度の両面テープに写真を貼るのでハレパネの再利用は難しく、一度展示をすると再び利用することは難しいです。その都度購入する場合がほとんどとなるため、継続的に写真展をしたい方にとってはオススメしません。
◎ハレパネのメリット
◎ 値段が安い。
◎ 写真に立体感がでる。
◎ 大きくも小さくもできるので、自分でアレンジがしやすい。
▲ハレパネ展示のデメリット
△ やや安っぽい印象になる。
△ 次の展示のときには使えない。
△ 余白をつくれない。
写真を壁に直接貼る【写真展の展示額装方法③】
写真展の展示額装方法3つ目は、直接壁に写真を貼る展示方法です。
虫ピンやテープで壁に写真を直接貼る展示もたまに見かけます。
上級者がやるとなかなかかっこよくなる場合があるのですが、初心者がやるとかなり安っぽくなります。
荒々しい写真の場合は、空間遠州津としてかっこよく映ることもあります!
自信があれば、無料でできるのでコストの心配はかなり減ります。
デメリットとしては、写真に穴があいたり傷がついてしまうことです。
あとは、やはり安っぽくなってしまうという点がマイナスですね。
◎写真を壁に直接貼る展示のメリット
◎ 費用を抑えられる
◎ 荒々しい展示には向いている。
▲写真を壁に直接貼る展示のデメリット
△ 写真に穴があいたり傷ついてしまう。
△ 多くの場合、展示が安っぽくなってしまう。
木製パネルによる展示【写真展の展示額装方法④】
写真展の展示額装方法4つ目は、木製パネルによつ展示方法です。
これは番外編だと思って頂きたいのですが、実は僕の初めての写真展は、木製パネルで展示をしました。
どうやって展示しようかと考えた際に、自分なりに最もよい方法を考えた結果が、こちらの方法です。あまりこの方法で展示している人はいないかと思いますが、かっこよく展示ができます。
木製パネルとマットを買い、自作の額を作成するという方法です。
クレサンジャパン シナベニヤパネル F8 455×380mm
木材パネルで写真の額を自作
それでは、僕が初めての写真展で、どのように木製パネルを使って展示をしたかを解説していきます!
木製パネルは世界堂で3種類の大きさの異なる木製パネルを購入。
マットはマルニ額縁画材店というサイトで自分の好みの大きさにマットをオーダーできるサービスがあるので、木材パネルにあった大きさの外枠に、写真に合った内枠を注文。
2つを合わせると木材の立体感に、マットの余白というとてもバランスのよい額ができあがりました。
額を自作するために木材パネルを購入
まず、木製パネルについて。
名前の通り、木材なので木でできています。
僕はA3ノビ、A4、2Lと3種類の大きさの写真を展示しようと考えていたので、木材パネルも3種類購入しました。
白い余白を作りたかったので、それぞれ写真サイズよりも一回り大きなサイズのパネルを選び、マットを上から重ねることにしました。
A3ノビには写真全紙、A4には写真半切、2Lには写真四切の木材パネルをそれぞれ購入。
そうして届いたのが、こちら。
木材パネルをミルクペイントで塗装
木材パネルは展示会場が真っ白の大きな空間だったので、それに合うように真っ白に塗装することにしました。
塗装にはターナー色彩 ミルクペイントという商品を購入し、木材の外側を2度塗りました。
この商品はかなり優れていて、簡単にかっこよく仕上がります。
木製パネルを使ったオリジナル額装の自作は、料金は額に比べればはるかに安いですが、ハレパネに比べれば高いです。
労力はかかりますが、制作工程はなかなかおもしろいです。
木材パネルに写真を貼って白いマットを重ねる
木材パネルにA4の写真を貼った様子です。
この上に白いマットを貼って、余白を作ります。
マットはマルニ額縁画材店で購入。
木材パネルと写真に合ったマットをオーダーメイドで購入できます。
マットのサイズを入力し、窓と呼ばれる空いているスペースのサイズを入力すれば完成です。
僕の場合、マットの外寸サイズは写真全紙と同じなので縦420×横530、窓はA3ノビに白フチをつけたサイズで印刷しているので縦290×横434となりました。
こういうことを自分で考えて、作成していく過程は非常に面白かったですね。
1つ1つ、個展に向けて進んでいくのが実感できました。
最後に、マットと木材は両面テープで固定します。
マットの裏側は両面テープを外すことでボロボロになりますが、裏側なのでこれは仕方ないと割り切りました。
僕は3回の展示で同じものを使っていますが、そろそろマットも汚れてきたので寿命かもしません。
デメリットとしては、木材がかさばって保管場所がとられることですね。
あとは、料金がまあまあかかります。
ただ、今後もこの木材を使用して展示をすることができるので、2度3度と展示をする場合はコスト面でもお得な気がしています。
自宅でも飾っておけますし。
展示をしてみた結果としては、額を含めて写真が空間ととてもよく合っているとお褒めの言葉を頂きました。自分としても白い空間に、白いパネルに白いマットでスッキリした印象の展示になったかと思っています。
◎木製パネル展示のメリット
◎ 完成度が高く、展示空間がとてもかっこよくなる。
◎ 色や大きさはアレンジできるので、自分の展示に合ったものが作れる。
◎ これから何回も展示していきたい方には、再利用できるのでオススメ。
▲木製パネル展示のデメリット
△ 料金はそこそこかかる。
△ 時間と労力がかかる。
△ 展示終了後の置き場所がけっこう取られる。
写真展でオススメの額装方法 まとめ
メリットとデメリットを含めた写真展の展示方法を4つ紹介していきました。
はじめての写真展ならば、ハレパネが料金的には手軽かもしれません。
ただ、展示場所にあまりお金がかからない場合や、ちょっと背伸びをして洗練された展示を目指したいという方には木材パネルや額装による展示をオススメしたいです。
私は3度木材パネルによる展示を行いましたが、白い壁に白い額は、展示会場でとても映えました。
あなたが撮影した素晴らしい写真。
その写真の能力が、最大限活きるような展示になることを願っています。
展示写真を販売したい時|Artgeneは額装から発送まで対応
写真展会場で展示したアート写真を販売したい!
写真展はしないけどオンライン上で自身の写真作品を販売したい!
写真展会場で写真を販売する簡単な方法を探しているときは、Artgene-アートジーン-がオススメです。
【Artgene(アートジーン)】は、写真の販売・購入・額装をオンライン上でできるサイトで、おしゃれで使いやすいサイト設計から、写真家にとっても人気のサイトです。
自分の写真をそのままかっこよく額装して発送まで行ってくれるので、写真展会場で注文を受けた写真を額装までやってもらって送ることができます。
また、無料で会員登録すると、額装シュミレーターを使えるのですが、これがめちゃくちゃ優秀。
オンライン上で額の色や素材を選んだり、マットの余白の広さを選んだりできるので、展示を考えている方にとってはヒントになるはず。
額装シュミレーターを試せる
※額装シュミレーターを使うには会員登録が必要です
Artgeneで写真を販売する方法についての詳細を書いた記事です。
アート写真を販売したいと思ったら参考にしてください!
⇒ アート写真を個人で販売|Artgene-アートジーン-でアマチュア写真家も副業が可能!
Artgeneで僕自身が額装写真を購入した時のレポートです。
⇒『Artgene|空間を彩るオシャレな額装写真の購入レポート【アートジーン】』
写真展の開催を考えていたり、写真を販売したいと考えている方は、ぜひ合わせて読んでみてください!
写真をもっと楽しむための関連情報
<はじめて写真展を開きたい!という方に>
kindle unlimitedは初月無料で利用できますが、写真の知識を深めたい方にとってオススメの本がたくさんあります。
kindle unlimitedの中からオススメの写真関連本10冊を紹介した記事も合わせて紹介します!
Kindle unlimitedでオススメの写真関連本ランキング10冊【今なら3ヶ月199円】
Kindle unlimitedでオススメの写真関連本ランキング10冊【今なら3ヶ月199円】 大切な人にフォトブックをプレゼントで贈りたい方のために、オススメのフォトブックを紹介します。
ダカフェ日記のようなフォトブックが作れる【Photoback】は、おすすめのフォトブックです。
【Photoback】は、家族の日常をテーマとした大人気写真集「ダカフェ日記」のようなフォトブックが作れる人気のサービスです。
僕は毎年子どもに贈る誕生日プレゼントに、Photobackでフォトブックを作ることに決めて贈っています。
僕自身がフォトブックを作るときは、いつも Photobackで作っているので自信をもってオススメできます。
Photobackについては、『おすすめのフォトブックはPhotoback|プロが体験して推薦する圧倒的に美しいフォトブック』に詳細を書いたので、よかったら読んでみてください!
写真展ではなくて、フォトコンテストに挑戦してみたい!という方は、コチラをお読みください!
フォトコンテスト入賞までの完全マニュアル【写真集を出版することになりました!】
キューバを撮影した写真集「SEEKING QUIETNESS」を出版することになりました