写真家・星野道夫の名言集|本から心に響くことば

この記事では「写真家・星野道夫さんの心に残る名言」を紹介しています。アラスカを旅した故・星野道夫さんは写真家としてはもちろん、文筆家としても優れていました。その星野道夫さんの言葉があまりに美しいので、各本から至極の名言を抜粋し、紹介します。

星野道夫さんの魅力は特集記事でも紹介しているので、合わせて読んでみてください。

 

また、各年に読んだ本から心に響いた名言を紹介している記事(2018年2019年2020年)もあるので、名言好きの方はぜひ読んでみてください!

目次

『旅をする木』の名言

▶どんな本?

星野道夫さんがアラスカに魅了されたきっかけから、1978年26歳でアラスカに初めて降り立ったとき、アラスカで暮らすようになった日々、美しくも厳しい自然と動物たちの生き様を表現した作品。
今なお愛され続ける星野道夫さんの代表的作。

一年に一度、名残惜しく過ぎてゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか

一年に一度、名残惜しく過ぎてゆくものに、この世で何度めぐり合えるのか。その回数を数えるほど、人の一生の短さを知ることはないのかもしれません。アラスカの秋は、自分にとって、そんな季節です。

 

自分が変わってゆくことだって

「たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってくゆことだって。その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」

 

子どもの頃に見た風景がずっと心の中に残ることがある

子どもの頃に見た風景がずっと心の中に残ることがある。いつか大人になり、さまざまな人生の岐路に立った時、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり勇気を与えられたりすることが、きっとあるような気がする。

 

彼女が打たれたものは自然の広がりだった

彼女が打たれたものは、フレームの中の巨大なクジラではなく、それを取り巻く自然の広がりだったのだろう。その中で生きるクジラの小ささだったのだろう。そして、一瞬ではあったが、彼女がクジラと共有した時間だった。

 

離れていることが、人と人を近づけるんだ

いいかナオコ、これが僕の短いアドバイスだよ。寒いことが、人の気持ちを暖めるんだ。離れていることが、人と人とを近づけるんだ。

 

一頭のオオカミが旅していた夜が確かにあった

僕は日々の暮らしの中で、ふとルース氷河のことを思い出すたび、あの一本のオオカミの足跡の記憶がよみがえってくるのです。あの岩と氷の無機質な世界を、一頭のオオカミが旅していた夜が確かにあった。
そのことをじっと考えていると、なぜか、そこがとても神聖な場所に思えてならないのです。

 

もう一つの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい。

夏のツンドラの甘い匂い、白夜の淡い光、見過ごしそうな小さなワスレナグサのたたずまい…。ふと立ち止まり、少し気持ちを込めて、五感の中にそんな風景を残してゆきたい。何も生み出すことのない、ただ流れていく時を大切にしたい。
慌ただしい、人間の日々の営みと並行して、もう一つの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい。

 

『長い旅の途上』の名言

▶どんな本?

1996年、カムチャツカで熊に襲われて世を去った星野道夫さんが残した、最後のメッセージとは?遺稿集として編集された作品で、既発表で単行本未収録の76篇のエッセイ文章が掲載された本。この本が一番好き」という方も多い人気作品です。
星野道夫さんの生涯が詰まった一冊。

もう一つの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい。

子どもの頃に見た風景が、ずっと心の中に残ることがあります。ルース氷河で見た壮大な自然が、そんな心の風景になってくれたらと願います。
いつか大人になり、さまざまな人生の岐路に立った時、人の言葉ではなく、いつか見た風景に励まされたり、勇気を与えられたりすることがきっとあるような気がするからです。

 

”間に合った”という不思議な思いを僕に抱かせた

カリブーとの出会いは”間に合った”という不思議な思いを僕に抱かせた。あと五十年、あと百年早く生まれていれば…。過ぎ去った時代に思いを馳せる時、僕はいつもそんな気持ちにとらわれてきた。あらゆるものが目まぐるしいスピードで消え、伝説となっていく。
が、ふと考えてみると、アラスカ北極圏の原野を、幾千年前と変わることなくカリブーの大群が今も旅を続けている。

 

もし冬がなれければ、これほど感謝することはないだろう

長く厳しい冬があるというのはいいことだ。もし冬がなければ、春の訪れや、太陽の沈まぬ夏、そして美しい極北の秋にこれほど感謝することはできないだろう。もし一年中花が咲いているなら、人々はこれほど強い花に対する想いをもてないだろう。

 

『魔法のことば』の名言

▶どんな本?

星野道夫さんの講演会をまとめた本。池澤夏樹さんの解説が秀逸すぎるので紹介。
『彼の声の響きを正しく耳に蘇らせるには、ちょっと工夫がいる。まず、ゆっくり読むこと。次に、一度にたくさん読んではいけない。彼は本当に大事なことしか言わなかった。そして本当に大事なことは何度でも言った――。』(池澤夏樹「解説」より)

自分が本当に好きなことをやっていれば

自分が本当に好きなことをやっていれば、他人がそれを見て辛そうだと思っても、本人にとってはそれほどではないですよね。好きなことをやるというのは、そういうことなのだと思います。

 

僕らの人生というのは、やはり限られた時間しかない

いい大学に入って、いい会社に入る。そういう形も人間の生き方の一つでしょう。でもそうではなくて、もっといろいろな生き方を選択する機会がある、ということをいつかわかってくれたらと思っています。
僕らの人生というのは、やはり限られた時間しかない。本当に好きなことを思いっきりするというのは、すごく素晴らしいことだと思います。

 

どんな土地にも人の暮らしがあるんだなと思えた

どうしてこんなところで人が暮らさなくてはいけないのかと思っていたのだが、自分がほんの2・3ヶ月その村で過ごしただけで、それがちっとも不思議ではないというか、自分がもしその中で生まれていたら、やっぱりこの村でずっと生きて死んでいくのだろうということが、何の不思議もなく感じられたんです。どんな土地にも人の暮らしがあるんだなと思えた。

 

そこに暮らしている人にとっては、その場所が世界の中心

当たり前のことですが、やっぱりどの民族でも、どの国でも、そこに暮らしている人にとってはその場所が世界の中心で、そういうふうに世界は成り立っているんだということが、本当の実感としてわかった。
それが僕にとって旅の一番の大きな収穫でした。

 

たとえよりよい選択をしたとしても、また必ず次の問題が出てくる

たとえ、より良い選択をしたとしても、また必ず次の問題が出てくるわけですから。つまり、これにはゴールがないんですね。こういう社会であるべきだという絶対的な規範も、環境問題のない世界も、最終的な解決もない。あるのは、それでも何とかよりよい選択をしようとする力だけなんです。

『アフリカ旅日記』の名言

▶どんな本?

星野さんがアラスカ以外を書いた唯一の本。タンザニアの奥地にあるゴンベ動物保護区でチンパンジーの観察研究に取り組んでいるジェーン・グドールを訪ねた10日間の記録。
星野さんがアラスカ以外をどう表現するかを楽しめる作品です。

誰にでも、思い出を作らなければならない「人生のとき」があるような気がする

受話器から聞こえてくるミヒャエルの声は、今も心に残っている。誰にでも、思い出を作らなければならない「人生のとき」があるような気がする。

 

知らない人間同士が、ふとお互いの人生の一点で交差する

どんな人生を送ってきたのか、どんな夢を抱いているのかも知らない人間同士が、ふとお互いの人生の一点で交差する。そればかりか、おそらくもう二度と出合うこともない。その一瞬は考えてみると、限りない不思議さをも秘めている。

 

『カリブー 極北の旅人』の名言

▶どんな本?

星野道夫さんが生涯のライフワークとしたカリブーの大移動を記録した写真集。星野さんがあまりにカリブーへの思い入れが強すぎるため、ついに生前には刊行されなかった幻の写真集です。アラスカへの思いを綴った撮影日誌に書かれていたカリブーへの熱い想いがとても印象的でした。

群れから離れてしまったカリブーの親子

群れから離れてしまった親子を、小さな川のほとりで見つけたときのことだ。本当に小さな流れなのに、子供は怖くて渡ることができない。母親は自ら対岸に渡り、子供を呼んでいる。足先だけを水につけて渡ろうとするのだけれど、どうしても決心がつかない。
母親は再び川を渡り、子供の顔をなめて元気づけている。再び川を渡り、対岸から子供を呼ぶ。ほんの10メートルしかない小さな流れなのに、母親はいったい何回同じことを繰り返しただろう。
カリブーの子供はついに渡った。果たしてこの子供は生きのびられるのだろうか。なぜならば、この親子の進む方向に、比較にならないほどの大きな川が待ち受けているからだ。

 

何かに間に合ったような気がした

いつもいつも、遅く生まれ過ぎたと思っていた。かつてアメリカの大平原を埋め尽くしていたバッファローは消え、それと共に生きていたアメリカンインディアンも大地との関わりを失い、あらゆる大いなる風景は、伝説と化していった。人間は二十一世紀を迎えようとしているのである。が、今、私の目の前を、カリブーの大群が何千年前と変わりなく旅を続けているのを見て、何かに間に合ったような気がしたのである。

 

星野道夫作品から心に響いた名言・名文まとめ

アラスカを旅した写真家・星野道夫さんの作品から、至極の名言・名文を選んで紹介しました。

僕は本を読んでは、好きな言葉をノートにうつす作業を15年間続けています。
自分の血となり肉となったノートをたまに見返しては、勇気をもらって前に進んでいて、今回はその中から星野道夫さんの言葉を紹介しました。

旅は人生と紐付けられることがよくありますよね。旅をしたことで得た気づきは、人生にも役立つことが多々あります。
星野道夫さんはアラスカを旅し、アラスカの大自然から多くのものを受けとり、言葉にしてきました。それらはきっと日本で暮らす僕たちにも届き、人生に豊かさを与えてくれます。

 

『本当に面白いオススメの本』ジャンルごとに紹介

星野道夫さん以外にも名言シリーズの記事があり、各年に読んだ本の中からオススメの名言を紹介していたり、マンガ宇宙兄弟や小説家伊坂幸太郎の名言も紹介しているので、ぜひ読んでみてください!

 

また、星野道夫さんの作品はこれまでの『おすすめの本を紹介』した記事でも多数挙げているので、ぜひ読んでみてください。