目次
- 2019年に読んだ本から心に響いた言葉
- 2019年にわたしを救ってくれた言葉をまとめました
- 銀河を渡る/ 沢木耕太郎
- FACTFULNESS(ファクトフルネス)/ハンス・ロスリング
- ミライの授業/瀧本哲史
- メモの魔力 / 前田裕二
- アイムブルー / 木崎伸也
- 続 横道世之介/ 吉田修一
- 死ぬこと以外かすり傷/箕輪厚介
- サラリーマン2.0 / 東松寛文
- 考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと/ 荻田泰永
- 世界に一つだけの勉強法 / 坪田信貴
- 才能の招待/坪田信貴
- ノモレ/ 国分拓
- 弱さをさらけだす勇気/ 松岡修造
- ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。/幡野広志
- ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。/幡野広志
- ナナメの夕暮れ / 若林正恭
- 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬/若林正恭
- 思えば、孤独は美しい。/糸井重里
- 図書室/岸政彦
- 最も伝わる言葉を選び抜くコピーライターの思考法/中村禎
- 2019年に読んだ本から心に響いた20の言葉
2019年に読んだ本から心に響いた言葉
2019年が終わり、2020年がやってきた。
「2018年に読んだ本から心に響いた20の言葉をまとめてみる」が好評だったので、2019年に読んだ65冊から印象的な言葉をまとめることにした。
また、前回2019年に読んだ65冊からオススメの11冊を選んだ記事を書いたので併せて読んでみてほしい。
この記事では、本のオススメ度は関係なく、心に残った言葉だけで選んだ。
順番は特に関係ない。
どこから読んでもいいし、飛ばしてもいい。
今のあなたを救ってくれるような言葉かあるといいなと思う。
ちなみに僕はメモ魔で、読んだ本から心に響いた言葉をメモすることを、もう15年以上続けている。そちらの記事も、ぜひ読んでほしい。
2019年にわたしを救ってくれた言葉をまとめました
銀河を渡る/ 沢木耕太郎
娘がまだ幼かった頃、夜、寝かしるけるためによく「オハナシ」をした。小さな布団に添い寝するように横になると、娘が決まって言う。「きょうはなんのオハナシしようか」「なんのオハナシがいい?」すると娘が小さく叫ぶように言う。「イチゴのオハナシ!」
そして、その次の瞬間、即席の「イチゴのオハナシ」を作って話しはじめるのだ。早く眠らせるために主人公に果てしなく同じことを繰り返させたり、意味もない言葉遊びで時間をつぶすようなものもあった。そのようにして、いくついい加減なオハナシを作ったろう。
これから出版する児童書は、そのときの「オハナシ」そのものではないが、そのときの記憶がもとになっていることは確かなように思える。
ささやかだけれど、私の人生の中で最も甘やかなものとなっている、遠い過去の記憶が。
なんとも幸せな文章。
この数行を読むだけで幸せな気持ちになれる。
FACTFULNESS(ファクトフルネス)/ハンス・ロスリング
あなたは、次のような先入観を持っていないだろうか。
「世界では戦争、暴力、事前災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。何もしなければ天然資源ももうすぐ尽きてしまう」
少なくとも西洋諸国においてはそれがメディアでよく聞く話しだし、人々に染み付いた考え方なのではないか。わたしはこれを「ドラマチックすぎる世界の見方」と呼んでいる。精神衛生上よくないし、そもそも正しくない。
時を重ねるごとに少しずつ、世界は良くなっている。何もかもが毎年改善するわけではないし、課題は山積みだ。だが、人類が大いなる進歩を遂げたのは間違いない。これが、「事実に基づく世界の見方」だ。
今年話題になったファクトフルネスの主テーマとなるような一文。
世界は良くなっている。
ミライの授業/瀧本哲史
例えばいま、みなさんが真っ赤なレンズのメガネをかけているとします。そこから見える世界は、きっとおかしな色になりますよね?そんなメガネ、すぐに外してしまうでしょう。
でも、自分の知らないうちに、それこそ赤ちゃんのことからずっと赤いメガネをかけていたら、どうなるでしょうか?
・・・そう。たぶん自分が赤いレンズを通して世界を眺めていることに気づかないまま、ほんとうの色を知らずに「世界はこんな色なんだ」と思い込んでしまうはずです。ベーコンは、こうした思い込みから抜け出さないと、ほんとうに「知」には、たどり着けないと考えました。
人間は、心の中で、どんな「思い込み」のメガネをかけているかわかりません。
今年話題になったファクトフルネスでも「思い込み」が話題になった。こうあるべきとか、これが当たり前というものを疑ってみるのも大切。
メモの魔力 / 前田裕二
メモを癖にしてしまえば、言葉にすることから逃げられなくなります。
生活している中で「すごい」や「やばい」といった簡単な形容詞で片付けてしまったり、通り過ぎている感動は、数え切れないほどあると思います。果たして、何がすごくで、やばいのか。
ここを一歩二歩踏み込んで考えるのが、本質的なメモのあり方です。
まさにこの作業もメモからのアウトプットですね。
アイムブルー / 木崎伸也
誰かに踊らされてることに気づかないことだ。それに気づかないから、どうでもいいことに右往左往したり、人のせいにしたりする。
そんなヤツらと一緒に戦場に行ったら、間違いなく命を落とす。
なんとなく流されてしまうことって多い。
主体的に考えることの重要性を説いた一文。
続 横道世之介/ 吉田修一
わりと鮮明に思い出せるのは、この月が自身の誕生月だからで暇さえあればパチンコ屋に通うようになっていた時期で、ああ、これが厄年というものかと、半ば投げやりになってもいたが、それでもあれから今日までの一年間を全部なかったことにしましょうと言われれば、「いやいや、それでもちょっとはいいこともあったんですよ」と、決して充実していたとは言えない日々ながらも、ちょっとだけキラキラした思い出はいくつも浮かんでくる。そして、きっとそれが一年というものだ。
しかし、栗原の兄貴はその一年という日々を「いらない」と言っているのだ。そんな人間がいることが、世之介はどこか悲しい。それが広島風お好み焼きを焼いてくれたお兄さんかと思えば、なお悲しい。
この小説の素晴らしさが現れた文章。
横道世之介シリーズは、三作目も読みたい。吉田修一さん、書いてくれないかなあ。
死ぬこと以外かすり傷/箕輪厚介
自分が夢中になれるもの、ありますか?
サラリーマン2.0 / 東松寛文
意外と気づいていないだけで、わざわざやっていることは、きっと誰でも持っているはず。それは仕事の中であるかもしれませんし、プライベートの中にあるかもしれません。大事なのは、そのわざわざやっている理由です。
その理由の先に、きっとあなただけの強みが待っています。
やりたいことを見るけるために、やみくもに新しいことを始める必要なんでないのです。
やりたいことや、本当に好きなことは意外と近くにあったりする。
なんだかわからないけれど本能的に好きなものを書き出してみるといい。
なんとなく好きな花とか、よく使う色とか。
それらを大切にするだけで世界はちょっと生きやすくなるかもしれない。
考える脚 北極冒険家が考える、リスクとカネと歩くこと/ 荻田泰永
自分がやるべきこと、自分にしかできないこと、やりたいこと。
その3つを人生においてどう重ねていくか。
自分だけの自己満足を徹底的に行うことで得た力を、誰かのために使うことで、意味や価値を生み出せるという自信がある。
人はやりたいことを探し求めがちだけれど、自分がやるべきことや、自分にしかできないことっていう発想はとてもいい。
勇気づけられる。
世界に一つだけの勉強法 / 坪田信貴
本当にそうなのでしょうか?
物事は「短時間で目的を達成するほどエライ」のが鉄則。なのに、勉強だけが時間をかけるほどエライとされているのです。
それは「手段の目的化」という現象が起こっているからです。
とても納得。
できるだけ短い時間で、最大の効果を。
才能の招待/坪田信貴
動機づけはとても大切。
全ての行動には動機があるのだから。
ノモレ/ 国分拓
これはフィクションでは考えられないような、その感覚をもったことがある人にしか書くことができない名文。
2019年の第一位を獲得した一冊。
弱さをさらけだす勇気/ 松岡修造
しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに。
しかし、うちに求める心なくば、眼前にその人ありといえども、縁は生じず。
後半部分が秀逸で、やっぱり受け身だといろんなチャンスを見逃してしまう。
求める心はとても大切。
ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。/幡野広志
病気になってからは友人たちも選びなおし、ますます人生が輝いていった。
生きるとは、「ありたい自分を選ぶこと」だ。なにかを選びはじめたとき、その人は自分の人生を歩きはじめる。誰かに奪われかけた自分の人生を取り戻す。
ぼくはこれからも自分を選び、自分の人生を選んでいきたい。
主体的に生きられるかどうかで人生の充実度は大きく変わる。
では、どうしたら主体的に生きる人になれたり、そんな人を育てられるのだろうか?
自分で決めていくことの大切さがこの文章には詰まっている。
ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。/幡野広志
なぜ、そんなことになったのか知りたくて尋ねると、とても多かったのが、「親が全部決めていました」という人たちだった。
学校や進路という大きなことから、部活や習いごと、洋服、趣味、あげくには「ファミレスで何を食べるか」という小さなことまで、親が決めているケースがほとんどだった。
わがこに失敗させたくない、間違いがない、ベストの道をいかせてあげたいという親心なのだろうか。
「それじゃなくて、こっちにしなさい」
子どもが選んだものを否定して、自分が良いと思ったものを押し付ける親の姿だ。
それはたかがお菓子だけれど、親の「それじゃなくて、こっちにしなさい」は、やがてファミレスのメニューになり、洋服になり、学校選びになり、部活や習いごとになり、つきあう友だちや彼女、彼氏におよぶ可能性もある。
こうして「やりたいことが見つからない」人ができあがる。
一人娘がかわいくてついつい先回りをして失敗しない方法を見つけてしまうけれど、失敗しないことがいい教育なわけではない。
大切なことを実感させられる一冊。
ナナメの夕暮れ / 若林正恭
誰と会ったのかと誰と合ったのか。
俺はもうほとんど人生は“合う人に会う”ってことで良いんじゃないかって思った。それは家族だし、友だちだし、先輩だし、後輩だし、仕事仲間だし、ファンだし、相方だし。
そういう合った人にこれからも会えるようにがんばるってことが、結論で良いんじゃないかなって思った。
若林さんのこういう人間くさい文章が好きです。
表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬/若林正恭
親父と温泉に浸かって「今年のNFLはどこのチームが強いか」、そんな他愛のない話をしただけだった。
でも、例えば人生とか、愛とか、感謝とかって実はアメフトの話のようなものの中に含まれていて、わざわざ言葉にして話すようなことじゃないんだ。
お父さんの病気がわかって、今日はとことん語らおうと思っていたけれど、いざそんな場面に直面すると、普段と全く変わらない話しかできない。だけど、普段と変わらないいつもの言葉の中に、愛とか感謝が実は入っている。
思えば、孤独は美しい。/糸井重里
・悪口を言うのはやめられないことだ。
・しかし、悪口を言うのは恥ずかしいことだ。
・いまの時代の悪口は、本人に届くものだ
さすが糸井さん。
世界の真理。
図書室/岸政彦
それなりにいろいろなことがあって、自暴自棄になり、荒れ果てていた学生生活のなかで、奇跡的に訪れた二度と味わえない、自由と平穏の三十分だった。
それが、私にとっての吹田だ。
非日常の体験が特別なわけではなく、日常の中に特別な体験がある。
後から振り返ったときに思い出すのは、そんな日常の中の出来事が多い。
最も伝わる言葉を選び抜くコピーライターの思考法/中村禎
せっかくいい言葉を見つけても、それに気づいていなければ、書いていないのと同じことです。
教えるとは、自分の姿勢を見せること。
「言葉」を「写真」と置き換えても同じように思う。
いい写真を発表する人は、いい写真を撮るだけでなく、いい写真を選び、いい写真をプリントできる人。
2019年に読んだ本から心に響いた20の言葉
65冊の本の中から20の言葉を選んで紹介した。
僕は本を読んでは、好きな言葉をノートにうつす作業を15年間ずっと続けている。
ずっとだ。
自分の血となり肉となったノートをたまに見返しては、勇気をもらい、前に進んでいる。
2019年もたくさんの言葉をノートに綴った。
きっとこのノートが僕を救ってくれるんだろうなと思っている。
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