深夜特急第1巻(香港・マカオ)と第2巻(マレー半島・シンガポール)あらすじ・内容と感想

この記事は、沢木耕太郎さんの著書『深夜特急第1巻と第2巻』のあらすじ・内容と魅力について書いている記事です。→Amazonはコチラから
バックパッカーのバイブルとまで言われた全6巻のスタート2冊。熱狂の香港・マカオとマレー半島編。最高の旅本です。

書評記事一覧

1)角幡唯介|エベレストには登らない
2)菅俊一・高橋秀明|行動経済学まんが ヘンテコノミクス
3)中田敦彦|中田式ウルトラ・メンタル教本
4)戸田和幸|解説者の流儀
5)石川直樹|この星の光の地図を写す
6)岸見一郎|哲学人生問答
7)渡邊雄太|「好き」を力にする
8)高橋源一郎|ぼくらの文章教室
9)石川直樹|まれびと
10)堀江貴文|英語の多動力
11)森博嗣|作家の収支
12)鈴木敏夫|南の国のカンヤダ
13)森博嗣|森助教授VS理系大学生 臨機応答・変問自在
14)米沢敬|信じてみたい 幸せを招く世界のしるし
15)馳星周|馳星周の喰人魂
16)藤代冥砂|愛をこめて
17)佐藤優|人生のサバイバル力
18)せきしろ|1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった
19)服部文祥|息子と狩猟に
20)ブレイディみかこ|ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
21)河野啓|デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
22)幡野広志|他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。
23)内山崇|宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶
24)近藤雄生|まだ見ぬあの地へ 旅すること、書くこと、生きること
25)岸田奈美|家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
26)玉樹真一郎|「ついやってしまう」体験のつくりかた
27)村本大輔|おれは無関心なあなたを傷つけたい
28)小松由佳|人間の土地へ
29)服部文祥|サバイバル家族
30)石川直樹|地上に星座をつくる
31)加藤亜由子|お一人さま逃亡温泉
32)沢木耕太郎|深夜特急
33)ブレイディみかこぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2
34)沢木耕太郎|深夜特急第1巻・第2巻 ←今回の記事

 

深夜特急のあらすじと内容

本好きなSさん

『深夜特急』って、旅好きの人には有名な本だけど、どんな本なの?
全6巻を読み出すのはちょっと重いから、最初の1巻2巻のあらすじを教えてほしい!

以前に深夜特急の面白さと魅力を紹介した記事を書きました。
今回からは、全6巻を小分けにし、あらすじや内容、時代背景、作品の魅力について紹介していきます。






深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)

深夜特急って、どんな本?
深夜特急は、ノンフィクション作家の沢木耕太郎さんが、1970年代にインドのデリーからロンドンまでを乗り合いバスで旅をしたときのことを描いた紀行文です。

1986年に発刊された古い本ですが、今でも「バックパッカーのバイブル」と呼ばれていて、多くの旅人に影響を与えた本です。表紙もかっこいいですよね。

 

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  • 深夜特急第2巻 (マレーシア・シンガポール)←今回の記事
  • 深夜特急第3巻 (インド・ネパール)
  • 深夜特急第4巻 (シルクロード)
  • 深夜特急第5巻 (トルコ・ギリシャ・地中海)
  • 深夜特急第6巻 (南ヨーロッパ・ロンドン)

深夜特急 第1巻の目次・あらすじ・内容・ルート

深夜特急(文庫版)第1巻の目次

深夜特急 第1巻の目次
  1. 第一章 朝の光
  2. 第二章 黄金宮殿
  3. 第三章 賽の踊り

深夜特急第1巻 『第一章 朝の光』あらすじ/内容/ルート

インドのデリーで目を覚ました沢木耕太郎は、これから南下してゴアに向かおうか、北上してカシミールへ向かおうか迷っていた。
海沿いのゴアはヒッピーたちの楽園と聞いていたし、高級避暑地であるカシミールはヒマラヤを間近で見ることができる。沢木耕太郎は、いつまでもその迷いを宙吊りにしたままデリーにとどまり、その日その日を無為に過ごしていた。

日本を出てから既に半年になろうとしていた。アパートの机の引き出しに入っていた1円硬貨までをかき集め、1900ドルを持って旅に出た。
デリーからロンドンまでを乗り合いバスで行くことができるのか。3ヶ月程度の予定だった旅は、香港、東南アジアと寄り道をしているうちに、気がついたら半年が過ぎようとしていた。

春に日本を出発したはずだったが、旅の目的である「デリーからロンドンまで乗り合いバスで行く」ことのスタート地点に付いたときには、秋になっていた。

深夜特急第1巻 『第二章 黄金宮殿』あらすじ/内容/ルート

東京からデリーに向かう航空券は、2箇所のストップオーバー(経由)ができる航空券だったことを知った沢木耕太郎は、それならと香港とバンコクに寄ることにする

旅の最初に降り立った香港は、結果としてこの旅で最も心が躍った場所だった。ひょんな出会いから偶発的に泊まることになった『黄金宮殿』という名前の宿は、完全に名前負けした一泊1100円の連れ込み旅館だったが、ここでの出会いや居心地の良さが、今後の旅をより豊かなものへと変えていく。

香港って街は、なんて刺激的なんだ

廟街という通りの熱気、香港島へ渡るフェリー、出会う人々との会話。
沢木耕太郎は、旅の最初の地で、自らの旅を切り開いていく。

第二章のルート
日本→香港

深夜特急第1巻 『第三章 賽の踊り』あらすじ/内容/ルート

香港から船に1時間乗り、入国カードを記入して25パタカを支払うとマカオに着く。
ポルトガル領のマカオは、当時からカジノの街として知られていた。沢木耕太郎は、そこで大小というゲームと出会う。

三つのサイコロを転がして、10までを小、11以上を大とする賭けを基本に、賽の目をピタリと当てたり、合計数を当てたりと様々なルールがあるゲームを興味深く眺めていると、吸い込まれるように賭けを始めていた。

最初は5香港ドルを賭けていたゲームが、100ドルを賭けるようになっていき、とんでもなく負け始めていく。沢木耕太郎はマカオでこの旅が終わってもいいとまで思うようになっていく。

深夜特急の名場面と称されるマカオでのカジノは必見。

第三章のルート
香港⇔マカオ

深夜特急(文庫版)第1巻の感想

バックパッカーのバイブルとして語り継がれている不朽の名作が、その評価を得た理由は1巻の第一章『朝の光』にあると思います。

この第一章は、旅に出始めてから半年近くが経ったインドのデリーからスタートします。ここでの過ごし方の表記が、沢木耕太郎の深夜特急の旅を象徴していて、なんでもない1日を無為に過ごす光景とそれをなんとも魅力的に表現する手法に、多くの旅人が憧れたことだろう。

自分の知らない土地で、自分のことを誰も知らない世界で、なにかをしなければいけないという縛りのない世界を生きること。

そんな意味のない旅に、大きな意味を持つことに気づかせてくれたことが、深夜特急の大いなる功績だと思います。

そんな1巻・第一章の描写です。

帰りは少し披露を覚え、宿の近くまでバスに乗る。超満員のバスにどうにかもぐり込み、かろうじて片手で手すりを掴み、振り落とされないように必死でしがみつく。降りると、さらに披露が激しくなっているのに気が付き、思わずひとり苦笑してしまう。そこで、バザールの入口でささやかな店をはっているジュース屋に寄り、マンゴーをしぼってもらう。私にとっては、一日のほとんど唯一の贅沢が、この夕暮れに飲むジュース一杯であることが少なくなかった。
宿に戻り、ベッドの上で少し休み、陽が沈んでいくらか涼しくなりかかった頃、バザールの食堂に夕飯を食べに行く。
決まって食べるのは七十円ほどの定食である。一枚の大皿の上にすべてがのっかっている簡単なものだ。カレーというよりは野菜の煮込み汁といった方が理解しやすい主催と、チャパティか米飯。あとは、日本の一膳飯屋の定食でいえば味噌汁にあたるダール、沢庵のような役割をもつ生タマネギの切れはし、それにヨーグルトというよりは乳酸飲料に近いダヒーなどがついてくる。
とにかく、そのようにして眼の前に置かれた一日の最初にして最後の豪華な正餐を、まず眼に与え、次に右手の三本の指に味わわせ、それからようやく舌の上に運ぶ。

<深夜特急1巻/沢木耕太郎 より引用>

言葉をひとつ覚えるだけで、乗物にひとつ乗れるようになるだけで、これほど自由になれるとは思ってもいなかった

深夜特急 第2巻の目次・あらすじ・内容・ルート

深夜特急(文庫版)第2巻の目次

深夜特急 第2巻の目次
  1. 第四章 メナムから
  2. 第五章 娼婦たちと野郎ども
  3. 第六章 海の向こうに

深夜特急第2巻 『第四章 メナムから』あらすじ/内容/ルート

香港からバンコクへ向かった沢木耕太郎は、空港から市街へ向かうバスに乗るときに出会った青年に連れられ、一泊6ドル50セントの部屋を値切って5ドルで宿泊する。

部屋の安さを喜んだものの、その宿はまたしても連れ込み宿で、「女はいらないか?」と夜中に何度も部屋をノックされては起こされる。

感じのいい姉妹が切り盛りする屋台で75円のうどんを食べられると思ったら、それ以降は話しかけてこなくなるし、町で出会った男性の家でおいしい手料理を頂いたかと思ったら言い争いをして別れてしまう。

バンコクへ来てからどうにもしっくりこない日々が続く。どうも、うなくいかない。
マレー半島を南下し、シンガポールへ向かうことを決める。

第四章のルート
香港→マカオ→バンコク

深夜特急第2巻 『第五章 娼婦たちと野郎ども』あらすじ/内容/ルート

バンコクを後にした沢木耕太郎は、マレー半年を南下していくつかのタイの町に寄り、マレーシアに入国する。

香港でオススメされたペナンに着くと、一階がバーの怪しげな宿「同楽旅社」に案内される。そこはやはり、1階のバーで娼婦と交渉し、2階の部屋へ行くという連れ込み宿だった。しばらく宿泊していると、6人の女性にはそれぞれ6人のヒモ男がいて、彼らは一日中暇そうに過ごしている沢木耕太郎と仲良くなっていく。

週末になると宿は賑わって娼婦は仕事をし、部屋の前にハンモックをつけて自分の女が別の男と寝ている部屋の前で寝ているヒモ男を見て、沢木は驚きを通り越して感動すら覚えるようになる。

第五章のルート
バンコク→チュムポーン→スランタニー→ハジャイ→パタワース→ペナン→マラッカ

深夜特急第2巻 『第六章 海の向こうに』あらすじ/内容/ルート

シンガポールに到着した沢木耕太郎は、いつものように宿探しをするも、1泊1000円以上する宿ばかりでなかなか決められない。
そんな時に、ふと二人連れの白人バックパッカーが歩いているので声をかけると、彼らが泊まっている800円程度の南海旅社という宿を紹介してもらう。そのバックパッカーたちと食事を共にしながら話をしていると、オーストラリア人の二人は旅を始めてまだ一ヶ月程度ということがわかった。

沢木耕太郎は、そんな若者たちに先輩風を吹かせながら、路地で地元民が飲んでいるサトウキビジュースを飲んだり、粥を食べたりする。まだ地元の食事をあまり食べていなかった二人は、そんな姿を呆然とした目つきで見つめる。
その時に、沢木は二人に「どのくらいの期間で旅をするつもりなの?」と質問をしたことで、自分の旅の未来について考えることになる。

シンガポールでは知人に紹介してもらった日本人家族と出会い、毎日のように昼食をごちそうになりながら快適な日々を過ごしていたが、ふと物足りなさを感じるようになる。

シンガポールは香港とは違う。
沢木はそのことに気づいたことで、なぜシンガポールが自分にとって退屈でつまらないものなのか原因がわかるようになった。

第六章のルート
マラッカ→シンガポール

沢木耕太郎さんの著書『深夜特急 第1巻・第2巻』まとめ

深夜特急は、「インドのデリーからイギリスのロンドンまでを乗り合いバスで行く」をテーマに、1970年代に著者の沢木耕太郎さんが、ユーラシア大陸横断の旅をした話です。

文庫本では全6巻と長い印象がありますが、1巻200ページほどと文量は薄く、各巻ごとに国や文化が異なるのでとても楽しめるかと思います。

  • 深夜特急第1巻 (香港・マカオ)←今回の記事
  • 深夜特急第2巻 (マレーシア・シンガポール)←今回の記事
  • 深夜特急第3巻 (インド・ネパール)
  • 深夜特急第4巻 (シルクロード)
  • 深夜特急第5巻 (トルコ・ギリシャ・地中海)
  • 深夜特急第6巻 (南ヨーロッパ・ロンドン)

現地の方と出会ったり、ギャンブルにはまったり、騙されそうになったり、嬉しい瞬間に立ち会ったりしながら、沢木さんが旅をする中で、自分自身の旅を構築していきます。

1巻、2巻はまだそのスタートにも到達していませんが、見どころがたっぷりあります。
ぜひ読んでみてください。



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