「おれは無関心なあなたを傷つけたい|村本大輔」を読んで考えた

この記事は、ダイヤモンド社から出版された村本大輔さんの著書「おれは無関心なあなたを傷つけたい」について書いている記事です。
村本大輔さんは、吉本興業所属の芸人です。2017年よりテレビに出なくなることを決め、被災地・原発・米軍基地など訪れてはネタをつくり、舞台で活躍している方です。

 

本を読むのはダルいなあという人は、下で紹介している彼のドキュメンタリー調のyoutubeだけでも見てみてください。
書評記事」をカテゴリーで分類していて、様々なジャンルの本を単体で紹介しています。本が好きな方はぜひ読んでみてください。

書評記事一覧
1)角幡唯介|エベレストには登らない
2)菅俊一・高橋秀明|行動経済学まんが ヘンテコノミクス
3)中田敦彦|中田式ウルトラ・メンタル教本
4)戸田和幸|解説者の流儀
5)石川直樹|この星の光の地図を写す
6)岸見一郎|哲学人生問答
7)渡邊雄太|「好き」を力にする
8)高橋源一郎|ぼくらの文章教室
9)石川直樹|まれびと
10)堀江貴文|英語の多動力
11)森博嗣|作家の収支
12)鈴木敏夫|南の国のカンヤダ
13)森博嗣|森助教授VS理系大学生 臨機応答・変問自在
14)米沢敬|信じてみたい 幸せを招く世界のしるし
15)馳星周|馳星周の喰人魂
16)藤代冥砂|愛をこめて
17)佐藤優|人生のサバイバル力
18)せきしろ|1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった
19)服部文祥|息子と狩猟に
20)ブレイディみかこ|ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
21)河野啓|デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
22)幡野広志|他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。
23)内山崇|宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶
24)近藤雄生|まだ見ぬあの地へ 旅すること、書くこと、生きること
25)岸田奈美|家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
26)玉樹真一郎|「ついやってしまう」体験のつくりかた
27)村本大輔|おれは無関心なあなたを傷つけたい  ←今回の記事
28)小松由佳|人間の土地へ
29)服部文祥|サバイバル家族
30)地上に星座をつくる|石川直樹
31)加藤亜由子|お一人さま逃亡温泉
32)沢木耕太郎|深夜特急
33)ブレイディみかこ|ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2

【書評】「おれは無関心なあなたを傷つけたい|村本大輔」とは、どんな本?


おれは無関心なあなたを傷つけたい

お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーとして活躍している村本大輔さんの著作本です。

Twitterにも書きましたが、愚直に自分の信じたことを、自分の頭で考えて、行動している人はかっこいいですよね。

テレビで悪ふざけしていて性格の悪そうな村本大輔さんを嫌いだった方も、きっと彼の違った一面を感じられる一冊です。めちゃくちゃ面白かった。

 

質問

ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが、どんな本を書いたの?

そう、芸人の村本大輔さんが、どんな本を書いたかについて、まずは簡単に解説します。

ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんは、子どもの頃から憧れていたテレビに自ら出ないことを選択した。その背景には、ある「違和感」を覚えたからだった。
テレビから離れた村本さんは、被災地、原発、米軍基地などを訪れ、「知ること」の楽しさを知っていく。
自分の目で見た光景や出会った人々からネタを作り、舞台に立ち、1年に一度THE MANZAIというテレビ番組に出演し、漫才を披露する。
そして、今度はアメリカを挑戦の舞台に決め、日々もがきながら自分の目で見た光景をネタにしていく。

本書は、被災地、原発、米軍基地、在日朝鮮人など、様々な現場に村本さんが訪れ、そこで人々と出会うことで感じた想いを綴った本です。

【書評】「おれは無関心なあなたを傷つけたい」著者の村本大輔さんとは?

村本大輔さんとは?

1980年生まれ。
ウーマンラッシュアワーというコンビのお笑い芸人で、相方は中川パラダイスさん。
2013年に開催されたTHE MANZAI 2013で優勝。その後は、テレビに引っ張りだこの芸人となるが、2017年より自らテレビの世界から姿を消す。

 

僕が本書に興味をもったのは、youtubeで村本大輔さんの活動を知ったからです。

被災地や基地などを訪れる様子をドキュメンタリー調で撮影している映像で、その美しさに見入ってしまったことがキッカケでした。

 

【書評】「おれは無関心なあなたを傷つけたい」|村本大輔」の感想

村本さんは時に過激な発言をして炎上することがあります。

ただ、僕は彼が素直に「なんでダメなの?」と問う姿勢に、とても好感をもちます。

世の中にはたくさんの思想やタブーがあって、臭いものに蓋をする傾向が強くある中、自分の好奇心に惹かれたまま、知らないことを知らないから教えてほしいと問う姿勢は、とてもかっこよく映る。

そして、そこから彼がなにか感じたことを発信することは、正しいか正しくないかはさておき、彼個人の思想なのでなんでもよいですよね。だって、彼がそう感じたんだから。

では、なにに僕が好感をもつかというと、第三者の僕たちが、そこから自分自身はどう思うのかのキッカケを与えてくれることです。
その問題提起から、なにを感じるかが大切なのかなと思っていて、そのトリガーとなるキッカケをくれるところが好感をもちます。

この本は、あなたに「思考」や「行動」を与えるキッカケとなる本です。

 

【書評】「おれは無関心なあなたを傷つけたい』|村本大輔」の名言・名文を紹介

僕は本を読んだら気になった文章をノートに書き記す習慣を、もう15年近く続けています。

インプットの吸収率が圧倒的に上がるし、なにより目に見える形で記録されていくことが自分の自信になる。
そんなサイクルが好きで、コツコツと本から気になったことばを集めています。

本書から気になった文章を紹介します。

コメンテーターに元NHKアナウンサーの堀潤と言うジャーナリストがいた。
彼は飲みに誘ってくれ、その日から定期的に原発や沖縄の基地の話を聞かせてもらった。
彼との勉強は楽しかった。俺の子供のようなシンプルな質問に「面白い視点ですね」「いいポイントですね」と言ってくれた。
その時に子どもの頃からのトラウマだった「聞くこと」「知ること」の楽しさを知った。
何回手をあげても笑われないし、どれだけ掘り下げて聞いても答えてくれ、時には、わからないから一緒に考えようと言ってくれたからだ。
褒められると聞くのが楽しくなった。僕はその言葉が好きだ。

堀潤さんは、「東京の空」という番組で密着取材をされていて、「小さな主語で語ること」という言葉がとても印象的だった。

「福島は」「被災地は」「中国は」
こういった大きな主語ではなく、「福島の並木町に住む◯◯さんは」と、主語を小さくしていくことで、よりその想いが鮮明になると語っていた。

というのは、「被災地」という側面で考えたとして、「福島」の南相馬と会津では全く被災度合いが異なるわけで、それを「福島」とくくったら、会津の農家にとってはそこで括らないでほしい、という思いになったりする。

だから、「小さな主語を使って、自分は報道したい」という想いが、とても優しくうつった。


わたしは分断を許さない

 

例えば俺とあなたが福島に行き、福島の漁師さんに処理水の話を聞いたとしたら、僕には漁師さんが怒っているように見えても、あなたには悲しんでいるように見えるかもしれない。
あなたは誰かの本を読み、その物語を自分の物語のように、自分の頭の本棚に入れて、知った気になっているだけだ。それはとてももったいないと思う。あなたが福島の原発に行ったら、その景色も俺とは違って見えるだろう。僕には僕の目線、あなたにはあなたの目線。心の動くものも様々。
僕は「私も感じたい」というきっかけでしかない。 

ネットで調べて情報を知る事はできるけど、そんなインスタントなものでは、心は動いたふりしかしない。

この文章が、この本に書かれていることの大きな部分だと思う。

僕は村本大輔さんが見た目線を知りたいと思ったから、この本を読んだ。

自分が作った笑いは、パスポートのようにあっちこっちに連れて行ってくれる。勉強もスポーツもできず、たいして面白くもない僕を、このパスポートは日本一の漫才を決める大会の頂点に連れて行ってくれ、テレビの中に連れて行ってくれ、大好きなテレビスターの目の前に連れて行ってくれ、さらには可愛い女の子とのベッドの中にまで連れて行ってくれた。
そして今回、そのパスポートはアメリカで見たことのない景色に連れて行ってくれた。そんなことを実感した1ヶ月だった。

「おれは無関心なあなたを傷つけたい」|村本大輔の書評まとめ

なにかに愚直に挑戦する姿はかっこいい。
特に「安定していた地位」にドシっと座るのではなく、自分の興味のままにまっすぐ行動していくところが、とても素敵だと思う。

ここに書かれていることは様々な問題の側面ではあるけれど、村本大輔さんが実際に目にして彼の視点から感じた「事実」でもある。

その問題と向き合いながら「自分の感じたことを知る」作業がとても楽しいんだと思う。
「問題を楽しむなんて不謹慎だ」と感じる人がいるかもしれないけれど、見ないふりをするよりよっぽど健全に感じる。

 

この本は僕が、改めて「かっこいい」について考えるきっかけとなった。
とても面白い本なので、オススメです。本を読むのはダルいなあという人はyoutubeだけでも見てみてください。

「おれは無関心なあなたを傷つけたい」の評価
面白さ
(4.5)
吸収できた言葉
(4.0)
デザインの美しさ
(4.0)
総合評価
(4.5)

 

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せっかく読んだ本をインプットしておくだけでなく、アウトプットすることで、その本からなにを得て、なにを感じたかをまとめています。
話題の本、僕が興味のある本、オススメの良書を記事としてまとめていきます。

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