自分らしく生きる絵本『わたしはあかねこ』あらすじと読書感想文

名作絵本『わたしはあかねこ』読書感想文

この記事は絵本『わたしはあかねこ』のあらすじと読書感想文を綴っています。

わたしはあかねこ』は、自分らしく生きることをテーマにした絵本で、「家族や性別や国籍にとらわれることなく、自分らしく生きていいんだよ」というメッセージが込められた素晴らしい作品です。


自分自身を見失ったり自信がなくなってしまっている方は、この絵本に救われることがきっとあるだろう傑作絵本です!

絵本「わたしはあかねこ」は本棚に並べて、子どもがいつでも読み返せるところに置いておこうと決めました。

自分らしく生きていく傑作絵本

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自分らしく生きる絵本『わたしはあかねこ』要約・あらすじ

自分らしく生きることをテーマとした絵本『わたしはあかねこ』のあらすじを紹介し、要約します。

『わたしはあかねこ』あらすじと要約

  • 白ネコと黒ネコの両親から5匹の白色黒色のネコが生まれたが、1匹だけ赤ネコが生まれた

  • 「どうしてこの子だけ色が違うんだろう」と悩んだ親ネコは、赤ネコを白や黒にしようとしたが、赤ネコ本人は自分の赤色を気に入っていて迷惑だった

  • 「自分らしさをわかってくれないのは悲しい」と、赤ネコは家を飛び出して色々な町を旅した中で、青ネコと出会った。青ネコは赤ネコの毛色をたくさん褒めてくれた

  • 赤ネコと青ネコから子どもが生まれた

『わたしはあかねこ』は、「自分だけが違う」という環境の中で生きてきた赤ネコが、自分自身を見失いそうになりながらも、環境を変えたことで、自分の良さをわかってくれる相手と出会い、自分らしく生きていくという絵本です。

『わたしはあかねこ』の絵・イラストは西村敏雄さん

絵本『わたしはあかねこ』の絵・イラストは西村敏雄さんが描いています。


『わたしはあかねこ』で描かれたイラストを数ページ紹介します。

絵本『わたしはあかねこ』で赤いネコが生まれた場面
赤いネコが生まれた場面
絵本『わたしはあかねこ』で他と違うことを矯正しようとする場面
他と違うことを矯正されそうになる場面
絵本『わたしはあかねこ』で自分らしく生きられない環境を飛び出して、新しい環境を求めて旅をする場面
自分らしく生きるために旅をする場面
絵本『わたしはあかねこ』で自分の個性を褒めてくれる青ネコと出会った場面
自分の個性を褒めてくれる青ネコと出会った場面


西村敏雄さんは『アントンせんせい』や『バルバルさん』など、丸っこくて可愛いイラストが特徴の、我が家でも人気の絵本作家です。

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西村敏雄さんの絵本は、我が家の娘が3歳のときに読んだ絵本から面白かった50冊を選んだときに3冊も選書されているので、子どもにとっても親しみやすい絵本作家ですね。

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自分らしく生きる絵本『わたしはあかねこ』読書感想文

僕が『わたしはあかねこ』を読んだ中で印象に残ったいくつかのエピソードと読書感想文を書きます。


『わたしはあかねこ』は自分らしく生きることをテーマとしていて、子どもはもちろん、大人が読んでも心に響く名作絵本なので、ぜひ手にとって読んでみてください。

「自分らしさ」「アイデンティティ」を否定されたときに読む絵本

絵本『わたしはあかねこ』で他と違うことを矯正しようとする場面
他と違うことを矯正されそうになる場面

『わたしはあかねこ』は、「自分らしさ」「自分のアイデンティティ」を否定されたときに読むことをオススメしたい絵本です。



物語は白色と黒色の両親ネコから5匹の子ネコが生まれた場面から話がはじまります。


4匹の子ネコは白色や黒色なのに、1匹だけ赤色のネコが生まれたことで、父さんネコと母さんネコが「どうしてあの子ネコだけ色が違うんだろう」と悩み、そんな両親の悩みを当事者である赤ネコが強く感じるわけです。


赤ネコ自身は自分の赤色がきれいでかわいいから好きなのに、両親は「あなただけ他の子と違ってかわいそう」と接するようになり、白や黒になるように求めていないおせっかいをされ、自分自身を否定されるんですね。


もちろん、赤ネコは自分自身を否定されたことに深く傷つき、悩む。
これは辛い。

『よかれと思って』されるおせっかいや感情で、自分の存在を否定される辛さ…。
実生活でもありますよね。。。

「よかれと思って」は悪意がないだけにたちが悪いことが多く、心を傷つける場面は多くありますよね。


自分の容姿や、性別、国籍で悩む方など、同じような経験をしてきた方も多くいるんじゃないかな。

環境を変えたいときに読む絵本

絵本「わたしはあかねこ」自分自身を否定されることは悲しいと感じる場面
自分をわかってくれない悲しさを感じる場面

『わたしはあかねこ』は、居心地の悪さを感じて環境を変えたいときに読むことを強くオススメしたい絵本です。




家族であれ、職場であれ、誰しもがコミュニティに属しているかと思うのですが、そのコミュニティにどうしようもない違和感や居心地の悪さを感じてしまったときに、環境を変えるという選択肢をもてることは勇気がいることで、なかなか行動に移そうと思っても簡単ではないですよね。


でも、赤ネコは、自分自身を守るために、大好きな家族から離れる決断をします。
その描写がなんとも泣ける。

やさしいみんなは大好きだけど、
わたしらしさをわかってくれないのは、悲しい。

自分を生んでくれた両親や兄弟のことは絶対的に好きだけど、自分を否定され続ける環境が居心地わるい。

自分らしく生きられないのは悲しい。


『みんなのことは大好きだけど、自分をわかってくれないのは悲しい』という描写は、あまりに切ないですよね。

でも、この場面もやっぱり実生活に存在しています

結婚したけれど、妻や夫から自分自身を否定され続けること
職場で仕事がうまくいかなくて、存在を否定されること
同性が好きで、まるで病気のように扱われてしまうこと



挙げればキリがないけれど、「自分をわかってくれない」という状況は現実世界にもたくさんあって、赤ネコのように環境を変える人や、今の環境に留まって苦しい思いをしている人もたくさんいるはずです。

絵本『わたしはあかねこ』で自分らしく生きられない環境を飛び出して、新しい環境を求めて旅をする場面
自分らしく生きるために旅をする場面

自分の存在を認めてもらえずに自信をもてない時に読む絵本

絵本『わたしはあかねこ』で自分の個性を褒めてくれる青ネコと出会った場面
自分の個性を褒めてくれる青ネコと出会った場面

『わたしはあかねこ』は、自分の存在を認めてもらえなくて自信をもてない時に強くオススメしたい絵本です。


環境を変えることで時々寂しい思いをすることがあるけど、自分自身を認めてくれる人や場所と出会える可能性だってあります。


赤ネコは自分のアイデンティティである赤色の毛色を、否定され続けてきました。
それも大好きな家族に。

家族は大好きだけど離れる決断をして環境を変えたことで、赤ネコはこれまで否定され続けてきた赤色の毛を褒めてくれるネコと出会います。


赤ネコのもつ赤色は全く変わってないのに、環境が変わったことで、それを長所として褒めてくれる存在がいること。
この物語は、その存在や場所があることを教えてくれていて、とても勇気がでます。

今いる場所で認められなかったとして、あなたの存在を認めてくれる場所がきっとある
自分に自信がなくなったときに、ぜひ読んでほしい絵本です

結末が最高の絵本『わたしはあかねこ』

『わたしはあかねこ』は、赤ネコと青ネコに子どもが生まれるのですが、最後の結末が最高の絵本です。


この結末は書こうかどうか迷いましたが、あえて書かないでおきます。

絵本の最後のページで終わるのではなく、絵本を閉じた表紙裏も合わせて読んでくださいね!

本当に最高の結末ですよ!
僕はこの絵本が大好きです。

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『わたしはあかねこ』自分らしく生きたい人のための絵本まとめ

『わたしはあかねこ』は、自分らしく生きたい人のための絵本です。


「自分らしさ」「アイデンティティ」を否定されたとき、環境を変えたいとき、自分の存在を認めてもらえずに自信をもてない時に、きっと絵本『わたしはあかねこ』はあなたの心により響くでしょう。に


最初にも書きましたが、僕はこの絵本を本棚に並べて、娘がいつでも見られるようにしておきたいと思いました。




大人にオススメしたい絵本を紹介した記事がありますが、2023年になったらベスト50を更新する予定でいます。


わたしはあかねこ』は、その時には必ず上位にランクインする絵本なのは間違いなく、もしかすると一位にするかもしれません。

ぜひ読んでみてください!

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本の読書感想文一覧まとめ

この記事のように「どこよりも詳しい読書感想文」を書いています。

例えば、今作「わたしはあかねこ」は広義で言えば多様性」をテーマとした本ですよね。


「多様性」をテーマとした本の読書感想文としては、ブレイディみかこさんの人気本『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』や続編の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』も書きました。


これまでの読書感想文一覧をリンクとして貼っておきますので、興味のある本があればぜひ読んでみてください!

どこよりも詳しい読書感想文の総まとめ|読みたい本が見つかる
読書感想文一覧
1)角幡唯介|エベレストには登らない
2)菅俊一・高橋秀明|行動経済学まんが ヘンテコノミクス
3)中田敦彦|中田式ウルトラ・メンタル教本
4)戸田和幸|解説者の流儀
5)石川直樹|この星の光の地図を写す
6)岸見一郎|哲学人生問答
7)渡邊雄太|「好き」を力にする
8)高橋源一郎|ぼくらの文章教室
9)石川直樹|まれびと
10)堀江貴文|英語の多動力
11)森博嗣|作家の収支
12)鈴木敏夫|南の国のカンヤダ
13)森博嗣|森助教授VS理系大学生 臨機応答・変問自在
14)米沢敬|信じてみたい 幸せを招く世界のしるし
15)馳星周|馳星周の喰人魂
16)藤代冥砂|愛をこめて
17)佐藤優|人生のサバイバル力
18)せきしろ|1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった
19)服部文祥|息子と狩猟に
20)ブレイディみかこ|ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
21)河野啓|デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
22)幡野広志|他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。
23)内山崇|宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶
24)近藤雄生|まだ見ぬあの地へ 旅すること、書くこと、生きること
25)岸田奈美|家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
26)玉樹真一郎|「ついやってしまう」体験のつくりかた
27)村本大輔|おれは無関心なあなたを傷つけたい
28)小松由佳|人間の土地へ
29)服部文祥|サバイバル家族
30)石川直樹|地上に星座をつくる
31)加藤亜由子|お一人さま逃亡温泉
32)沢木耕太郎|深夜特急
33)ブレイディみかこぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2|
34)沢木耕太郎|深夜特急第1巻・第2巻
35)沢木耕太郎|深夜特急第3巻・第4巻
36)いとうせいこう|国境なき医師団を見に行く
37)ちきりん|「自分メディア」はこう作る!
38)村上春樹|村上T 僕の愛したTシャツたち
39)鈴木賢志|スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む
40)沢木耕太郎|深夜特急第5巻・第6巻
41)落合陽一|0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書
42)早坂大輔|ぼくにはこれしかなかった。BOOKBERD店主の開業物語|
43)小永吉陽子|女子バスケットボール東京2020への旅
44)辻山良雄・nakaban|ことばの生まれる景色
45)岡田悠|0メートルの旅
46)トム・ホーバス|チャレンジング・トム
47)長谷川晶一|詰むや、詰まざるや 森・西武VS野村・ヤクルトの2年間
48)田中孝幸|13歳からの地政学
49)国分拓|ガリンペイロ
50)サトシン・西村敏雄|わたしはあかねこ
51)林木林・庄野ナホコ|二番目の悪者
52)サトウマサノリ|わけあって絶滅したけど、すごいんです