『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー|ブレイディみかこ 』あらすじと感想【書評】

この記事では、新潮社から出版されている「ブレイディみかこさんの著書『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の書評記事」です。
2020年に読んだ本の中で、最も面白かった本です。

 

書評記事」をカテゴリーで分類していて、様々なジャンルの本を紹介しています。本が好きな方はぜひ読んでみてください。

書評記事一覧
1)角幡唯介|エベレストには登らない
2)菅俊一・高橋秀明|行動経済学まんが ヘンテコノミクス
3)中田敦彦|中田式ウルトラ・メンタル教本
4)戸田和幸|解説者の流儀
5)石川直樹|この星の光の地図を写す
6)岸見一郎|哲学人生問答
7)渡邊雄太|「好き」を力にする
8)高橋源一郎|ぼくらの文章教室
9)石川直樹|まれびと
10)堀江貴文|英語の多動力
11)森博嗣|作家の収支
12)鈴木敏夫|南の国のカンヤダ
13)森博嗣|森助教授VS理系大学生 臨機応答・変問自在
14)米沢敬|信じてみたい 幸せを招く世界のしるし
15)馳星周|馳星周の喰人魂
16)藤代冥砂|愛をこめて
17)佐藤優|人生のサバイバル力
18)せきしろ|1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった
19)服部文祥|息子と狩猟に
20)ブレイディみかこ|ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー←今回の記事
21)河野啓|デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
22)幡野広志|他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。
23)内山崇|宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶
24)近藤雄生|まだ見ぬあの地へ 旅すること、書くこと、生きること
25)岸田奈美|家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
26)玉樹真一郎|「ついやってしまう」体験のつくりかた
27)村本大輔|おれは無関心なあなたを傷つけたい
28)小松由佳|人間の土地へ
29)服部文祥|サバイバル家族
30)地上に星座をつくる|石川直樹
31)加藤亜由子|お一人さま逃亡温泉
32)沢木耕太郎|深夜特急
33)ブレイディみかこ|ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー|ブレイディみかこ』とは?内容・あらすじ

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー|ブレイディみかこ

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

2019年ノンフィクション本大賞を受賞したブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」について書評記事を書きます。

ノンフィクション本大賞とは?
ノンフィクション本のおもしろさや豊かさをもっと体験して欲しいと、本屋大賞とヤフー株式会社の協力により、要望の高かったノンフィクションを対象にした賞。2018年に新設されたこの賞は、過去の受賞作として、このブログでも【2018年】本当に読んでよかったオススメ本ランキング11で1位に認定した「極夜行|角幡唯介」がある。

物語の舞台は、イギリス人の父親と、日本人の母親から生まれた中学生の「ぼく」が、イギリスで暮らす中で起こる日々を綴った作品です。
その中で直面する人種差別、ジェンダーの悩みや貧富の差、自分のアイデンティティ…。
1つ1つの出来事に直面するたびに「ぼく」や母が考え、それぞれの視点が増えていくことで、読者である僕自身も考えるようになっていくような引き込まれていく作品です。

この物語の舞台はイギリスですが、決して対岸の話ではなくて、世界で、日本で、僕の暮らす街で、家の周りで少しずつ形を変えながら起こっていることでもあります。作品が展開していく度に、きっとあなたの世界とリンクしていくはずです。

この作品は、きっと永久に読まれ続けるだろう作品です。ぜひ読んでほしい。

 

この本は、僕が2020年に読んだ本の中で、最も面白かった本です。続編も出版されているので、ぜひ読んでみてください!


ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

また、面白いエッセイとしても紹介記事を書いていますので、興味のある方は読んでみてください。

ブレイディみかこ|「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の名言・名文を紹介する

僕は本を読んだら気になった文章をノートに書き記す習慣を、もう15年近く続けています。

【15年間実施してきた完全版】語彙力を伸ばす読書術

インプットの吸収率が圧倒的に上がるし、なにより目に見える形で記録されていくことが自分の自信になる。
そんな効果があるので、本書から気になった文章を紹介します。

 

今どき黒人とジャングルやモンキーを結びつけるなんて、ずいぶん古式ゆかしいフレーズだなと思った。子ともがこういう時代錯誤なことを言うときは、たいていそう言っている大人が周りにいる、と言うのが私の経験則だ。

子どもは大人の真似をしながら育つ。
子育てをしていると、本当に強くそれを実感します。

 

頭が悪いってことと無知ってことは違うから。知らないことは、知るときが来れば、その人は無知ではなくなる。

 

そう言って笑っている息子を見ていると、彼らはもう、親のセクシャリティがどうとか家族の形がどうとかいうより、自分自身のセクシャリティについて考える年頃になっているのだと気づいた。さんざん手垢のついた言葉かもしれないが、未来は彼らの手の中にある。世の中が退行しているとか、世界はひどい方向に向かっているとか言うのは、多分彼らを見くびりすぎている。

そう思うだけの頼もしさみたいなものが、今を生きている少年たちにはありました。

彼らは世界を体験的に学び、その中には不条理さや、やるせなさに直面する場面もあるのですが、その経験からなにかを感じ、自分の言葉として学びとっていく姿は頼もしくあります。

未来を作っていくのは子どもたちで、彼らの手の中にあるのだから。

【書評】ブレイディみかこ|「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」読書感想文

少年の通う学校では「シチズンシップ」の授業があります。
その授業では人種差別や世界の文化、LGBTQや政治活動について学ぶのですが、その授業で習ったことを実世界で体験する場面が多々でてきます。

例えば、LGBTQについての授業を受けた日の帰り。

12歳になった4人の友人たちの中で「ぼく」とAくんは「異性が好きだ」と話していた。
「当たり前だ、異性以外ありえない」とムキになったBくんもいました。
そんな中、「ぼくはまだわからない」と言ったCくんがいた。

Bくんは、最初ショックそうな様子をしていたのだけれど、Cくんがあまりにクールで冷静に話したものだから、それに気圧されたように「時間をかけて決めればいいよ」なんて言った。
そんな様子のBくんがおもしろかったと母に話す「ぼく」

これ、すごくないですか?

 

日本の12歳といったら、他と違うことを極端に恐れる年代ですよね。

個性を出したいと思いつつも、他人と大きく外れることも、意見が異なることも、良しとしないような空気がある。
変に目立たないように、例え意見があったとしても黙っていることも多く、こうやって友人に「もしかすると自分は同性愛者かもしれない」と伝えられるような環境は少ないように感じます。

これは教育の力だと感じるし、とても素敵なことですよね。
それこそ「無知」は人を傷つけることを生むけれど、こうやって「知っている」だけで一つずつ視点が増えていく、まさに教育の力だと感じます。

差別、貧困、思想
この本にはこういったちょっと重たそうな事柄が散りばめられていながらも、何度でも読みたくなる作品です。

ぜひ、一度手にとってみてほしい。
きっと後世まで読まれ続ける素晴らしい一冊です。



この本の評価
面白さ
(4.5)
吸収できた言葉
(4.0)
デザインの美しさ
(4.5)
総合評価
(4.5)

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