国境なき医師団を見に行く|本の紹介と読書感想文

この記事は講談社から出版されている、いとうせいこうさんの著書「国境なき医師団」を見に行く」について書いている読書感想文です。
作家・クリエイターのいとうせいこうさんが、ハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダの国境なき医師団を取材したレポートをまとめた一冊です。この本を書いた理由がめちゃくちゃかっこよかったので最初に紹介します。
読書感想文一覧

1)角幡唯介|エベレストには登らない
2)菅俊一・高橋秀明|行動経済学まんが ヘンテコノミクス
3)中田敦彦|中田式ウルトラ・メンタル教本
4)戸田和幸|解説者の流儀
5)石川直樹|この星の光の地図を写す
6)岸見一郎|哲学人生問答
7)渡邊雄太|「好き」を力にする
8)高橋源一郎|ぼくらの文章教室
9)石川直樹|まれびと
10)堀江貴文|英語の多動力
11)森博嗣|作家の収支
12)鈴木敏夫|南の国のカンヤダ
13)森博嗣|森助教授VS理系大学生 臨機応答・変問自在
14)米沢敬|信じてみたい 幸せを招く世界のしるし
15)馳星周|馳星周の喰人魂
16)藤代冥砂|愛をこめて
17)佐藤優|人生のサバイバル力
18)せきしろ|1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった
19)服部文祥|息子と狩猟に
20)ブレイディみかこ|ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
21)河野啓|デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
22)幡野広志|他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。
23)内山崇|宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶
24)近藤雄生|まだ見ぬあの地へ 旅すること、書くこと、生きること
25)岸田奈美|家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
26)玉樹真一郎|「ついやってしまう」体験のつくりかた
27)村本大輔|おれは無関心なあなたを傷つけたい
28)小松由佳|人間の土地へ
29)服部文祥|サバイバル家族
30)石川直樹|地上に星座をつくる
31)加藤亜由子|お一人さま逃亡温泉
32)沢木耕太郎|深夜特急
33)ブレイディみかこぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2
34)沢木耕太郎|深夜特急第1巻・第2巻
35)沢木耕太郎|深夜特急第3巻・第4巻
36)国境なき医師団を見に行く←今回の記事
37)ちきりん|「自分メディア」はこう作る!
38)村上春樹|村上T 僕の愛したTシャツたち
39)鈴木賢志|スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む
40)沢木耕太郎|深夜特急第5巻・第6巻
41)落合陽一|0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書|
42)早坂大輔|ぼくにはこれしかなかった。BOOKBERD店主の開業物語|
43)小永吉陽子|女子バスケットボール東京2020への旅
44)辻山良雄・nakaban|ことばの生まれる景色
45)岡田悠|0メートルの旅
46)トム・ホーバス|チャレンジング・トム
47)長谷川晶一|詰むや、詰まざるや 森・西武VS野村・ヤクルトの2年間
48)田中孝幸|13歳からの地政学
49))国分拓|ガリンペイロ
50))サトシン・西村敏雄|わたしはあかねこ
51))林木林・庄野ナホコ|二番目の悪者

いとうせいこうさんが『国境なき医師団を見に行く』を取材した理由

一番最初に、いとうせいこうさんが、どうしてこの本を書いたのかを紹介させてください。
エピローグにその理由が書かれているのですが、このたった2ページのエピローグを読んだだけで、いとうせいこうさんのパーソナリティが伝わるし、かっこいいなと感心するし、僕自身がこの本を読みたいと感じさせられたので、紹介します。

俺は 「国境なき医師団」の広報から取材を受けた。Twitter上で知り合った傘屋さん(実際にはまだ会ったことがない)と一緒に「男日傘」と言うものを作って売り出し、 そのパテントをもらうつもりもないので「国境なき医師団」に寄付していた俺に、団が興味を持ってくれたのだ。
で、向こうから取材を受け始めて10分も経っていなかったような印象があるのだが、俺は団の活動は多岐に渡っていることを知り、そのことがあまりに外部に伝わっていないと思うやいなや、『現場を見せてもらって原稿を書いて広めたい』と逆取材の申し込みをしていたのだった。

もう、この時点でかっこいい!いとうせいこうさんの好奇心旺盛なパーソナリティが伝わってくる。

いとうせいこうさんがこの本を書いた理由が、『実際には会ったことがない人と一緒に物を作り、お金を稼ごうとしたわけではなかったからなんとなく国境なき医師団に寄付し、取材されたので話していると、国境なき医師団の活動を知り、もっと知りたいし世間に知ってもらいたいと思ったから現地へ行ってレポートした』というのだ。

かっこいい…。
微力ながら、僕もこのブログでいとうせいこうさんと国境なき医師団のことを伝えたくなったので、記事を書いています。

『国境なき医師団を見に行く』とはどんな本?著者のいとうせいこうとは?

本好きなSさん

いとうせいこうさんの『国境なき医師団を見に行く』って本は、どんな本なの?
作者のいとうせいこうさんや、内容、国境なき医師団について知りたい!

では、作者のいとうせいこうさんをご存知ですか?
タレント、小説家、ラッパーとマルチに活動している方ですね。僕が大好きなみうらじゅんさんと一緒に超絶おもしろいトークイベントをしたり、ラジオ番組をしたり、見仏記を書いたりしている方です。
博識で、ツッコミが最高で、好奇心旺盛ないとうせいこうさんの本「国境なき医師団を見に行く」が、とても熱くて素晴らしい活動を記した本だったので紹介します。

ちなみに僕はお二人のトークイベントも見に行ったことがあるし、写真家の梅佳代さんとのトークイベントも見に行ってお話を聞いたことがあります。

『国境なき医師団』とは?

それでは、『国境なき医師団を見に行く』について、あらすじや内容を紹介していきます。まずは、国境なき医師団ってなに?という方のためにHPより活動をザックリと紹介します。

国境なき医師団とは?
国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、 独立・中立・公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体。
MSFの活動は、緊急性の高い医療ニーズに応えることを目的としている。紛争や自然災害の被害者や、貧困などさまざまな理由で保健医療サービスを受けられない人びとなど、その対象は多岐にわたる。世界各地に38事務局を設置し、主な活動地はアフリカ・アジア・中東・中南米。
97%以上が民間からの寄付により成り立っている。活動地へ派遣するスタッフの募集も通年で行っている。詳しくはHPをご覧ください。

ザックリ言うと、紛争地帯や自然災害の被害者や難民に対して、中立な立場として医療を提供するという国際団体ですね。なので、その医療現場には紛争により争っている立場の方々や、難民になって命からがら逃げ込んできた方たちが医療を受けているということです。あとはHIVの蔓延やエイズの発症防止にも貢献しています。国際協力において、非常に重要な組織ですね。

『国境なき医師団を見に行く』内容やあらすじを紹介

さて、『国境なき医師団を見に行く』の内容は、いとうせいこうさんがハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダの国境なき医師団を取材したレポート本です。いとうせいこうさんの目線から見た光景、出会った人、起きている事象、紹介された現地の背景が描かれています。

ハイチでは大型ハリケーンの被災者、ギリシャでは中等やアフリカからの難民、フィリピンでは性感染症への対策、ウガンダでは南スーダンやコンゴからの難民支援といった活動について、報告してくれています。

例えば、ウガンダでは半年間で80万人が南スーダンからの難民として押し寄せている。80万人。そんな膨大な数の人が生活を失い、祖国を去り、家を焼き払われたりレイプを受けたり誘拐されたりしながら命からがら逃げ出して、隣国のウガンダにやってくる。そういった方々が不衛生な環境から感染症を引き起こさないように、又は栄養失調で命を失わないように活動しているそうです。

そこで活動している医師や看護師、職員などの団員の生き方がかっこよく、そういった人たちの側面を丁寧に拾って描いているところもまた面白い。

いとうせいこうさんはこの本の中で何度も「自分がその立場であったかもしれない」と表現しています。

『俺がその子であってもよかったし、その父親であってもよかった。そして、これを読んでいるあなたが銃弾を撃ち込まれる小さな男の子でもよかったし、あなたのかわりに彼らが命を失った世界もあり得た』と書かれていて、そう考えると、自然に彼らのために何かをしたくなるのだと言います。

いとうせいこうさんが、この活動を知った背景も偶然で、出会わない未来もあったけれど、こうやって出会ったからには、なにか自分にできることをしたくなるってのが、行動したいとうさんが言うことで更に心が動かされます。

難民については、シリアの動乱を内部から描いた「人間の土地へ」がとても興味深い一冊なので、興味のある方はぜひ読んでみてください!

『国境なき医師団を見に行く』読書感想文まとめ

僕自身も『国境なき医師団』について、聞いたことはあったけれど活動の多くを知らなかったので、いとうせいこうさんのレポートを読むことで概要を知るキッカケになったことがよかったです。

『自分の力を、誰かのために使う』という行為の美しさを考えられる一冊となります。続編である「ガザ、西岸地区、アンマン 「国境なき医師団」を見に行く」もあるそうなので、読んでみたいと思います。興味をもった方はぜひ、読んでみてください!

また、他にもオススメの本をジャンルごとに紹介している記事もあるので、本好きな方は読んでみてください!
https://himatsubushi23.com/books23/


(続編)ガザ、西岸地区、アンマン 「国境なき医師団」を見に行く

書評記事一覧
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12)鈴木敏夫|南の国のカンヤダ
13)森博嗣|森助教授VS理系大学生 臨機応答・変問自在
14)米沢敬|信じてみたい 幸せを招く世界のしるし
15)馳星周|馳星周の喰人魂
16)藤代冥砂|愛をこめて
17)佐藤優|人生のサバイバル力
18)せきしろ|1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった
19)服部文祥|息子と狩猟に
20)ブレイディみかこ|ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
21)河野啓|デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
22)幡野広志|他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。
23)内山崇|宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶
24)近藤雄生|まだ見ぬあの地へ 旅すること、書くこと、生きること
25)岸田奈美|家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
26)玉樹真一郎|「ついやってしまう」体験のつくりかた
27)村本大輔|おれは無関心なあなたを傷つけたい
28)小松由佳|人間の土地へ
29)服部文祥|サバイバル家族
30)石川直樹|地上に星座をつくる
31)加藤亜由子|お一人さま逃亡温泉
32)沢木耕太郎|深夜特急
33)ブレイディみかこぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2|
34)沢木耕太郎|深夜特急第1巻・第2巻
35)沢木耕太郎|深夜特急第3巻・第4巻
36)いとうせいこう|国境なき医師団を見に行く
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38)村上春樹|村上T 僕の愛したTシャツたち
39)鈴木賢志|スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む
40)沢木耕太郎|深夜特急第5巻・第6巻
41)落合陽一|0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書|
42)早坂大輔|ぼくにはこれしかなかった。BOOKBERD店主の開業物語|
43)小永吉陽子|女子バスケットボール東京2020への旅
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45)岡田悠|0メートルの旅
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47)長谷川晶一|詰むや、詰まざるや 森・西武VS野村・ヤクルトの2年間
48)田中孝幸|13歳からの地政学
49))国分拓|ガリンペイロ
50))サトシン・西村敏雄|わたしはあかねこ
51))林木林・庄野ナホコ|二番目の悪者

興味のある本があれば、書評を読んでみてください。