ブレイディみかこ|「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 」を読んで考えた

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書評記事を書いています

せっかく読んだ本をインプットしておくだけでなく、アウトプットすることで、その本からなにを得て、なにを感じたかをまとめています。
話題の本、僕が興味のある本、オススメの良書を記事としてまとめていきます。

20冊目は、ブレイディみかこ著書「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」について書いてみる。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー|ブレイディみかこ の書評記事

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー|ブレイディみかこ

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

2019年ノンフィクション本大賞を受賞したブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」について書評記事を書きます。

ノンフィクション本大賞とは?
ノンフィクション本のおもしろさや豊かさをもっと体験して欲しいと、本屋大賞とヤフー株式会社の協力により、要望の高かったノンフィクションを対象にした賞。2018年に新設されたこの賞は、過去の受賞作として、このブログでも【2018年】本当に読んでよかったオススメ本ランキング11で1位に認定した「極夜行|角幡唯介」がある。

物語の舞台は、イギリス人の父親と、日本人の母親から生まれた中学生の「ぼく」が、イギリスで暮らす中で起こる日々を綴った作品です。
その中で直面する人種差別、ジェンダーの悩みや貧富の差、自分のアイデンティティ…。
1つ1つの出来事に直面するたびに「ぼく」や母が考え、それぞれの視点が増えていくことで、読者である僕自身も考えるようになっていくような引き込まれていく作品です。

この物語の舞台はイギリスですが、決して対岸の話ではなくて、世界で、日本で、僕の暮らす街で、家の周りで少しずつ形を変えながら起こっていることでもあります。作品が展開していく度に、きっとあなたの世界とリンクしていくはずです。

この作品は、きっと永久に読まれ続けるだろう作品です。ぜひ読んでほしい。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」に書かれていた言葉を紹介する

僕は本を読んだら気になった文章をノートに書き記す習慣を、もう15年近く続けています。

15年前から私が本を読んだら必ず行っている2つの習慣

インプットの吸収率が圧倒的に上がるし、なにより目に見える形で記録されていくことが自分の自信になる。
そんな効果があるので、本書から気になった文章を紹介します。

 

今どき黒人とジャングルやモンキーを結びつけるなんて、ずいぶん古式ゆかしいフレーズだなと思った。子ともがこういう時代錯誤なことを言うときは、たいていそう言っている大人が周りにいる、と言うのが私の経験則だ。

子どもは大人の真似をしながら育つ。
子育てをしていると、本当に強くそれを実感します。

 

頭が悪いってことと無知ってことは違うから。知らないことは、知るときが来れば、その人は無知ではなくなる。

 

そう言って笑っている息子を見ていると、彼らはもう、親のセクシャリティがどうとか家族の形がどうとかいうより、自分自身のセクシャリティについて考える年頃になっているのだと気づいた。さんざん手垢のついた言葉かもしれないが、未来は彼らの手の中にある。世の中が退行しているとか、世界はひどい方向に向かっているとか言うのは、多分彼らを見くびりすぎている。

そう思うだけの頼もしさみたいなものが、今を生きている少年たちにはありました。

彼らは世界を体験的に学び、その中には不条理さや、やるせなさに直面する場面もあるのですが、その経験からなにかを感じ、自分の言葉として学びとっていく姿は頼もしくあります。

未来を作っていくのは子どもたちで、彼らの手の中にあるのだから。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んで思ったこと

少年の通う学校では「シチズンシップ」の授業があります。
その授業では人種差別や世界の文化、LGBTQや政治活動について学ぶのですが、その授業で習ったことを実世界で体験する場面が多々でてきます。

例えば、LGBTQについての授業を受けた日の帰り。

12歳になった4人の友人たちの中で「ぼく」とAくんは「異性が好きだ」と話していた。
「当たり前だ、異性以外ありえない」とムキになったBくんもいました。
そんな中、「ぼくはまだわからない」と言ったCくんがいた。

Bくんは、最初ショックそうな様子をしていたのだけれど、Cくんがあまりにクールで冷静に話したものだから、それに気圧されたように「時間をかけて決めればいいよ」なんて言った。
そんな様子のBくんがおもしろかったと母に話す「ぼく」

これ、すごくないですか?

 

日本の12歳といったら、他と違うことを極端に恐れる年代ですよね。

個性を出したいと思いつつも、他人と大きく外れることも、意見が異なることも、良しとしないような空気がある。
変に目立たないように、例え意見があったとしても黙っていることも多く、こうやって友人に「もしかすると自分は同性愛者かもしれない」と伝えられるような環境は少ないように感じます。

これは教育の力だと感じるし、とても素敵なことですよね。
それこそ「無知」は人を傷つけることを生むけれど、こうやって「知っている」だけで一つずつ視点が増えていく、まさに教育の力だと感じます。

差別、貧困、思想
この本にはこういったちょっと重たそうな事柄が散りばめられていながらも、何度でも読みたくなる作品です。

ぜひ、一度手にとってみてほしい。
きっと後世まで読まれ続ける素晴らしい一冊です。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

この本の評価
面白さ
(4.5)
吸収できた言葉
(4.0)
デザインの美しさ
(4.5)
総合評価
(4.5)

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