この記事は、2022年上半期のおすすめ本「13歳からの地政学」についてネタバレありの書評・読書感想文です。
『13歳の地政学』は、ロシア・ウクライナ情勢や中国とアメリカの関係性、核シェアなど混沌としてきた現代の情勢を地政学の観点からわかりやすく解説されたまさに今読むべき本です。
「核兵器ってどこに隠してるの?」
「どうして中国は領土を広げたいの?」
「どうしてアフリカは豊かにならないの?」
今見えている景色が少し変わる2022年ベスト本「13歳からの地政学」をネタバレありで要約し、書評を書きました。
世界の今を物語形式でわかりやすく解説
目次
2022年のおすすめ本『13歳からの地政学』ネタバレあり書評
国際政治記者の田中孝幸さんが書いた本『13歳からの地政学』は、2022年上半期のベストセラー本の一冊です。
糸井重里さんが読んで感銘を受けたことでキャッチを書き、ウクライナ情勢もあって一気に世の中に知れ渡り、Amazonのレビューでも4.6と高評価を得て、多くのメディアでも話題になっているベストセラー本です。
僕自身も面白いと感じた本だったので【2022年上半期のベスト本】本当に面白かった本ランキング で第5位として紹介しています。
13歳からの地政学…
うーん、読んだほうがいいのはわかるんだけど、難しい本はちょっと読む気がしないなぁ
安心してください!
13歳からの地政学は、難しい言葉が一切なくて一気に読める本です!
どうして?
高校生の男の子と中学生の女の子が、一人の世界情勢に詳しい男性と地球儀を挟んで対話を繰り返しながら世界情勢を知っていくという物語調なんです。
難しい言葉が一切なく、どうして世界はこうなってるの?という疑問が飛び込んできては解決されていくんで、ほんとに13歳が読んでもわかる本ですよ!
ど、どんなことが書いてあるの?
ここからはネタバレありで伝えますが、例えば、アメリカとかロシアは核兵器を持ってる国ですが、核ミサイルってどこに置いてあるかってご存知ですか?
核ミサイルの置き場所…。
うーん、きっと人があんまりいないところだと思うけど、確かにどこなんだろ?
実は核兵器は海の中で移動させながら隠してるんですが、浅い海や各国が出入りできる海には隠せないんですね。見つかっちゃうから。
だから深い海で、自分の国の領海内に隠したいんだけど、そんな海って地球儀で探してもなかなかないんです。
中国が領土を広げたいのは、そういったことと関係してるんだよ!ってのが、中学生にもわかるように書かれてるんですよ!
それは知的好奇心をくすぐるね!
13歳の地政学には、具体的にどんな内容が書かれてるの?
ネタバレありで内容と目次を紹介しますが、『国際法に違反してクリミア半島をロシアが占拠したのに何の罰もない理由』や、『小さな国が自分たちの国を守るために重要な職業とは?』や、『アフリカに悪いリーダーが多い理由』なんてことが書かれていますよ!
なんだか随分キャッチーで興味深いテーマが多いなあ
「13歳の地政学」の目次だけを見ても興味深いですよ!
- なぜドルは世界中で使われるのか/みんなが船で運ぶ理由
- 中国が南シナ海を欲しがる理由/日本が核爆弾を持つ日は来るのか
- なぜ領土を求めつづけるのか/中国の防犯カメラは何のため?
- なぜ王様は必要とされるのか/なぜ大きな国の人々は外国語が下手なのか ほか
- なぜアフリカにはお金がないのか/アフリカから見た日本
- 世界一ラッキーな土地アメリカ/韓国人でロシア国籍のヤマモトさん
- 夢がないのは悪いこと?/温暖化で地球儀はどう変わるか
確かに興味深い内容や目次が多いですね!
13歳からの地政学の魅力は、興味深いテーマを対話形式で解説しているからスっと内容が入ってくるところにあるんですよね。
会話を聞いているように、本を読み進められますよ!
『13歳からの地政学』audibleオーディブルで聴ける?
2022年上半期のベスト本として現在売れまくっている『13歳からの地政学』ですが、オーディブルで全ての内容を無料で聴くことができます。びっくり。
オーディブル(audible)は、Amazonが提供している聴く読書サービスで、入会最初の1ヶ月間は無料体験を実施しています。
つまり、1ヶ月間は聴き放題対象作品の本が全て無料で聴けるサービスなので、めちゃくちゃお得です。
もちろん今回紹介している『13歳からの地政学』も無料で聴けるし、傑作ノンフィクション『サピエンス全史』や、お金の悩みのヒントをもらえる『ジェイソン流お金の増やし方』など、話題の本が全て無料で聴けます。
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『audibleオーディブル』の話題が出たので紹介すると、audibleは聴き放題と言ってもたいした本がないんでしょ?と考える方もいらっしゃるかと思いますが、これがビックリするほど読み応えのある本が揃っています。
さきほど挙げた「サピエンス全史」や2022年現在の伊坂幸太郎さんの最新作「ペッパーズ・ゴースト」、ひろゆきさんの「1%の努力」、永松茂久さんの「人は話し方が9割」、傑作ノンフィクション「詰むや、詰まざるや」、noteで大人気作家岸田奈美さんのエッセイ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」など、本屋で平積みされているような最新の人気本が聴き放題です。
このブログでは、audible(オーディブル)について詳しく書いた記事があるので、興味のある方は読んでみてください!
「13歳からの地政学」読書感想文と内容紹介
学校では教えてくれない今の世界情勢や社会問題を、その事象が起こった背景からわかりやすく教えてくれるのが、「13歳からの地政学」です。
学校の地理や現代史でなんとなく習うんだけど、なんだかよくわからない。
ニュースで大きな出来事になってることは聞いてるけど、なんだかよくわからない。
13歳からの地政学は、そんな疑問や話題を、中高生が素直な疑問を大人に投げかける対話形式で深堀りしていくので、とても読みやすく知的好奇心をくすぐられます。
13歳からの地政学の名言『今の当たり前は、未来の当たり前ではない』
本書の中で、「今の当たり前は未来の当たり前ではない」という名言がありました。
今の当たり前は、未来の当たり前ではない
13歳からの地政学
それは、「核兵器・核爆弾」についての話題があがったときのこと。
日本には「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則があって、メディアで核について話題に挙げることはタブーとされていましたが、近年は核シェアという考え方を中心に、メディアでも核武装の話題が上がっています。
核シェアが良い・悪いという話はここでは置いておきますが、日本が自国を守るという視点で考えたときには核兵器を持つことは金銭的にも防衛的にも合理的で、全く話にならないということではないはずです。
とはいえ、戦争を経験してきた方やその話を聞いてきた方にとっては、日本が核武装することは絶対に避けたいことで、反対意見は多くありますよね。
戦後80年近くが経って、これから100年、120年と経って核被害者が全員亡くなってしまった時に、「核武装」に関しての民意はどうなっているでしょうか?
今と変わらず「核は持つべきではない」という意見が多数なのか。
それとも、「アメリカに頼らず自国で核をもって守る力をつけるべき」という意見が多数なのか。
考えたくはありませんが、これから20年の間に、日本がウクライナのように諸外国に攻め込まれ、子どもたちが犠牲になったとしたら、本当にずっと核武装に反対と言えるでしょうか?
世界の情勢は日々変化していて、ロシアがウクライナに侵攻することが想像できなかったように、日本にも予想できない未来が待っているかもしれません。
そうなった時に、「これからは核武装をしなければいけない!」という意見が多くなることは十分ありえますよね。
世界地図は地政学によって変化している
世界地図は第一次世界大戦や第二次世界大戦から大きく変化しています。
それまであった国がなくなって、それまでなかった国ができて、現代の世界地図に変わっていって、未来の世界地図はきっと今とはまた違ったものになっています。
「今の当たり前は未来の当たり前ではない」
地理的な場所もそうだし、人々の思考もそう。
この言葉は、13歳からの地政学を読んで、最も印象に残った言葉でした。
13歳からの地政学の面白いポイントは、多くの疑問と質問が書かれていることです。
なんとなく学校で習ったかもしれないけど忘れてしまっていることや、なんで世界はこうなっているの?といった疑問を解決してくれるのが、13歳からの地政学の魅力です。
- 多くの貿易が船で行われる理由は?
- スマホデータで外国へメッセージを送るとき、データはどこを通っている?
- 地球温暖化で得をする国は?
- なぜアフリカにはお金がないのか?
- 自分にとっての世界の中心はどこか?
13歳の地政学は、たくさんの疑問を投げかけ、一緒に考えながら話が進んでいきます。
登場人物である高校生の男の子や、中学生の女の子が僕たち読者の代わりとなって様々な疑問を投げかけ、考え、視点を広げていく様子は、自分を投影しているようでストンと話が入っていきます。
こんな疑問・質問に興味をもった方は、ぜひ「13歳からの地政学」を読んでみてください!
『13歳からの地政学』ネタバレありの読書感想文まとめ
2022年上半期のベストセラー本「13歳からの地政学」について、ネタバレありの読書感想文を書きました。
ロシア・ウクライナ情勢が始まる前に出版された本ですが、世界の変化を表し、まるでこうなることを予想していたかのような描写も含まれています。
2022年の今、ぜひ読んでほしい一冊です。
面白い本の読書感想文まとめ
これまでの読書感想文一覧
この記事のように、本を読んでは読書感想文をブログでアップしています。
これまでの『読書感想文一覧』があるので、興味のある本があればぜひ読んで見てください!
読書感想文一覧
- 1) 角幡唯介|エベレストには登らない
- 2) 菅俊一・高橋秀明|行動経済学まんが ヘンテコノミクス
- 3)中田敦彦|中田式ウルトラ・メンタル教本
- 4)戸田和幸|解説者の流儀
- 5)石川直樹|この星の光の地図を写す
- 6)岸見一郎|哲学人生問答
- 7)渡邊雄太|「好き」を力にする
- 8)高橋源一郎|ぼくらの文章教室
- 9)石川直樹|まれびと
- 10)堀江貴文|英語の多動力
- 11)森博嗣|作家の収支
- 12)鈴木敏夫|南の国のカンヤダ
- 13)森博嗣|森助教授VS理系大学生 臨機応答・変問自在
- 14)米沢敬|信じてみたい 幸せを招く世界のしるし
- 15)馳星周|馳星周の喰人魂
- 16)藤代冥砂|愛をこめて
- 17)佐藤優|人生のサバイバル力
- 18)せきしろ|1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった
- 19)服部文祥|息子と狩猟に
- 20)ブレイディみかこ|ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
- 21)河野啓|デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
- 22)幡野広志|他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。
- 23)内山崇|宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶
- 24)近藤雄生|まだ見ぬあの地へ 旅すること、書くこと、生きること
- 25)岸田奈美|家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
- 26)玉樹真一郎|「ついやってしまう」体験のつくりかた
- 27)村本大輔|おれは無関心なあなたを傷つけたい
- 28)小松由佳|人間の土地へ
- 29)服部文祥|サバイバル家族
- 30)石川直樹|地上に星座をつくる
- 31)加藤亜由子|お一人さま逃亡温泉
- 32)沢木耕太郎|深夜特急
- 33)ブレイディみかこぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2
- 34)沢木耕太郎|深夜特急第1巻・第2巻
- 35)沢木耕太郎|深夜特急第3巻・第4巻
- 36)いとうせいこう|国境なき医師団を見に行く
- 37)ちきりん|「自分メディア」はこう作る!
- 38)村上春樹|村上T 僕の愛したTシャツたち
- 39)鈴木賢志|スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む
- 40)沢木耕太郎|深夜特急第5巻・第6巻
- 41)落合陽一|0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書|
- 42)早坂大輔|ぼくにはこれしかなかった。BOOKBERD店主の開業物語|
- 43)小永吉陽子|女子バスケットボール東京2020への旅
- 44)辻山良雄・nakaban|ことばの生まれる景色
- 45)岡田悠|0メートルの旅
- 46)トム・ホーバス|チャレンジング・トム
- 47)長谷川晶一|詰むや、詰まざるや 森・西武VS野村・ヤクルトの2年間
- 48)田中孝幸|13歳からの地政学←今回の記事
- 49)国分拓|ガリンペイロ
- 50)サトシン・西村敏雄|わたしはあかねこ
- 51)林木林・庄野ナホコ|二番目の悪者
本当に面白いおすすめの本
また、これまで読んできた1500冊を全て記録している中で、本当に面白いオススメ本をジャンルごとに紹介していく記事を書いています。
様々なジャンルのおすすめ本があるので、本が好きな方はぜひ読んでみてください。
- 第1弾:本当にオススメする写真家が書いた本
- 第2弾:本当に面白い「エッセイ」
- 第3弾:本当に面白い「サッカー本」
- 第4弾:本当に面白い「旅の本・紀行文20冊」
- 第5弾:本当に面白い「ルポタージュ」
- 第6弾:本当に面白い「日本の現代小説」
- 第7弾:本当に面白い「家族愛を感じさせる写真集」
- 第8弾:本当に面白い「旅をテーマとした写真集」
- 第9弾:誰かに贈りたくなるプレゼント本50冊
- 第10弾:オススメの伊坂幸太郎作品ランキング・トップ10
- 第11弾:「アラスカを旅した写真家・星野道夫の魅力とオススメの本」
- 第12弾:本当に面白いシリーズ本「就職しないで生きるには」
- 第13弾:本当に面白い「ぶっ飛んでる人のノンフィクション本」
- 第14弾:本当に面白い「3歳におすすめの絵本」
- 第15弾:探検家・角幡唯介のオススメ本10選と3つの魅力
- 第16弾:本当に面白い「ノンフィクション本」
- 第17弾:本当に面白い「村上春樹のおすすめエッセイ5選」
- 第18弾:本当に面白い【本がテーマの本15選】
- 番外編:本当に面白い映画12作品